青春ゲシュタルト崩壊のレビュー・感想・評価
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後味がとてもいい作品
キラキラの恋愛学園モノではありません
実際中学生と関わることがありますが、他者と違うことを頑なに嫌がる傾向があります
自分を押し殺して周りに合わせる子どもたちを見ているので、この作品を見て本当に考えさせられました
保険の先生がバスケ部顧問に強く言い放つシーン、原作ではもっと的確なセリフがあったと記憶していますがなぜ採用されなかったのか、ちょっと残念でした
最後、明確な表現ではなく日常の会話から朝葉の病状が回復していることが可愛らしく伝えられるのも良かったです そこが解決しないままではスッキリしないので…
とても後味よく優しいほっこりした気持ちで終わる作品でした
ちょっとキツい場面が多かった…
特に部活動の人間関係で悩むシーンがキツかったなぁ。
些細な感情の行き違いやタイミングのズレ、そして青春時代特有の同調圧力。まあ、ありがちな悩みと言ってしまうと申し訳ないんだけど、本人たちには深刻な、それこそ人生を左右する問題になりかねない。
結局「青年期失顔症」と言うのは架空の病気なんだけど、自分の気持ちと行動がずれていくと自分自身がわからなくなっていくことのひとつの分かりやすい例えとして設定しているのかと。
少し気になったのは、その症状が現れるのは劇中に於いては部活動の絡みがほとんどで、他の対人関係による発症はどうなんだろうと思った。
PS あのバスケット部の顧問の先生が酷い悪人のように書かれているが、高校の運動部なんて結構ああいう間違った熱血タイプが多いんだよね。そうでなければ、やり手がいなくて無理矢理押しつけられた名前だけの無気力な顧問(笑)
母親目線から観てもとても心打たれました
同じ年頃の娘が居ます。
朝葉ちゃんがお母さんに病気を告げるシーンでは自分が母親の立場で観る事が出来自然と涙が止まりませんでした。
私も娘に気付かないうちプレッシャーを与えてるんじゃないかと反省させられるところもありましたし、自分も学生時代朝葉ちゃんに似てる部分があり、人の為に何かをしてあげたいって思いが強かったので八方美人と思われてる時代もありました。
今でも人の為に何かをしてあげたいって気持ちは変わらず介護という職業に繋がっております。
誰にたいしても変わらず接する事が出来る。
自分では決して悪いことじゃないし自分の強みでもあると思ってます。
とても考えさせられる作品ですので幅広い年代に観て頂きたいです!
主演の佐藤新さんと渡邉美穂さんの演技がとても自然体で作品に入り込みやすいのも見どころです。
「頼まれると断れない」問題は、社会人になっても起こる。仕事でもプライベートでも起きる。まあしょうがないな (^^)。渡辺美穂バスケうめえー、ナィッシュ~。
冒頭、渡辺美穂さんのドリブルが上手くて、バスケ部っぽいと思ったらバスケ経験者だった。
「もうこのまま青春バスケ映画でいいじゃん」と思ったが、モチロンそーはいかない。
まあ、そういうわけで、朝葉(渡辺美穂さん)は断りたくても断れないし、その他もろもろ言いたくても言えなくて、スゲーカワイソーである。
