青春ゲシュタルト崩壊のレビュー・感想・評価
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青年期ならではの悩み
高校生の頃って本当に脆い。ちょっとしたことで精神疾患を患ってしまいがち。作中では水槽と例えてたけど私は学校を刑務所だと思ってた。集団でうまくやっていけない人にとって学校はすごく窮屈。大人になっちゃえば陰口聞いちゃっても「誰が八方美人ですって〜?あ、私が美人ってこと?ありがと〜」って言えちゃうんだけどね。
ところで青年期失顔症ってそんなに生活に支障あるかな?普通じゃないことは辛いかもしれないけど…。親や兄弟に打ち明けて、黙ってよしよししてくれてた家族もすごい。私も保健室にあった本の中の精神疾患あるけど、家族や友達に打ち明けたいと思ったことないな。
そしてバスケ部の友達。本人のいないところで他の部員の悪口に乗っかって「八方美人」呼ばわりするのはよくないけど、あの子はあの子で友達に本音を打ち明けてもらえなくて辛かったんだろうな。聖と打ち解けて笑顔の朝葉めちゃくちゃ可愛いし、あの笑顔をあの友達は見れなかったんだなと思うと切ないね。バスケ部は引退したけどバスケは好きってことは別のチームに所属したのかな?地域のチームに所属して活躍するシーンとかあればよかったのに。
あと、ガチで体調不良でよく保健室通ってた身からすると保健室に居座る人がいるの迷惑すぎる(笑)教室に居場所がない人たちのための場所が保健室以外にもあるといいよね。保健室の先生、瀬戸朝香がいい先生やってるの違和感…(未だに10年前のライフのクソ教師のイメージが抜けない)
今時自転車二人乗りシーン珍しいなって思ってたらちゃんとエンドロールに注意書き書いてあった(笑)
オール世代にささる映画
年齢問わず楽しめる
心温まる映画
タイトルで食わず嫌いしてる人にも観て欲しい!
自分ごとのように感じられる人は、誰かの症状を緩和できる人なのかもしれません
2025.6.17 イオンシネマ京都桂川
2025年の日本映画(105分、G)
原作は丸井とまとの同名漫画
青年期失顔症に悩まされる女子高生を描いた青春映画
監督は鯨岡弘識
脚本は三浦希紗
物語の舞台は、日本のどこかにある平明高校
バスケ部に在籍している間宮朝葉(渡邉美穂)は、チームの中心として顧問の桑野(水橋研二)から絶大な信頼を得ていた
チームメイトも朝葉を通じて顧問に要望を出させるなど、そう言ったことも朝葉は断ることはなかった
彼女には母・葉子(戸田菜穂)と仲の悪い兄・夕利(濱田龍臣)がいて、朝葉はそのことを気にしていた
ある日のこと、朝葉は部員のみんなの言葉を伝えるために顧問の元へ向かった
だが、ストレスが極限まで達し、ふと廊下の鏡を見ると、自分の顔が見えないことに気づく
動揺してスマホを鏡に投げつけた朝葉は、そのまま廊下に倒れ込んでしまった
偶然そこに通りかかったクラスメイトの朝比奈(佐藤新)に助けられた朝葉は、そのまま保健室に連れてこられ、雨村先生(瀬戸朝香)に介抱されることになった
朝葉は体調を取り戻し、顧問のもとに向かうものの、顧問は「みんなで話し合う機会を持とう」と言い出す
そして、みんなの前で自分の気持ちを話すように言われた朝葉だったが、突如火災報知器が鳴り響き、辺りは騒然となって、それどころではなくなってしまったのである
映画は、青年期失顔症という架空の病気を題材にしているが、いわゆるストレス過多による認識機能の低下をわかりやすく表現したものになっていた
崩壊をそこまで恐怖っぽくビジュアル化はしていないが、想像で補うことはできる
冒頭から「人は水槽の中の魚のようだ」という例え話がモノローグで登場し、それがラストにも語られていく
人に気を使ったり、人が吐く悪意などを餌にして生きているという表現があり、それを摂りすぎた故に発症しているという感じになっていた
