ロングレッグスのレビュー・感想・評価
全141件中、1~20件目を表示
監督の父は「サイコ」のアンソニー・パーキンス。家族の秘密が映画に影を落とす
オープニングクレジットで"Nicolas Cage as Longlegs"と早々に紹介してくれるのは親切。予備知識がなければ、大きな付け鼻とおばちゃんのような髪&メイクのせいでニコラス・ケイジと認識できない観客が続出しそうだ。
主演のマイカ・モンローは、「イット・フォローズ」や「神は銃弾」での印象的な演技に比べると、本作では役のキャラ立ちが弱いこともあって少々物足りない。「滅多に姿を現さない連続殺人犯vs.FBI捜査官」という話の都合上、ニコケイとモンローが対峙するシーンが少ないのも一因だろう。2人が演技合戦を繰り広げる尺がもっと長ければ化学反応もより大きくなり、彼女の表現力と魅力がもっと活きたはず。
監督・脚本のオズグッド・パーキンスは「ロングレッグス」が長編4作目。父親のアンソニー・パーキンスは「サイコ」で演じたノーマン・ベイツの強烈なイメージが以降のキャリアにつきまとい、ある意味でホラー映画にとらわれた俳優だった。アンソニーは同性愛者でもあったが、妻のベリーはオズグッドら2人の息子にその事実を隠していたそうで、母親のそうした態度が本作の脚本に反映されたと明かしている。パーキンス家の秘密が、映画に暗い影を投げかけたと言えるだろうか。
Descent to Madness
Cage is back in one of his most unique roles. His performance is dialed up to full crazy as he portrays a demonic murderer, more iconically than the clown from It. It’s not just the prosthetics that make him unrecognizable. Stylistically, the film follows the two-decade-long trend of imitating ’70s grindhouse, but its atmosphere is far creepier and more effective than many of its contemporaries.
FBI?
真サイコ
監督オズグッドパーキンスは1974年、サイコのアンソニーパーキンスと女優ベリーベレンソンの間に生まれた。子役としてキャリアスタートし、若き日のノーマンベイツを演じたこともあったそうだ。母親は社交界の名士の娘で、女優やモデルの活動をしたあと写真家に転向したが、2001年9月11日世界貿易センタービル北棟に突っ込んだアメリカンエアライン11便に乗っていた。
オズグッドパーキンスはピープル誌のインタビューの中で、この映画について、父アンソニーパーキンスの性的指向に対する母親の接し方から着想を得た、と語っている。
母ベレンソンは、アンソニーパーキンスが同性愛者であることを知っていたが、それを世間や子供らに知られないように振る舞っていたので、やがて物心ついたオズグッドにとってそれは触れるべきではない秘密になった。
ベレンソンはアンソニーパーキンスが1992年にエイズ関連の合併症で亡くなるまで夫婦関係を続けた。息子であるオズグッドには秘匿すべきことを完遂した母親のイメージが残った。
またジョンベネの事件からインスピレーションを得た、とも語っている。
『両親がクリスマスにジョンベネに贈ったプレゼントの一つは、彼女の舞台用ドレスを着た等身大のレプリカ人形だった。それは殺害現場から僅か15フィートの地下室の段ボール箱の中にあり、その事実に狂気を感じた。』
オズグッドの言ったとおり映画には秘密をもった母親と悪魔憑きの人形がでてくるがそれらは狂言回しである。主たる恐怖を受け持ったのはシリアルキラーロングレッグスで、顔を特殊メイクの肉塊で盛った蒼白のニコラスケイジが演じた。その風貌も言動も仕草も不気味で怖かった。
マイカモンロー演じるFBI捜査官リーハーカーは言ってみれば羊たちの沈黙のクラリスだが、ハンニバルとは違い、ロングレッグスは彼女の内なる存在でもあったような気がする。モンローはすっかりホラープロパーの貫禄だった。
空気感(雰囲気)にセンスがあった。オズグッドパーキンスは2015年にThe Blackcoat's Daughterという映画を撮っている。邦題はフェブラリィ悪霊館。たいして面白くなかったが雰囲気は良かった。エマロバーツとキーナンシプカとルーシーボイントン、旬なヒロインを三人も配していたが、そのこと以上にホラー的空気感が良かったことを覚えていた。
二世にはそうでない人もいるがブランドンクローネンバーグを見ると蛙の子は蛙だと思うし空気感はセンスだと感じる。
本作を見て、また母親から着想したという監督の述懐を見て、最後まで嘘をつき通した母親ベリーベレンソンのイメージが空気として再現されているのを感じた。オズグッドは伊達にアンソニーパーキンスの息子をやっていたわけではなかった。
翻って、往々にして映画には作り手の人生が反映されてしまうものだ。たいした履歴のないクリエイターにとってそれは不利なことだと思う。
映画は興行的にも批評的にも成功した。本国ではブレアウィッチプロジェクトのようなゲリラマーケティング戦術が採用され、暗号化された言動やプロモーションビデオなどで憶測を煽った。
具体的には映画中の録音メッセージを聞くことができる電話番号を記載した看板、マイカモンローが初めてニコラスケイジが扮装したロングレッグズのキャラクターを見た時の心拍数を測ったビデオクリップ、映画の背景に繰り返し現れる隠しキャラ的悪魔の登場を強調したCMなどで、それらは悉く成功したと言える。映画は2024年度のアメリカで最も興行収入の高い独立系映画になったそうだ。
imdb6.6、RottenTomatoes86%と61%。
ニコケイの無駄遣い
大勢の方が"羊たちの沈黙"や"セブン"をイメージして鑑賞したようですが、私も少しそれをイメージしていました
だって、若くて美人なFBI捜査官VS変態連続猟奇殺人者となれば誰でも期待しますって!
