ロングレッグスのレビュー・感想・評価
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監督の父は「サイコ」のアンソニー・パーキンス。家族の秘密が映画に影を落とす
オープニングクレジットで"Nicolas Cage as Longlegs"と早々に紹介してくれるのは親切。予備知識がなければ、大きな付け鼻とおばちゃんのような髪&メイクのせいでニコラス・ケイジと認識できない観客が続出しそうだ。
主演のマイカ・モンローは、「イット・フォローズ」や「神は銃弾」での印象的な演技に比べると、本作では役のキャラ立ちが弱いこともあって少々物足りない。「滅多に姿を現さない連続殺人犯vs.FBI捜査官」という話の都合上、ニコケイとモンローが対峙するシーンが少ないのも一因だろう。2人が演技合戦を繰り広げる尺がもっと長ければ化学反応もより大きくなり、彼女の表現力と魅力がもっと活きたはず。
監督・脚本のオズグッド・パーキンスは「ロングレッグス」が長編4作目。父親のアンソニー・パーキンスは「サイコ」で演じたノーマン・ベイツの強烈なイメージが以降のキャリアにつきまとい、ある意味でホラー映画にとらわれた俳優だった。アンソニーは同性愛者でもあったが、妻のベリーはオズグッドら2人の息子にその事実を隠していたそうで、母親のそうした態度が本作の脚本に反映されたと明かしている。パーキンス家の秘密が、映画に暗い影を投げかけたと言えるだろうか。
Descent to Madness
Cage is back in one of his most unique roles. His performance is dialed up to full crazy as he portrays a demonic murderer, more iconically than the clown from It. It’s not just the prosthetics that make him unrecognizable. Stylistically, the film follows the two-decade-long trend of imitating ’70s grindhouse, but its atmosphere is far creepier and more effective than many of its contemporaries.
大好物です。
予告編が気になって鑑賞しました
最近絶好調なニコラス・ケイジ氏
ホラーって言われると「・・・。」だが、サイコスリラーとしては中々スリリングである。何と言ってもニコラス・ケイジがロングレックスを演じているのである。これは観ない訳にはいかない。実際のところ登場シーンはわずか数分。それでも誰よりも印象に残るのは、明らかにおかしいその佇まいである。大作映画に多く出たかと思いきやメジャー業界から身を引き、B級路線まっしぐらに進んでいたが、ここ最近の活躍ぶりはやや嬉しいものがある。
FBIと連続殺人犯の戦いとなると、宣伝文句に使われている「羊たちの沈黙」や、「セブン」がちらつくが、それをイメージしてみるとどうだろうか。やや軍配は過去作の方に上がるのでは無いか。
主人公がエスパーという設定は非常に斬新であり、実は同じ能力をもつロングレックスとの頭脳戦、攻防戦が繰り広げられるのかと期待に胸が弾むのだが、意外に後半にくるっと方向転換し、一瞬置き去りになるのではとさえ思ってしまう展開になる。ここまで来て緻密な捜査と自身の能力を屈指して追い詰めてきたロングレックスをこういう形で失うとは。登場人物も観客も何ともいえぬ喪失感に襲われる。
ハリウッド製のホラーは描写が激しく、要らんシーンもあったりする、"B級テイスト"が売りかも知れないが、静かでもじわりじわりと追ったり追いかけたりの描写と、主人公含む周辺の人物描写も分かりやすい上に丁寧であり、世界観にどっぷり浸れるタイプのサイコスリラーである。その辺は確かに「羊たちの沈黙」等の名作と似ている部分があるかも知れない。引き込まれたからこそ、後半にやって来る怒涛の展開には驚きを隠せず、人によっては良い方に転ぶだろうし、最後にがっかりするタイプの人も居るだろう。それを含めてこの世界観に観客を没入させる手腕には拍手を送りたい。
ロングレッグスの過去が知りたい
ニコラス君の必要性を感じられませんでした(泣)
この映画、廊下の奥や部屋の中、建物の外観に至るまで画面の真ん中に視線がいくよう「中央一点構図」を多用して撮影している為、人によっては没入感が半端ない作品になると思われます。
ただ、ホラー演出やミステリ要素、更にニコラス君を目当てにしている人には物足りないと言わざるを得ない点を内包している作品でもありました。
案の定、「アレ(ネタバレになるのでアレと表記)で全て片付けちゃうのか」という声が劇場を後にする時、聞こえて来ちゃいました。
アイデアとしては悪くないと思うのですが、淡々と描いていく物語の締め括りとしてはいささか強引な展開だった気がします。
幾らヒントや伏線をあちこちに散りばめていても、完全にミステリ寄りとなっていない本作では納得できない人がいても不思議ではありません。
要はオチで背筋が凍り付くか、付かないかで評価は大きく割れてしまう気がします。
そしてニコラス君に関してですが、彼の奇怪な演技を期待すると少々肩透かしを喰らいます。
鑑賞すればお分かり頂けると思いますが、「誰がやっても良かったのでは」と思えるほど別人になってます。
また、現在進行形の物語に大きく絡んでいるようで実は絡んでおらず、「蚊帳の外」感が半端なくあります。
第一、買い物のシーンは何の為にあるのでしょうか。
気味の悪さを出す為だけで物語を左右する要素にすらなっていませんでした。
もっと活かせる方法があっただけに残念でなりませんでした。
個人的には嫌いじゃない作品ではありますが、時代が遅過ぎた気がします。
それこそ70年代に公開していたら間違いなく化けた作品だと思います。
2024年ベストホラー第1位、でもホラーと言うよりはサスペンス・スリラー!?
