ロングレッグスのレビュー・感想・評価
全159件中、61~80件目を表示
日本では賛否両論の問題作。その理由は…?
【イントロダクション】
1990年代を舞台に、オレゴン州で起きた複数の殺人事件に関わる犯人を女性FBI捜査官が追う。事件を追うFBI捜査官リー・ハーカーをマイカ・モンローが、事件の犯人“ロングレッグス”をニコラス・ケイジが演じる。監督・脚本はオズ・パーキンス(オズグッド・パーキンス)。
アメリカでは《過去10年全米最高興収ホラー映画》と評され、《(独立系作品として)過去10年全米最高興収ホラー映画》としてスマッシュヒットを記録。
【ストーリー】
1974年、とある白い家に住む幼い少女は、庭に停車された謎の車を確認しに外に出る。ポラロイドカメラを持った少女の前に、白塗り化粧をした不気味な男が現れる。
時は経ち、1990年代(恐らく1994年)。FBI捜査官リー・ハーカーは、とある凶悪犯の確保に乗り出す。リーは持ち前の霊感によって、事前に知らされていた情報とは異なる場所に潜伏していた犯人の居場所を突き止め確保する。
リーのスピリチュアルな能力に疑問を抱きつつ、上司であるカーターは、彼女をオレゴン州で起きた未解決連続殺人事件“ロングレッグス”の捜査官に任命する。
事件に共通するのは、父親が家族を惨殺した後に自殺を図ること。現場には謎の記号を用いた文章が残され、最後に必ず“LONGLEGS(ロングレッグス)”と記されていることだった。
捜査を進める中で、リーは惨殺された家族には、必ず14日が誕生日の9歳の娘が居たことを突き止める。
やがて、一連の事件の裏に隠された犯人の狙いに辿り着いた時、リーの過去に纏わる衝撃の真実が明かされる。
【賛否両論の問題作⁉︎】
オズ・パーキンス監督の、過去の名作群や巨匠に対する敬意と愛情が感じられる点には好感が持てる。また、ジャンルミックス具合の上手さも相まって、かなり楽しめた。賛否で言うならば、明確に“賛”側である。
しかし、日本ではXをはじめ、ここFilmarksでも賛否両論の様子な本作。何故、本作が賛否両論になるのか?理由は、大きく分けて2つあると思う。
1つ目の理由は、“本作にどのような要素を求めるか?”だ。
私は、事前にXで試写会組の反応を目にしていたのだが、概ね一致していたのは、{本作は「ホラー」というより「サスペンス」。また、「オカルト」の要素も含んでいる為、純粋な「サスペンス」を期待しても肩透かしを食らう}というものだった。なので、私は事前に本作がどちらかと言えば「サスペンス」調の作品である点や、「オカルト」の要素も含む作品である点を留意して鑑賞に臨んだ。
実際に鑑賞してみると、なるほど、確かに本作は様々な要素を兼ね備えた作品であり、観る人によってジャンル定義が異なるだろうなと言える。
私としては、本作を強いてジャンル分けするならば、「ホラー・サスペンス」と定義したい。
というのも、本作を過去の名作タイトルを挙げ連ねて表現するならば、『セブン』(1995)と『羊たちの沈黙』(1990)に、『シャイニング』(1980)と『ヘレディタリー/継承』(2018)を足した印象だからだ。そこに、キューブリックの『時計じかけのオレンジ』(1971)を彷彿とさせる赤い画面や、彼が好んだ左右対称の画面構成(厳密に言えば、本作は人物を画面中央に配置して捉える事による、左右対称“風”の絵作り)によって構成されている。
早い話、複数のジャンルに跨った作品であるのだ。
本作に「ホラー」を求めた人は、恐らく本国での評判にある《この10年でいちばん怖い映画》という部分から、ホラー映画としての期待を膨らませた人だろう。また、独立系作品として《過去10年全米最高興収ホラー映画》という謳い文句が、本作のジャンルをホラーとして大雑把に定義してしまった弊害もあると思う。
なので、そうした要素を期待して鑑賞すると、意外にもホラー的側面は弱く(ジャンプスケアはあり)、サスペンスと定義したくなるのだと思う。