オープニング〜前半はイイです
いかにも猟奇殺人感な臭いがプンプン漂って来ます
少し勘のイイと言うか直感力の優れた若くて美人だがコミ症のリー捜査官が参加します
30年前から10件続く一家殺害事件、犯行は父親だが、現場には10件ともロングレックス名義の手紙が置かれているが証拠も無く、接触した気配すら無い
結構ちゃんとしたミステリィで期待値も上がって来ました
TVドラマの"クリミナル・マインド"っぽさも感じました
演出で気になったのは、音響でビビらるという低レベル感がひど過ぎて、ホラーの苦手な私でも逆に恐怖心が無くなります
後半はサタンや聖書だとか魔術臭や宗教臭が濃くなって来て旗色が悪くなったかな
リー捜査官とロングレッグスの対決を期待したが、意外とあっさり終わるのもなー
もう少し冷静なニコラス・ケイジが見たかった
良質なミステリィ・ホラー作品が何故か並で終わったって感じかな
ニコラス・ケイジは良かった。雰囲気も最高でした。
ラストで賛否
1990年代のオレゴン州を舞台に、新人FBI捜査官リー・ハーカーが、父親が家族を殺し自殺するという不可解な連続事件を追う。現場には必ず「Longlegs」という署名の暗号文が残され、やがて事件は彼女自身の過去とも深く結びついていく。不気味な田舎風景や静けさを活かした映像は強烈な不安感を醸し出し、ニコラス・ケイジの怪演がさらに狂気を際立たせている。
一方で、この作品は前半のサスペンス的な緊張感から、後半になると一気にオカルト寄りの解釈へと振れていく。その“毛色の変化”をどう受け止めるかで評価は分かれるだろう。最後のオチを受け入れられない人には厳しいが、むしろそこに魅力を感じる人もいるはずだ。
個人的には『ヘレディタリー/継承』を思わせる部分があり、宗教的な観念を前提とした恐怖が根底にあるため、宗教観の薄い日本では理解しづらいと感じる人も多いかもしれない。それでも、静かな画面からじわじわと広がる不穏さ、説明しすぎない余白、そして観る者の想像を試すラストは確かに印象に残る。ホラーとしての“怖さ”よりも、“不気味さと宗教的狂気の余韻”を味わう作品だと思う。
ニコラスケイジどこ?
大好物です。
予告編が気になって鑑賞しました
最近絶好調なニコラス・ケイジ氏
本作をホラー映画の括りで考えると微妙だが、サイコスリラーとしてはスリリングである。スリリングと言うか物凄く不穏で薄気味悪い。気味の悪さで言うとここ最近のこの手の作品の中では抜きん出ている。
まず何と言ってもニコラス・ケイジがロングレックスを演じているのである。これは嫌でも観ない訳にはいかない。実際のところ登場シーンはわずか10分程度だ。それでもここに出てくる誰よりも印象に残るのは、明らかに異常なその風貌と放つオーラである。「ナショナル・トレジャー」等の大作映画に多く出たかと思いきやメジャー業界から身を引き、B級路線まっしぐらに進んでいたが、ここ最近の活躍ぶりはやや嬉しいものがある。
FBIと連続殺人犯の戦いとなると、宣伝文句に使われている「羊たちの沈黙」や、「セブン」等の名作の数々が浮かぶが、それをイメージして鑑賞すると本作にはまた違う印象を受けるかも知れない。ストーリーは複雑ながら観やすかったのは「羊たちの沈黙」だと思うが、本作は単なるシリアルキラーで終わる話では無いため、そもそも比べるのも違うかも知れない。
特筆すべき点は、主人公が軽いエスパーという設定であると言うことだ。これは非常に斬新であり、どこかシンパシーを感じるロングレックスとの頭脳戦、攻防戦が繰り広げられるのだが、流石ニコラスの兄さんは一枚上手であり、追い詰めたら翻弄され、また追い詰め…の繰り返しとなる。だがそんなのをボケっと観ていると、後半にくるっと方向転換し、一瞬置き去りになるのではとさえ思ってしまう展開になる。ラスト10分位の展開には口あんぐり状態であり、衝撃的であった。ここまで来て緻密な捜査と自身の能力を屈指して追い詰めてきたロングレックスをこういう形で失うとは。登場人物も観客も何ともいえぬ喪失感に襲われる。