また、周囲に知られたくないという気持ちも症状を悪化させていて、自分自身を見失っている状況というものを可視化している
映画では、そんな病気に苛まれる人々を描いていて、これらの根源となるのが「悩むを打ち明けられない」というものだった
ラストでは、朝葉を中心として「お悩み相談室」というものが開設され、そこに集まる悩みに答えていく様子が描かれていた
若者の悩みはたくさんあるが、言語化できるものとできないものがある
目に見えるものもあれば見えないものがあるのだが、それらが引き起こす症状は多岐にわたる
なので、自分の顔が認識できなくなるという病気があっても不思議ではなく、見えないのではなく違って見えるというのは日常でも起こり得ることだろう
そもそも、人が見ている自分の顔は鏡で見るそれとは真逆なので、写真で見る自分の顔との違和感を感じると思う
それに対して、そんなもんだよねと流せる人もいれば流せない人もいて、そこに過剰に反応してしまうことでこの症状は起こるとも言える
朝葉の場合は、人によく見られたいとか役に立ちたいという願望がありながら、それに甘えてくる無自覚な悪意というものをもわかりながらも飲み込んでいく部分がある
それを分かった上で毒を取り込みすぎたと認識していて、その限界値が「大好きだったバスケを嫌いにさせてしまう」ほどに強力になっていく
そう言ったものからの解放が起こるのは、自己認識と行動でしかなく、顧問に対して「バスケを嫌いにならないために部活動をやめる」と宣言するのは強烈なカウンターだったように思えた
いずれにせよ、恋愛要素ゼロの青春映画で、主演のファン向けのムービーのように思う
そのファン層の年齢層はわからないが、何事もなく通過した後の大人には刺さらない映画のように思えた
この世代の子どもを持つ親、関わりを持つ職業だと、見えなかったものが見えるかもしれないが、そうではない距離感の人にはわかりにくい
自分の過去を掘り起こす映画でもあるので、何か自分に嫌なことがあって、体調を崩してしまったことがある人ならば、その時のことを思い出すのではないだろうか
個人的には中学校時代に原因不明の腹痛に見舞われた時期があって、どんな検査しても何も見つからず、意味があったのかわからない電気治療までしたことがあるのだが、その時の状況と似ているように思う
それは一過性で済んでいたのは引き摺らない性格だったからで、自分自身も朝葉のようになっていたかもしれないと思うと他人事ではないのだな、と思う
誰しも起こり得ることだし、年齢も問わないと思うので、自分の心の苦しみが体のどこかに出ていないかのチェックは怠らない方が良いのではないだろうか
女子集団のプロトコルを全肯定
日本の女の人は小学校高学年ぐらいから高校出るくらいまで(人によってはその後もずっと)暗黙の行動様式みたいなのを叩き込まれるよね。
その暗黙の諸々にがんじがらめにされるがために、本当の自分が分からなくなる事象を「青年期失顔症」として表したのが面白いね。
青年期失顔症を発症してしまった主人公が、どうにかしてそれを克服しようというのがメインストーリーなの。
主人公はどうしようもなく困ってしまって、それを救うのはやっぱりヒーローだね。クラスメイトの金髪のイケメン。
イケメンが保健室の先生の知り合いで、同じく失顔症になやむ後輩もいて、みんなで少しずつ進んでいく。
光が見えそうで、良かったというところで、終わるの。
主人公が所属するバスケ部が悪役っぽく描かれるんだけど、ここは、少し引っ掛かりがあったな。
バスケ部顧問が「さあ、みんな、言いたいことを言い合え」ってやるんだけど、すると保健室の先生がやってきて「あなたにはガッカリです」と顧問をボコボコにして帰るんだよね。