2つ目の理由は、“霊感や悪魔崇拝という「オカルト」要素が、一連の殺人事件と密接に関わっているという種明かしを受け入れられるかどうか?”だ。
私自身は、本作を「ホラー・サスペンス」と定義したが、その「サスペンス」の部分に「オカルト」の要素が密接に関わってくるという点を、どの程度まで許容出来るかで、本作の受け止め方が変わってくるように思う。
本作の犯人“ロングレッグス”ことダル・コブルは、悪魔崇拝者の人形技師という設定。「階下の男」ことサタンを盲信するあまり、人形に自らの一部を宿した“黒魔術”を用い、悪魔憑きの人形を作成する。それを共犯者であるルスがシスターのフリをしてターゲットの自宅へ届け、人形に宿った悪魔が家の主人を操って凶行に走らせるというものだった。
殺人事件の動機やトリックに、論理的・現実的な仕掛けではない超常的な力が関与しているという点が、観る人によっては納得がいかず、拒否反応を示させるのだと思う。
また、真相が“悪魔崇拝”という日本人に馴染みの薄いものなのも、作品との距離感を生む要因だろう。日本では無宗教が大多数を占める為、神や悪魔という存在に対して関心が薄い(神頼みは頻繁にするが)し、悪魔崇拝なんてしようものなら“中二病”と嘲笑われるくらいだ。だから、それに対して恐怖感を抱くというのは難しい。
しかし、何故本作が本国アメリカで「ホラー映画」として評価されたのかは、納得する部分がある。それは、先に挙げた『ヘレディタリー』に対する評価にも関係している。『ヘレディタリー』もまた、悪魔崇拝を取り扱った作品であり、それに対する評価は《直近50年のホラー映画の中の最高傑作》《21世紀最高のホラー映画》という大絶賛ぶりだった。近年は若者を中心に信仰心が薄れているそうだが、それでもキリスト教が人々に深く根付いているアメリカにおいては、悪魔崇拝やそれに関連した殺人事件は、リアルな恐怖に他ならないのだろう。
そういった意味では、本作は間違いなく「ホラー」なのだ。
【感想】
演じたニコラス・ケイジ自身が、「このような役を演じる事は2度とないだろう」と語るほど、ロングレッグスのキャラクターは強烈。
長い白髪に白化粧という不気味な風貌、悪魔崇拝者の人形技師で、精巧な人形に悪魔を取り憑かせるという設定は非常に魅力的だった。「クー、クー」や「ようやく会えたね。天使ちゃん」という台詞含めて、ニコラス・ケイジ史上最も“気持ち悪い(キモキモ気持ち悪い!)”キャラクターだった。あんな邪悪な「ハッピーバースデー トゥー ユー」があるだろうか?
とはいえ、演技自体は割とニコラス・ケイジまんまだし、どう見ても演じるのを楽しんでいたように見える(製作も務めている)ので、これからもこういったピーキーな役は積極的にやっていただきたい。
余談だが、そのビジュアルが何処となく『ルパンVS複製人間』(1978)のマモーを彷彿としたのは私だけだろうか?(笑)
リー役のマイカ・モンローは、私としてはNetflixの『TAU/タウ』(2018)で主演を務めていた点から、スリラーやサスペンス系作品と親和性の高い女優なのかと思った。
本作ではポニーテールに白のブラウス姿が印象的で、自身を取り巻く事件に翻弄されつつ真相に迫っていく姿が美しいと同時にキュートだった。ホラーにおける“最悪の事態に巻き込まれる美女”を体現しておりグッド。
また、彼女はロングレッグスとの取り調べ室のシーンで、ニコラス・ケイジのメイク姿を知らされていなかったそうで、あのシーンにおける彼女の怯えっぷりはガチなのだそう。
リーの霊感の方について、どう説明を付けるべきか。長らく自身を模した人形に悪魔が宿っていたのならば、それにより悪魔と霊的なパスが繋がって、透視や超直感を獲得もしくは目覚めたと捉える事が出来そうではあるが。