ハリウッド製のホラーは描写が激しく、要らんシーンもあったりする、"B級テイスト"が売りかも知れないが、この新進気鋭の映画スタジオ、「NEON」は注目出来るスタジオだろう。どこかA24と近しいものも感じるが、静かでもじわりじわりと追ったり追いかけたりの描写と、主人公含む周辺の人物描写も分かりやすい上に丁寧であり、世界観にどっぷり浸れるタイプのサイコスリラーである。これら展開に引き込まれたからこそ、後半にやって来る怒涛の展開には驚きを隠せず、人によっては良い方に転ぶだろうし、最後にがっかりするタイプの人も居るだろう。それを含めてこの世界観に観客を没入させる手腕には拍手を送りたい。
ロングレッグスの過去が知りたい
ニコラス君の必要性を感じられませんでした(泣)
この映画、廊下の奥や部屋の中、建物の外観に至るまで画面の真ん中に視線がいくよう「中央一点構図」を多用して撮影している為、人によっては没入感が半端ない作品になると思われます。
ただ、ホラー演出やミステリ要素、更にニコラス君を目当てにしている人には物足りないと言わざるを得ない点を内包している作品でもありました。
案の定、「アレ(ネタバレになるのでアレと表記)で全て片付けちゃうのか」という声が劇場を後にする時、聞こえて来ちゃいました。
アイデアとしては悪くないと思うのですが、淡々と描いていく物語の締め括りとしてはいささか強引な展開だった気がします。
幾らヒントや伏線をあちこちに散りばめていても、完全にミステリ寄りとなっていない本作では納得できない人がいても不思議ではありません。
要はオチで背筋が凍り付くか、付かないかで評価は大きく割れてしまう気がします。
そしてニコラス君に関してですが、彼の奇怪な演技を期待すると少々肩透かしを喰らいます。
鑑賞すればお分かり頂けると思いますが、「誰がやっても良かったのでは」と思えるほど別人になってます。
また、現在進行形の物語に大きく絡んでいるようで実は絡んでおらず、「蚊帳の外」感が半端なくあります。
第一、買い物のシーンは何の為にあるのでしょうか。
気味の悪さを出す為だけで物語を左右する要素にすらなっていませんでした。
もっと活かせる方法があっただけに残念でなりませんでした。
個人的には嫌いじゃない作品ではありますが、時代が遅過ぎた気がします。
それこそ70年代に公開していたら間違いなく化けた作品だと思います。
2024年ベストホラー第1位、でもホラーと言うよりはサスペンス・スリラー!?
事前情報では過去10年における独立系ホラーの全米最高興収、2024年ベストホラー第1位etcの言葉が躍っていたので、ニコラス・ケイジ演じるシリアルキラーがバッタバッタと惨殺を繰り返すと期待したのだが・・・・・・・!!
実際には「羊たちの沈黙」のようなサスペンス・スリラーの要素が強い連続殺人鬼映画であった!!
殺人現場にはシリアルキラー "ロングレッグス”が残す暗号文があるなど、ストーリー重視のサスペンスを好む向きにはお勧めだが、低俗でも自分の様にベタなホラーを愛好するものにはちょっと!?
ニコラス・ケイジが結構エキセントリックな役処だっただけにもうひと捻り、ホラー部分に工夫があればもっと評価されるべき作品になったと思うのですが・・・・・・・!?
新奇性を求めつつも……
謎解きは主軸ではない作品
んー?
ホラー、ミステリー…スリラーとは言い難いかな?少なくとも謎の解明とは程遠い内容なのでミステリーとはいえませんよね。
観終わって、ああ、オカルトメインなのね?とひとりで納得はしたけど
オカルト系捜査サスペンスホラー ってところかな
謎や示唆を散りばめている割には、観終わってもそんなに嵌ってなくない?って印象でスッキリはしませんね
雰囲気が楽しめればオッケーな人はこれでもいいとは思うのですけど、謎解きを期待して観ているとガッカリ肩透かしくらいます。
主人公がなんとなく謎の直感で謎の解決したりする。
キリスト教とか悪魔崇拝については詳しく無いので、そんなものかという印象です
知識のある人や熱心な人なら深掘りとか楽しいのかもしれないですけど
牽きはそれなりにあるとはおもうが、仕舞い方がイマイチ
私はこの作品に対して、『ヘレディタリー』や『ミッドサマー』ほど強い興味はわきませんでした
おもしろっちゃ面白いのですけど、物足りなさがわりと強いです
本編の尺は適切
序盤ですぐに終盤の犠牲者が示唆されるのはいい塩梅かな?
終盤の車がカバーされて駐車されていた意味がよくわかんなかったです
何か見落としていたのかも
全141件中、1~20件目を表示