「顧問わかってねえな」「これだから熱血かぶれのバカ教師は……」って感じになってるの。
さて、言いたいことを言い合えたら問題は解決しそうだけど、それは暗黙の行動様式では許されないよね。だから大変なんじゃんというところだけど。
でもその暗黙の行動様式が素晴らしいもので、「言いたいことを言い合え」ってのは駄目なことなのかなってのは気になった。
「そんなこと分かってるよ。分かってるけど……」ということで「そうだよね」と寄り添う作品になってました。
主人公が決断する「バスケを好きでいたいから、部を辞めます」もすごいね。
「女バスのアホどもざまあみろ」という感じだけど、これ言われた方はキツイよ。
顧問は泣くね。さすがに、そんなこと言わせたくてやってたわけじゃない。
しかし「わかってない」し「熱血かぶれのバカ教師」だから、こう言われちゃうの。
「言いたいことを言い合え」なんて正論言ったら駄目ってことか。そう思うと恐ろしいなこの作品世界。
役者さんは新井美羽が良かったよ。
どの年代にも共感できる
青春ゲシュタルト崩壊
社会人でも参考になる
高校2年生の間宮朝葉は頼まれると断れない性格のため、青年期失顔症、を発症したのだが、その事実を知られるのを恐れ、1人で悩んでいた。そんな彼女の異変に唯一気づいたのは、金髪で粗暴で教師から目をつけられていた同級生・朝比奈聖だった。そして、朝葉は聖により少しずつ自分自身を見つめ直すことが出来るようになった。一方の聖も彼女と一緒に過ごすうちに、ずっと抱えていた従兄弟と向き合う事が出来るようになり・・・さてどうなる、という話。
人から嫌われたくないと思い、何でも頼まれたら断れず、やってしまう、居るだろうなと思う様な主人公で、感情移入してしまった。それは断っても良いんじゃない、とか思った。
青年期失顔症、という病気が実際にあるのかと調べたら、本作オリジナルの病気なんだとわかり、面白い病名を考えついたものだと感心した。
題名のゲシュタルト崩壊、という言葉はあるみたいで、知れて勉強になった。
バスケ部のコーチ?部長?は昭和過ぎて笑った。もう少し個々の部員の気持ちを考えて発言しろよ、と思ってたら、保健室の先生にピシャリ、と言われたシーンはスッキリした。
元水泳やってた後輩が海に飛び込んだシーン、泳いでただけらしいが、服着たままでだと手脚が動かせなくなるんじゃないかと心配した。
渡邉美穂が前作では藤田ニコルに似てると思ってたが、本作では桜庭ななみ(宮内ひとみ)に似てる気がした。少しぽっちゃりで健康的な笑顔が可愛かった。
佐藤新、って初めて観た気がするが、まぁイケメンで気遣い出来てて良かった。
保健室の先生役の瀬戸朝香は優しくてカッコよかった。
朝葉の母役で戸田菜穂や兄役の濱田龍臣は優しさに溢れてた。良い家族だなぁ、って思った。
高校生の成長物語だけど、社会人の人間関係でも充分参考になる話だと思う。
良かったし面白かった。
親子で観てもいいかも
映画のタイトル通り、青春真っ只中の子供達のリアルな悩みを取り上げており中高生の胸に響く内容だった。と同時にその子達と接する親世代も考えさせられる内容で、親として涙せずにいられないシーンも。
さらに、高校生のリアルな悩み=現代社会の縮図のようでもあり多くの人の心に刺さる映画だと思う。
フレッシュな若手俳優とベテランの俳優さんの演技も良くストーリーに集中できた。
鑑賞後は清々しい気持ちになれる。
恋愛要素はないので親子で観るのもいいかもしれない。
着衣水泳は気を付けてねホント
人の顔色や反応を気にし過ぎて、自分を出せないJKが青年期失顔症になる話。
人から頼み事をされたり嫌なことを押し付けられてもNOと言えずに抱え込み、溜まりに溜まって鏡に写った自分の顔が…と巻き起こっていく。
どうでも良いけど、ゲシュタルト崩壊は錯覚でメンヘラな青年期失顔症とは全然違いますねw