暗号解読のシーンは、自身の超直感による解読なのは分かるが、どういうロジックで組まれた暗号なのか程度は、我々観客にも示してほしかった。
クライマックスで事件を終わらせる為に母親を射殺するというのは、悪魔からしてみれば最大の堕落行為に他ならないのだろう。だとすると、本作のラストはバッドエンドとも言える。
ルスが人形を破壊したにも拘らず、ルビーを連れて逃げる際に悪魔の囁き声が聞こえた点を考えると、彼女はまだ悪魔の掌の上なのかもしれない。
ロングレッグスの共犯者として描かれたルスについては、子供を守りたいが故に悪魔に魂を売るという背景には納得が行くし、犯行を重ねる中で次第に箍が外れ、返り血を浴びて狂気に飲まれていく姿も良かった。父親不在のシングルマザーがシスターに扮して犯行に加担するという点は、父の影が全くないという点で処女懐妊を成した(一説には、翻訳の際の誤訳だとも言われている)という聖母マリアが悪魔の手によって堕落させられたかのようにも見える。しかし、そう見せる意味でも、またラストで母を射殺する悲痛さを出す意味でも、ルスとリーの親子関係にはもっとドラマ性が必要であったはずだ。
本作を語る上で外せないのが、画面構成の素晴らしさだ。
スタンリー・キューブリックを彷彿とさせるオープニングの赤い画面や左右対称風のショットは勿論、基本的に全編薄暗い画面、リーの一人暮らしの自宅でのオレンジ掛かった色調やオープニングでのサブリミナル演出まで、とにかく画作りに対する拘りが随所に感じられる。また、正方形の画面で描かれる過去回想もオシャレ。
リーが事件を捜査するため赤いカーペットの上で資料を広げる姿、ロングレッグスとの対面で怯える姿。ルスが幼いリーを模した人形をショットガンで破壊した際に人形の頭部から立ち込める黒いもや。グラフィックデザイナーの大島依提亜氏によるオルタナティヴ・ポスターのデザインにも採用されている血塗れのマリア像かのようなルスの姿。作中のあらゆるショットもバチバチにキマっている。
wikiによると、本作の製作費は約1,000万ドルと低予算らしいが、こうした画面構成や印象的なショットを用いるといった演出面の創意工夫は、安っぽさを一切感じさせない重厚感と不気味な威圧感があり見事。
全編に漂う不穏な空気と、それを盛り上げる音楽も高評価。「雰囲気だけ」と言ってしまえばそれまでなのだが、その雰囲気が個人的に抜群に好みだった。
事件の真相に関しては、事前にオカルトの要素があると知っていたので、特別拒否感を抱く事は無かった。また、私自身が悪魔崇拝はともかくオカルトという分野に興味関心が深い(あまり信じてはいない)事も、本作を好意的に受け止められた要因だろう。人形を用いるという不気味さは非常に好みだし、読んで字の如く「人の形をしているもの」には色々な“念”が宿ると言うので、それが悪魔であっても「まぁ、宿るかもね」と不思議と納得は行った。また、“追ってきた犯人が、実は実家の地下室でずっと共同生活を送っていた”という種明かしは実に恐ろしい。ただ、それ自体を割と軽く処理されてしまったのは残念だった。あの空間だけでも、リーの霊感を通して色々な過去が見えそうなものだろうに。
エンディングでT.Rexの『Bang A Gong(Get It On)』に乗せて、真っ赤な文字のスタッフロールが上から下へと流れて行く演出も粋。ラストのロングレッグスの「サタン万歳」という台詞を思うと、「全員地獄に堕としてやる」という邪悪さが感じられる。まさか、T.Rexのこの曲にこんな邪悪さを感じる日が来るとは。
【総評】
過去の名作の要素や巨匠の手法を貪欲に取り入れつつ、何処か懐かしさも感じさせる。不足している部分はありつつも、1級のサスペンスに仕上がっていた。キャスト陣の熱演や演出の工夫にも拍手を送りたい。
9月に公開が決定した、同監督によるスティーヴン・キング原作の『ザ・モンキー』を心待ちにしたい。
余談だが、本作の趣向を凝らした捜査資料風パンフレット(1,300円)が売り切れにより手に入らなかったのが残念でならない…。
