「誰からも愛されていたピアニスト」セッションマン ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0誰からも愛されていたピアニスト

2024年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

劇場鑑賞
伝説ともいえるセッションピアニスト、ニッキー・ホプキンズのドキュメンタリー作品。
そのキャリアはストーンズ、フー、キンクス、ビートルズ、ジェフベック、フープル等キリがないくらい、70年代からのバンドサウンドには大体関わっていたミュージシャン。
自分がストーンズを大好きなので彼のピアノにはとても思い入れがあり、この作品は本当楽しみでした。
作品は彼の関わったバンドやアルバムを章毎に構成。
これだけでどれだけのサウンドに関わってきたのがすごい分かります。
また彼の人柄がすごい出てるんですよね。
ロックンロールで大成した人物は、必ず影を落とした時期があります。
インタビューでも「この時期は酷かった」とか「誰とも関わらなかった」とか絶対出てくるのですが、彼には全くない。
そして出てくるインタビュアーの数も尋常でなくらい多いです。
とにかく誰からも愛されていました。
そして完全に傍に徹しているのに、それでも際立ってしまう彼のプレイ。「She's a Rainbow」なんて彼のピアノが主軸だと思っています。
また、セッションピアニストの腕は本当すごくて、ゴダールの「ワン・プラス・ワン」みると分かるんですが「悪魔を憐れむ歌」のピアノがどんどん変化してくのにはとても魅了されました。
難病と共に生き、その生涯を閉じるまで本当に素敵な人生だったと思います。
もう叶わないけど、ライブで彼のピアノの「悪魔を憐れむ歌」「モンキーマン」が聴きたかったです。
彼が好きだから贔屓目ですが、とても素敵なドキュメンタリー作品でした。

白波