かといって誰かに頼ることもしない、というか頼ることが苦手である。頼った相手の負担になったり、心配をかけるのではないかと思って言えないのだと思われる。
バスケ部メンバーに味方がいない感じが誇張して描かれているので、見てる方はイライラがつのる。
バスケ部の中に1人だけ朝葉と親しい子がいるのだが、この子に「朝葉って八方美人だから」なんてセリフを脚本が言わせる(又は原作が言わせる)ものだから、バスケ部に朝葉の居場所がなくなる。
ますますもって追い詰められる朝葉。ヒエー何てこったい。
もう、こうなりゃ誰かが気がついて助け船を出すのを待つっきゃないというパターンである。
ここで、金髪の同級生男子と、保健のセンセと、同じ症状の後輩女子が登場 \(^^)/
これで朝葉の問題も解決に向かい、映画のエンディングへ向かって一直線にゴー ♪ヽ(´▽`)/
と思いきや、金髪クンは水泳部の友達と過去にトラブルがあり、後輩女子も妹とギスギスしてて、物語は一筋縄にはいかない。
で、このあと細かくはよく覚えてないんだが、とにかく朝葉、金髪クン、後輩女子の3人とも、一応問題が解決して、とりあえずハッピーエンドじゃなかったかな。
えっと、マジよく覚えてない。どんな風に解決したんだっけな? (^^)。
朝葉はバスケ部に復帰したんだっけ?まあよい。
社会人になっても起きる全世代に共通した「頼まれると断れない」 問題を扱った映画なのであった。
ちなみに僕フツーに断るので、朝葉には同情するが共感はない (  ̄▽ ̄)
誰もが経験する葛藤に共感
青年期ならではの悩み
高校生の頃って本当に脆い。ちょっとしたことで精神疾患を患ってしまいがち。作中では水槽と例えてたけど私は学校を刑務所だと思ってた。集団でうまくやっていけない人にとって学校はすごく窮屈。大人になっちゃえば陰口聞いちゃっても「誰が八方美人ですって〜?あ、私が美人ってこと?ありがと〜」って言えちゃうんだけどね。
ところで青年期失顔症ってそんなに生活に支障あるかな?普通じゃないことは辛いかもしれないけど…。親や兄弟に打ち明けて、黙ってよしよししてくれてた家族もすごい。私も保健室にあった本の中の精神疾患あるけど、家族や友達に打ち明けたいと思ったことないな。
そしてバスケ部の友達。本人のいないところで他の部員の悪口に乗っかって「八方美人」呼ばわりするのはよくないけど、あの子はあの子で友達に本音を打ち明けてもらえなくて辛かったんだろうな。聖と打ち解けて笑顔の朝葉めちゃくちゃ可愛いし、あの笑顔をあの友達は見れなかったんだなと思うと切ないね。バスケ部は引退したけどバスケは好きってことは別のチームに所属したのかな?地域のチームに所属して活躍するシーンとかあればよかったのに。
あと、ガチで体調不良でよく保健室通ってた身からすると保健室に居座る人がいるの迷惑すぎる(笑)教室に居場所がない人たちのための場所が保健室以外にもあるといいよね。保健室の先生、瀬戸朝香がいい先生やってるの違和感…(未だに10年前のライフのクソ教師のイメージが抜けない)
今時自転車二人乗りシーン珍しいなって思ってたらちゃんとエンドロールに注意書き書いてあった(笑)
オール世代にささる映画
年齢問わず楽しめる
心温まる映画
タイトルで食わず嫌いしてる人にも観て欲しい!