というか、青年期失顔症って誰か診断しましたっけ!?なんて思いつつ、失顔症は知っているけれど、自分の顔だけ認識不可?しかも結構メジャーだし罹患する人多い感じの青年期失顔症という病気なんですね…ってことで観賞後に調べたら、まさかの架空の病気って…(´・ω・`)
顧問は逆に振り過ぎだけれど、他は寄り添い優しく、ひたすら優しく、ただただ優しく…という感じのラッシュで、なんかそれ一辺倒に感じてしまって、悪くはないけれどなんかちょっと物足りなかったかな。
人との向き合い方
【”一人一人には個性と顔がある。”今作は、学校という小さな水槽で頑張って泳いでいる魚たちに無用なプレッシャーを掛けない大切さを描いた、大人社会でも通用する優しき心理療法映画である。】
ー 「青春ゲシュタルト崩壊」って、マア重いタイトルを付けたもんだなあ、と思いながら劇場へ。ー
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・で、内容は前半は若者達の、学校内で周囲に気を使い生きる姿と、真面目で責任感が強すぎるために”青春期失顔症”になってしまった、女子高生マミヤ(渡邉美穂)の姿と、何故か彼女を気遣う金髪のチョイ、チャラいアサヒナ(佐藤新)との関係性を軸に描かれていく。
・マミヤが所属するバスケのコーチが、悪気はないのだろうけれど、昭和の様なコーチ振りで、マミヤはその期待に応えようと、ギリギリまで頑張って、結果、”青春期失顔症”になってしまうシーンは、辛かったな。
■けれども、この作品は、保険医のアマムラ先生(久しぶりの瀬戸朝香さん。ほぼ同期っす。嬉しいっす。)を筆頭に、まるで心療内科の先生の様な登場人物(マミヤのお兄ちゃんもそうね。)に助けられるんだよなあ。ホッとするんだよなあ。
あのね。今作は舞台が高校だけど、これ企業でも数年前から起きている事なんだ。だから、それまでは一緒に働く仲間達にしょっちゅう”頑張れ!”とか”二日間くらい寝なくても、人間死なない!”とか、無理を言って来たのだが、最近そういう言葉は、自ら禁じている。
そう、当たり前だけれども、人間には一人一人に顔があり、個性がある。だから、イーロン・マスクみたいに、週80H働いても大丈夫な、強メンタル&タフネスさを持つ人もいるし、そうではない人も、当然いる。
だから、一律に”頑張れ”って、言ってはイケナイんだよね。
<今作は、真面目で、責任感があるが故に”青春期失顔症”になってしまった、女子高生マミヤが、理解ある周囲の保険医のアマムラ先生や、お兄ちゃん。そして、過去に親友でライバルの水泳選手に”頑張れ!”と何度も言ってしまったが故に、悔いを抱えるアサヒナ君との交流により、笑顔を取り戻し、自分の進む道を自らの意志で選べるようになった姿を描いた、学校という小さな水槽で頑張って泳いでいる魚たちに無用なプレッシャーを掛けない大切さを描いた、大人社会でも通用する優しき心理療法映画なのである。>
迷いながら見つける自分の道
普段から風景や感情描写の美しい映画が好き。
この青春ゲシュタルト崩壊は、青く冷たそうな夜のプールのシーンが特に綺麗でした。だからこそ、そのプールにこっそり忍び込むシーンがもう少し丁寧に描かれていたらよかったなぁって思い、もし私だったらどんなふうに演出したかなぁなんて不遜にも考えたりしました。
堤防から飛び込んでしまうシーンと、その後堰を切ったように2人の女の子が泣くシーン、戸惑う男の子、そしてそれぞれが 自分の歩む方向を見つけていくところが、とても勇気づけられます。心の中をさらけ出してすっきりすることで、次の道が見えてくるよね!って思いました。
全58件中、21~40件目を表示
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