あしながおじさん
FBI捜査官のリー・ハーカーは半透視能力を持つ。彼女は連続殺人事件を担当することになった。その事件には共通点があり、それは父が家族全員を殺害した後、自死するというものだった。どの現場にも外部からの痕跡はなく、ロングレッグスと書かれた人物からの手紙が残されているだけだった。
ストーリーは終始薄暗い雰囲気で進み、「不気味」という言葉がぴったりの作品である。常に正体不明のロングレッグスから付きまとわれている感じがする。
登場人物は少なく、時系列が行き来したり、視点が変化したりすることがないため、内容を把握しやすい。
ロングレッグスというタイトルに惹かれて鑑賞する方が多いと思うが、このタイトルについての説明は全く存在しない。
暗号の解読や事件の共通点を探っていくところから、最後にはすべてを瓦解する種明かしを期待してしまうが、それは存在しない。謎解きのためのいくつかのパーツのみが与えられて、それを各自で組み立てて納得するしかない。これが本作の不気味さを助長しているのかもしれないが、評価が低くなってしまう要因にもなっている。
作中の雰囲気や設定が秀でていただけに、まとめきれなかった点が残念である。
この10年で。。。
一番宣伝上手な映画の一つだったw
まず「羊たちの沈黙」や「セブン」的なものを期待して観に行ってはいけない。
サイコサスペンスではない。
敢えて言うなら「ホラー」のジャンルなのだろう。
暗号解読一つとっても十分な説明描写があったとは言えず、
黙示録だのなんだのとそれらしいことを述べているが、
ロングレッグスがなぜこんな暗号を残したのか、
主人公がなぜあの暗号を解読できたのかなどは実は謎のままだ。
「だって解読出来ちゃったんだもん」的な「ノリ」が近い。
捜査手法もFBIという設定なのにまったくもって科学的でもなんでもなく、
終いには主人公を守っていたはずの母ちゃんが本当の敵という
シンジ君の最後の敵はゲンドウみたいな怒涛の展開にもかかわらず、
そこに至るキーである謎の銀魂の説明はほとんどないという。。。
もしかしてデイヴィッド・リンチ的な理不尽な夢の世界の出来事を描こうと
したのかも。。。と思いながら途中で思考を切り替えて観るようにしたのですが、
そうだとしても悉く中途半端でサイコサスペンスでもホラーもリンチ的悪夢でもない
「なんじゃこりゃぁ!」的ちゃぶ台返しを楽しむ映画というのが結論でした(笑)
逆に酷すぎてカルト的人気が後年出るのかもしれないけど。
キリスト教的背景のある外国人にとっては怖い映画なのかなぁ。。。。
この10年という範囲でも「ミッドサマー」とかの方がよほど不快で
怖い映画だったように思ったのですが。
ちょいアレなやつ
ニコラス・ケイジは何処?
”ニコラス・ケイジが連続殺人鬼を演じるサスペンスホラー”ということで、彼のネームバリューに惹かれて観に行って来ました。
チラシには「『羊たちの沈黙』以来、最高の連続殺人鬼映画」、「この10年でいちばん怖い映画」という、まあチラシならではの文言が踊っていた訳ですが、結果としてかなり眉唾だったというのが偽らざる感想でした。確かに人の心を操って連続殺人を行う犯人・ロングレッグス(ニコラス・ケイジ)と、FBIの若手女性捜査官・リー・ハーカー(マイカ・モンロー)が触れ合う話という点では「羊たちの沈黙」と構造は似ていました。しかしながら、紳士的な態度ながら文字通り人を喰らい、さらには観客の心すら操るんじゃないかと思わせるレクター博士の人心掌握術の恐ろしさと、見た目や喋り方が珍妙ではあるけれども、あまりインテリジェンスが感じられなかった本作の”ロングレッグス”を比較すると、横綱と十両、よくて前頭8枚目くらいの差があったように感じられました。
また、全般的に効果音がデカく設定されていて、音で怖がらせようとしていたのかなと感じたのですが、これが単調に思われてしまい、個人的に逆効果だったように思えました。