自分ごとのように感じられる人は、誰かの症状を緩和できる人なのかもしれません
2025.6.17 イオンシネマ京都桂川
2025年の日本映画(105分、G)
原作は丸井とまとの同名漫画
青年期失顔症に悩まされる女子高生を描いた青春映画
監督は鯨岡弘識
脚本は三浦希紗
物語の舞台は、日本のどこかにある平明高校
バスケ部に在籍している間宮朝葉(渡邉美穂)は、チームの中心として顧問の桑野(水橋研二)から絶大な信頼を得ていた
チームメイトも朝葉を通じて顧問に要望を出させるなど、そう言ったことも朝葉は断ることはなかった
彼女には母・葉子(戸田菜穂)と仲の悪い兄・夕利(濱田龍臣)がいて、朝葉はそのことを気にしていた
ある日のこと、朝葉は部員のみんなの言葉を伝えるために顧問の元へ向かった
だが、ストレスが極限まで達し、ふと廊下の鏡を見ると、自分の顔が見えないことに気づく
動揺してスマホを鏡に投げつけた朝葉は、そのまま廊下に倒れ込んでしまった
偶然そこに通りかかったクラスメイトの朝比奈(佐藤新)に助けられた朝葉は、そのまま保健室に連れてこられ、雨村先生(瀬戸朝香)に介抱されることになった
朝葉は体調を取り戻し、顧問のもとに向かうものの、顧問は「みんなで話し合う機会を持とう」と言い出す
そして、みんなの前で自分の気持ちを話すように言われた朝葉だったが、突如火災報知器が鳴り響き、辺りは騒然となって、それどころではなくなってしまったのである
映画は、青年期失顔症という架空の病気を題材にしているが、いわゆるストレス過多による認識機能の低下をわかりやすく表現したものになっていた
崩壊をそこまで恐怖っぽくビジュアル化はしていないが、想像で補うことはできる
冒頭から「人は水槽の中の魚のようだ」という例え話がモノローグで登場し、それがラストにも語られていく
人に気を使ったり、人が吐く悪意などを餌にして生きているという表現があり、それを摂りすぎた故に発症しているという感じになっていた
また、周囲に知られたくないという気持ちも症状を悪化させていて、自分自身を見失っている状況というものを可視化している
映画では、そんな病気に苛まれる人々を描いていて、これらの根源となるのが「悩むを打ち明けられない」というものだった
ラストでは、朝葉を中心として「お悩み相談室」というものが開設され、そこに集まる悩みに答えていく様子が描かれていた
若者の悩みはたくさんあるが、言語化できるものとできないものがある
目に見えるものもあれば見えないものがあるのだが、それらが引き起こす症状は多岐にわたる
なので、自分の顔が認識できなくなるという病気があっても不思議ではなく、見えないのではなく違って見えるというのは日常でも起こり得ることだろう
そもそも、人が見ている自分の顔は鏡で見るそれとは真逆なので、写真で見る自分の顔との違和感を感じると思う
それに対して、そんなもんだよねと流せる人もいれば流せない人もいて、そこに過剰に反応してしまうことでこの症状は起こるとも言える
朝葉の場合は、人によく見られたいとか役に立ちたいという願望がありながら、それに甘えてくる無自覚な悪意というものをもわかりながらも飲み込んでいく部分がある
それを分かった上で毒を取り込みすぎたと認識していて、その限界値が「大好きだったバスケを嫌いにさせてしまう」ほどに強力になっていく
そう言ったものからの解放が起こるのは、自己認識と行動でしかなく、顧問に対して「バスケを嫌いにならないために部活動をやめる」と宣言するのは強烈なカウンターだったように思えた
いずれにせよ、恋愛要素ゼロの青春映画で、主演のファン向けのムービーのように思う
そのファン層の年齢層はわからないが、何事もなく通過した後の大人には刺さらない映画のように思えた
この世代の子どもを持つ親、関わりを持つ職業だと、見えなかったものが見えるかもしれないが、そうではない距離感の人にはわかりにくい
自分の過去を掘り起こす映画でもあるので、何か自分に嫌なことがあって、体調を崩してしまったことがある人ならば、その時のことを思い出すのではないだろうか
個人的には中学校時代に原因不明の腹痛に見舞われた時期があって、どんな検査しても何も見つからず、意味があったのかわからない電気治療までしたことがあるのだが、その時の状況と似ているように思う
