劇場公開日 2007年2月24日

「1968年6月5日のアメリカ、ロスアンゼルス」ボビー h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.01968年6月5日のアメリカ、ロスアンゼルス

2020年8月27日
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あの事件が起きなければ、何のことはない普通の一日だったはず。

ある人は戦争を忌避する目的で結婚式を挙げ、ある人は急な仕事で大事な野球の試合に行けず、ある人は言動でマネージャーの仕事をクビになり、ある人は浮気がバレて…。

各人にとっては人生のうちで数度しかない日だったかもしれない日が、たまたま同じ場所に居合わせた人びとが突然天地がひっくり返るような事件を共有することになる。

68年はベトナム戦争が泥沼化し、若者は戦争と政府を批判。いったんは融和に向かうかにみえた人種間の分断は再び深まろうとしていた時期。

米国が第二次大戦後に訪れたもっとも大きな国家の危機を救える人物として期待されていた矢先の悲劇。

63年11月22日にJFKが暗殺され、65年2月21日にMalcolm X 、68年4月4日にMartin Luther King, Jrと立て続けに要人が暗殺され、国内の市民の分断が鮮明になった60年代のアメリカ。

約50年前にRFKが解決しようとしていたことが、今のアメリカにおいて全く解決できていないことにあらためて驚かされる。

atsushi