さらに、折角逮捕したロングレッグスに取り調べ中に自殺されたり、捜査に向かった先で捜査官が殺されてしまったりと、物語上FBIの捜査にかなり手抜かりがありました。まあ失敗は世の常とは言え、明らかに異常な態度の容疑者を、経験の浅いリー・ハーカー捜査官1人に取り調べさせるなんて、仮に容疑者がそれを要求したとして、実際あり得るのでしょうか。ロングレッグスの自殺後に、上司から叱りつけられたリー・ハーカーでしたが、自殺防止の対策もせず、そんな取り調べを許可した上司の責任でしょうとしか思えませんでした。また、殺人犯が潜んでいる可能性が高い現場にたった2人の捜査官で赴かせ、しかも単独行動を取った結果、1人は犯人に殺されてしまうってのも、実際にそんなことをしたとすれば管理上かなり問題。まあ映画だから何でもありと言えばありなんでしょうが、あのような大失態の連続では、FBI長官の首がいくつあっても足りないように思えました。
いずれにしても、宣伝文句とは対照的に、全般的に怖くはありませんでした。やはり主役のロングレッグスに、レクター博士ほどの怖さがなかったというところなのかと思います。さらに最大の問題は、ロングレッグスにニコラス・ケイジを起用しながら、別にニコラス・ケイジじゃなくても良かったんじゃないか、というか、ニコラス・ケイジだって全然分かんないじゃんと言う点に、いまだに釈然としない思いを持っているところです。
一方良かった点を挙げるとすれば、リー・ハーカー捜査官の母親がロングレッグスに操られていたという展開は、ベタではあったもののまずまず良かったかなと思ったのと、主人公を演じたマイカ・モンローは綺麗だったし、特に怖がった演技が非常に良く、これは一見の価値があったかなと感じました。
そんな訳で、本作の評価は★2.6とします。
昭和の東宝東和的大げさキャッチコピー
アンソニー・パーキンスも
〈洗脳、催眠のような謎の意志が伝播していく〉
〈それに憑依されそうなFBI捜査官〉
〈奇妙な文章が現場に残され〉
〈どうやらブードゥーでも黒魔術でもないようだ〉
〈米国特有の奇妙なコミュニティでもなく、田舎の農場でサタン崇拝〉
〈被害者の身体や皮膚〉
〈人形作成〉
〈銀の球を操るあしながおじさん〉
〈志村うしろー!〉
等々既視感のある間テクスト的設定だ。
謎の伝播、写真の眼が光る『ミッドウィッチ村のカッコウ』
(カーペンターの「光る眼」の原作)
机上のシリアルは『シリアル・ママ』
銀球の『ファンタズム』等は無理があるにしても、
これだけで類似作は10作品以上はあるだろう。
しかし、
本作は単なる類似作ではなく、
スタイルを持った作品なので、
美しいオマージュ作品とも解釈できるが、
ホラーでもサスペンスでもスリラーでもなく、
オズ・パーキンススタイルの主張なのかもしれない。
さて、そのスタイルとは。
それは、視覚的な技法におけるなかなかの巧妙さだ。
広角レンズを巧みに使用し、人物を手前から奥、
奥から手前と自在に動かすシーンを多用、
各キャストの芝居も説得力があり、
広角レンズで、
ゆがんだ上手から、何か出てくるのか、
パースの違和感がなんとなく気持ち悪い等、
観客に独特の不安感をもたらす。
さらに、広角のまま90度パンする技法も、
恐怖を騙し絵絵画的に引き立てる役割を果たしており、
その視覚的な手法はそれなりに高いレベルで完成されている。
ライティングも、
仄暗い空間造成の部屋の壁に、
マーク・ボランと、
ルー・リードの、
ポスターではなく写真、
そしてニコラスくんの白。
音楽も監督の好みの音楽を掛けてる感じ、
T-REXやヴェルヴェット・アンダーグランドの歌詞を追う気にはなれない。
アンソニー・パーキンスの監督作品も、記憶はあいまいだが、
シリアルキラーをポップなテイストで、撮ってなかったか、、、。
HAIL SATAN!