事前情報では過去10年における独立系ホラーの全米最高興収、2024年ベストホラー第1位etcの言葉が躍っていたので、ニコラス・ケイジ演じるシリアルキラーがバッタバッタと惨殺を繰り返すと期待したのだが・・・・・・・!!
実際には「羊たちの沈黙」のようなサスペンス・スリラーの要素が強い連続殺人鬼映画であった!!
殺人現場にはシリアルキラー "ロングレッグス”が残す暗号文があるなど、ストーリー重視のサスペンスを好む向きにはお勧めだが、低俗でも自分の様にベタなホラーを愛好するものにはちょっと!?
ニコラス・ケイジが結構エキセントリックな役処だっただけにもうひと捻り、ホラー部分に工夫があればもっと評価されるべき作品になったと思うのですが・・・・・・・!?
新奇性を求めつつも……
謎解きは主軸ではない作品
んー?
ホラー、ミステリー…スリラーとは言い難いかな?少なくとも謎の解明とは程遠い内容なのでミステリーとはいえませんよね。
観終わって、ああ、オカルトメインなのね?とひとりで納得はしたけど
オカルト系捜査サスペンスホラー ってところかな
謎や示唆を散りばめている割には、観終わってもそんなに嵌ってなくない?って印象でスッキリはしませんね
雰囲気が楽しめればオッケーな人はこれでもいいとは思うのですけど、謎解きを期待して観ているとガッカリ肩透かしくらいます。
主人公がなんとなく謎の直感で謎の解決したりする。
キリスト教とか悪魔崇拝については詳しく無いので、そんなものかという印象です
知識のある人や熱心な人なら深掘りとか楽しいのかもしれないですけど
牽きはそれなりにあるとはおもうが、仕舞い方がイマイチ
私はこの作品に対して、『ヘレディタリー』や『ミッドサマー』ほど強い興味はわきませんでした
おもしろっちゃ面白いのですけど、物足りなさがわりと強いです
本編の尺は適切
序盤ですぐに終盤の犠牲者が示唆されるのはいい塩梅かな?