それは一過性で済んでいたのは引き摺らない性格だったからで、自分自身も朝葉のようになっていたかもしれないと思うと他人事ではないのだな、と思う
誰しも起こり得ることだし、年齢も問わないと思うので、自分の心の苦しみが体のどこかに出ていないかのチェックは怠らない方が良いのではないだろうか
女子集団のプロトコルを全肯定
日本の女の人は小学校高学年ぐらいから高校出るくらいまで(人によってはその後もずっと)暗黙の行動様式みたいなのを叩き込まれるよね。
その暗黙の諸々にがんじがらめにされるがために、本当の自分が分からなくなる事象を「青年期失顔症」として表したのが面白いね。
青年期失顔症を発症してしまった主人公が、どうにかしてそれを克服しようというのがメインストーリーなの。
主人公はどうしようもなく困ってしまって、それを救うのはやっぱりヒーローだね。クラスメイトの金髪のイケメン。
イケメンが保健室の先生の知り合いで、同じく失顔症になやむ後輩もいて、みんなで少しずつ進んでいく。
光が見えそうで、良かったというところで、終わるの。
主人公が所属するバスケ部が悪役っぽく描かれるんだけど、ここは、少し引っ掛かりがあったな。
バスケ部顧問が「さあ、みんな、言いたいことを言い合え」ってやるんだけど、すると保健室の先生がやってきて「あなたにはガッカリです」と顧問をボコボコにして帰るんだよね。
「顧問わかってねえな」「これだから熱血かぶれのバカ教師は……」って感じになってるの。
さて、言いたいことを言い合えたら問題は解決しそうだけど、それは暗黙の行動様式では許されないよね。だから大変なんじゃんというところだけど。
でもその暗黙の行動様式が素晴らしいもので、「言いたいことを言い合え」ってのは駄目なことなのかなってのは気になった。
「そんなこと分かってるよ。分かってるけど……」ということで「そうだよね」と寄り添う作品になってました。
主人公が決断する「バスケを好きでいたいから、部を辞めます」もすごいね。
「女バスのアホどもざまあみろ」という感じだけど、これ言われた方はキツイよ。
顧問は泣くね。さすがに、そんなこと言わせたくてやってたわけじゃない。
しかし「わかってない」し「熱血かぶれのバカ教師」だから、こう言われちゃうの。
「言いたいことを言い合え」なんて正論言ったら駄目ってことか。そう思うと恐ろしいなこの作品世界。
役者さんは新井美羽が良かったよ。
どの年代にも共感できる
青春ゲシュタルト崩壊
社会人でも参考になる
高校2年生の間宮朝葉は頼まれると断れない性格のため、青年期失顔症、を発症したのだが、その事実を知られるのを恐れ、1人で悩んでいた。そんな彼女の異変に唯一気づいたのは、金髪で粗暴で教師から目をつけられていた同級生・朝比奈聖だった。そして、朝葉は聖により少しずつ自分自身を見つめ直すことが出来るようになった。一方の聖も彼女と一緒に過ごすうちに、ずっと抱えていた従兄弟と向き合う事が出来るようになり・・・さてどうなる、という話。
人から嫌われたくないと思い、何でも頼まれたら断れず、やってしまう、居るだろうなと思う様な主人公で、感情移入してしまった。それは断っても良いんじゃない、とか思った。
青年期失顔症、という病気が実際にあるのかと調べたら、本作オリジナルの病気なんだとわかり、面白い病名を考えついたものだと感心した。
題名のゲシュタルト崩壊、という言葉はあるみたいで、知れて勉強になった。
バスケ部のコーチ?部長?は昭和過ぎて笑った。もう少し個々の部員の気持ちを考えて発言しろよ、と思ってたら、保健室の先生にピシャリ、と言われたシーンはスッキリした。
元水泳やってた後輩が海に飛び込んだシーン、泳いでただけらしいが、服着たままでだと手脚が動かせなくなるんじゃないかと心配した。
渡邉美穂が前作では藤田ニコルに似てると思ってたが、本作では桜庭ななみ(宮内ひとみ)に似てる気がした。少しぽっちゃりで健康的な笑顔が可愛かった。
佐藤新、って初めて観た気がするが、まぁイケメンで気遣い出来てて良かった。
保健室の先生役の瀬戸朝香は優しくてカッコよかった。
朝葉の母役で戸田菜穂や兄役の濱田龍臣は優しさに溢れてた。良い家族だなぁ、って思った。
高校生の成長物語だけど、社会人の人間関係でも充分参考になる話だと思う。
良かったし面白かった。
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