好き好き大好物悪魔物。セブンとかヘレデタリーとか、ヤバい存在自体は出てこないけど、その影響下の連中が実働隊で怖いやつです。
ニコラスケイジは制作にも絡んでますね、役はかなり繰り返し整形したみたいな顔なんで原型がわかりません。のりのりの演技、から汲み取りましょうww
悪魔は昔から名前を言うことも恐れられていた(言うと来ちゃう)ので俗称が色々あります。話も皆んな何となくそれ"かなと思ってはいるけど信じられないし、名前出すのが怖いから言いません。不思議とその状態が一番怖いんです。頭の中で一番怖い型のない、または見えない物、、、、。
まあ、結末親切説明すぎな気もしたけどお母さん役アリシアウィット(Duneにも出てる!)も素敵可愛かったから許す。
フィンチャーみたいな映像派監督です。引き絵が多くメイン固定とたまに移動の使い分けがカッコよく撮影部も優秀。フレーミングが絶妙で観てて妙に背景が気になる様になってます。
そんなに怖くない
ここ10年で一番の怖さなどと宣伝されており、どれほど怖いかと気構えしていくと、そんなに怖くない。ホラーを期待していたらミステリー&サスペンス色が強い。家族全員死ぬ謎の連続殺人事件に共通点があり、娘の誕生日など、どうしたことかと調べると主人公の女刑事にも関りがある。とても狭い世界のできごとだ。
ニコラス・ケイジが恐ろしい殺人鬼なのに、店番してる女の子に「キモおじさんがまたきたよ」と言われているのがリアルで面白い。確かになんであんな白塗りなのだ。
犯人は暗号の手紙を残す。主人公はそれを解読する。犯人も解読してもらえてさぞ嬉しいだろう。誰も解読できなかったら寂しくてどうしようもない。意味不明で終わりだ。
どっしりとした淡々とした演出で、コンディションが悪いと眠くなりそうだ。
しっかり怖かった
ヤバい映画
これは観なくていいです(胸糞悪くなります)
何が言いたいのかさっぱり解りません…。。
終始謎です…それがずっと続きます
サブリミナル効果を使ったり、急に効果音やBGMをデカい音で刺激したり、、、(ジャンプスケア)
終始不穏な空気を演出して、サスペンスぽくしていますが、中身がありません。。
最初は"羊たちの沈黙"や"セブン"の様なスリラーを目指したのでしょうが全く御門違いです‼︎
だってあれだけ娘を守る為と言っておきながら最後は襲って来ました…なんなの⁇
但しひとつだけ…最初から最後まであれがニコラスケイジだとは分かりません(全くの別人です‼︎)、只々異常な映画です
『ケイジ、お前はいったいどこへ行く⁇』
【追記】
そうか⁉︎サスペンスとして観たからいけなかったのか‼︎この映画はホラーとして観れば未だ許せたのか⁈いや許せ無い‼︎ 悪魔崇拝やら怨念・怨霊で片付けるな‼︎‼︎
監督はアンソニー・パーキンスの息子です。
あの名作サイコで、ヒッチコックに壊されてしまって、あのサイコのモーテルに実際に住んでいたという噂のある、あの俳優の息子だから、さぞかし壊れた映画であろうと思っていた。
今回のニコラス・ケイジの見どころは、気に入った少女の誕生日を祝いに来る、もうそれだけでOUTな変態で、おまけにカーニバルの仮面のように、彫りの深いアゴ割れ野郎。
ニコラスだったら、演技力だけでキモい男になれるのになぁ?所詮、ニコラス・ケイジ二級はここまでだな。
過去にニコラス・ケイジにロックオンされたFBI捜査官が、何十年にも渡って、一般人一家連続殺人犯を追うも、同僚がプッツンして人殺しをしたりして逃げ場がなくなってくる。
本丸は悪魔崇拝者なんだけど、日本人には悪魔って存在の怖さがイマイチ分からないんだよなぁ。
親から、受け継いだホラー愛を如何なく発揮しているから、恐怖描写に無理が無いし、面白い!
見る映画に迷った時には選択肢の一つに入れて欲しい映画、お勧めです!
余談ですが、この映画のパンフレットは手がこんでいて、殺害現場の証拠品を入れるジップロックに、報告書のような作りのミニパンフレットがあり、殺害現場のポラロイド写真が挿入されているのだ。希少価値があるので、買う事をお勧めします。
中身なし、最後の10分程だけ見れば良い。
賞戦シーズンも無事終わり・・・
今年の仕事も(去年の総括か)終わってホッと安堵してる今日この頃です。
コレからの春以降の新作達に期待しております。
最近気になってる作品が”国宝”かな。6月頃?公開
なんか イイ感じで早く観たいわぁ (*^。^*)
と言う事で、今日は「ロングレッグス」という 怖そうな洋画みましたよ。
この殺人鬼 誰やぬん???と思ったら
ロングレッグス / ダル・コブル 役:ニコラス・ケイジさんだってさ。
全く分からねぇ。特殊メイクね。
白豚のキモイだけでしたが。
セブン、羊たちの沈黙、とか 最近のA24作品的風に見せては
いますが 遠く及ばずですね。
バカバカしい。ハッハッハ~
最初から伏線あるっぽいカット編集を入れて来てますが
誰やネン、どうなった?、どこにどう繋がった?