終盤の車がカバーされて駐車されていた意味がよくわかんなかったです
何か見落としていたのかも
Glas
ニックが殺人鬼という情報頼りで鑑賞。
ニックが真っ白で狂気的な声を出すという点は面白かったんですが、全体的にのっぺりとしたホラーでした。
宗教的な考えが日本人には馴染んでいないのもあって、悪魔崇拝だったりがどうもエンタメ要素の一つとしか見れず、きっと深刻な問題なんだろうなとは思いつつもそこ止まりになってしまいました。
キャラクターの情緒が最初から不安定なのはかなり気になってしまい、主人公のオロオロとした感じが一体なんなのかが明かされるまでが少し長かったなと思いました。
やはりジャンプスケアは好きではなく、部分的とはいえホラーの核の一つがそれ頼りというのはマイナスでした。
ジャンプスケアに釣られてストーリーもなんだか勢い任せになってしまっていた感じがあり、後半の失速感は強烈でした。
誰かを殺すという描写は力が入っており、突然撃たれるスリルはヒシヒシと伝わってきました。
人形の不気味さも素晴らしく、動いていないのにゾワゾワする感じはこの手の作品ならではだなと思いました。
カメラワークや演出のオシャレさはくどくなる一歩手前で止まってくれたのも良かったです。
あれ以上踏み込まれるとお腹いっぱいになっていたと思います。
好みではなかったかな…と思いつつも、もう一度見返してみたいという気持ちにはさせられました。
コミコンでロングレッグスのメイクでニックの前に登場してみたいです(願望)。
鑑賞日 4/9
鑑賞時間 16:05〜17:56
座席 A-9
反省……
理解できなさから押し寄せる緊迫感
始まりの部分が写真サイズの映像で、そこから深紅のロングレッグスと書かれたオープニング映像が徐々にシネマスクリーンサイズに広がって行きます。
その後も写真サイズの映像が挟み込まれて「ははぁ、このサイズのシーンは過去の出来事(又は蘇る記憶)なのね」と理解できてくるのだが、話の筋は全く理解できない。
その分からなさが先を読めない不安となって迫ってきて、結局何も飲み込めないまま終わってしまった。でも嫌いじゃない。
ニコケイ主演の作品って一時期神様絡みの物が多かった気がするけど、何なんでしょうね……
宗教観が無く、悪魔崇拝もなんじゃそりゃのワタシにはちょっとハードルが高かったですね。
でもニコケイが出ておるから(姿形が違っていてもいいの!)観ない後悔より観てハテナ?の方が良かったです。
売り文句を真に受けすぎている昨今の客層、、、
10年に一度や、羊たちの沈黙以来、みたいな売り文句に振り回されすぎていて、
映画自体とまともに向き合えていない、
ちょっと幼稚な人が増えたのかなぁ。
まぁ見終わったら、平山夢明氏のyoutubeでの解説でもみて、色々納得してください。
で!ざっと、A24的ポストモダンホラーとでもいいますか。
映像や演出の凝り方、音楽の使い方(惜しみないtrex!!!)、あの時代のこじんまりとしたアメリカ田舎の家屋の侘しくて閉塞的な感じとか、予想つかない展開の脚本など総合的にレベルは高く、なによりニコケイ!!あれだけでも高評価に値する。
羊たちの沈黙やセブンなど往年のサイコスリラーにアリ・アスター的なオカルトのハイブリッドぶりが絶妙で、純粋に「うまいな、この新人監督」と随所随所唸る。
見覚えのある凡百のホラーやスリラーではなく、
あらゆる映画をハイブリッドすることで
見覚えあるようで実はなかった類の
新しい何かになっていたというA24以降の流れですね、次回はキング原作を準備しているとのこともありこの監督今後に期待です。
PVが良くなかったのかも
ホラーなんかい、ミステリーなんかい、どっちなんだい。
やばい、終わってしまう…ということで、
この映画を見に行きたいという娘と有給をとり鑑賞。
平日やし、「二人かもな」と思ってたら、10人以上いたわ。
みんな有給か。
映画としては、
まぁ、
昔は気の弱そうな好青年イメージだったのに、
最近変人の役ばっかり選んでやってる印象のある「ニコラスケイジ」の
さらに変態したさまを見に行くのがこの映画を見に行く第一の目的…だったので、
その思いは存分に満たされた。(鼻が痛なって、ツーンとしたわ)
でも、ミステリーをやるんかい、ホラーをやるんかい、
ちょっとどっちつかず。
ホラーやったら、ゾディアックモチーフは邪魔やし、
「サタンのしわざ」にするのならもっと奇々怪々にしないとね。
それでも映画的にもカメラアングルがとても面白く、
漂うトーンもなかなかシズってた。
そこは評価したい。
追記>
ここまで日本とアメリカでこの映画に対する評価の差があるのは、
やっぱり宗教感なのかもね。
アメリカ人は「サタンのしわざ」というだけで、
「Oh!ヤッパリさたんオトロシイ」ですべてを納得。
「ヤッパリ、自分タチノマワリニさたんハ潜ンデルンヤ」と想像し
恐怖を増幅し、「ナンテ素晴ラシイ映画ナノ」としてしまう。
→日本人は「こんな事態が起きたことの説明不足」から
映画に対する物足りなさが生まれたのかもね。
そういえば昔々の映画「エクソシスト」。
日本では「アメリカの劇場で失神者続出の恐怖体験」的な煽り文句で宣伝していたが、
日本人は「首が反転シーンってそこまでこわいか?」的な反応。
何かの評論で、多くのアメリカ人が「エクソシスト」にショックを受けたのは
「神を侮蔑する言葉を平気で少女が吐くことに対する嫌悪感と拒否感」があったから…
というのを読み、納得した覚えがある。
以上、個人的な勝手な想像でした。
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