とか 観ていてさ 楽しいどころかメンドクサイ感だけが残ります。
もっと、スぅっとスタイリッシュに見せて欲しいわ。
そして ゾクって感じさせて欲しいのよ。
殺人鬼:不細工すぎるw
何がロングレッグスなんだよぉ~
ミスタ-ファットマンじゃん。 (´-ω-`)
人形頭に鉄の玉。なんか分からん 邪気? 呪い?
毒気が仕込んであったり?
ショットガンで ズドォ----ン 。。。
ナイフで ドスっ、ドスッ。。。
斧で 頭、背中、 パッカ-----ン。。。
アフォか、今時 そんなので驚かねぇわ。
最初FBIの相方の男が 一発で撃たれたのも読めてたし。
あの家の中にいた奴、 アイツか。もうちょっと見せて欲しかった。
誰か分かりにくいやん。
FBIの特殊能力訓練(テスト)風景も微妙w
さよか~の言葉しか 出てけえへん。
彼女のおかんは 既に手落ちしてて
結局 殺人鬼のお仲間プレ-だった訳で。
つまり FBIのおかんは、ロングレからの一種の催眠状態で操られてて
犯罪に加担。恐怖支配してた的な感じもするが。
FBIの姉ちゃんも 結局意識下で繋がってて。
なんじゃソリャ。
良くある しょうもない展開延長で。
そしてこの映画宣伝文句だけで 我々の頭をロングレの
興味の虜にするという 或る意味恐るべし戦略w
一応 ★3としとくね。
営業努力は認めたいかな。
疲れて寝てても、ラストの15分程を
起きて観りゃ それで十分理解できる作品でしたね。
春だしね、こんなネタが嬉しい方は
劇場へどうぞ!
あの煽り文句は(追記加筆)
ニコラス・ケイジという俳優を「映画はつまらなくてもニコラス・ケイジを見ている分には飽きない」と評された方がおられまして。
ごもっとも、全くその通り!
で、本作はそのニコラス・ケイジがなかなか出て来ないです。
ということは……
はいっ、お察しのとうりです。
『ここ10年で一番怖い映画』という煽り文句。
あれは多分、10才の子供が言ったんですよ!そう思えば嘘ではないし、子供の言ったことに目くじらを立てるのも大人げないと納得は出来る(出来るかー)
(ここから追記)
と、酷評したが一晩寝て思い返したら、なんだか面白かったような気もしてきて不思議。
冷静な頭でもう一度考え直してみよう。
不穏で不気味な雰囲気のなかニコラス・ケイジをチラ見せしたオープニングは確かに良かった。FBI捜査官リーが直感を発動させ相棒に警告するも、それを無視した相棒が即射殺されるシーンで期待値も爆上がり。
が、暗号解読の辺りから冗長になり作品中盤でやっとニコラス・ケイジ登場。
「今回のニコケイはそう来ましたか!」と再度期待値が上がったが、思い返せばここら辺から作品のテイストがサイコサスペンスからオカルトホラーにハンドルを切っていたんだよなぁ。
ただ「おいおい、そっち方向へ行くんかい!」という急カーブではなく緩やかにオカルトホラーへとハンドルを切っていたので、ラストまでサイコサスペンスだと思い込んでいた自分は「殺人の仕掛けは悪魔の超常能力でしたって、そりゃねぇだろ!」と理不尽さを感じた。
他のレビューで黒沢清監督の影響を言及されている方が数人おられ、確かに不穏な雰囲気作りや今まで提示した物を急にうっちゃって物語がカーブしていく様子は黒沢清みを感じ納得した。だったらいっそ、謎に有能な助手とか出してくれたら良かったのに。
思い返しても酷評気味だったが、ニコラス・ケイジを見ていて飽きないのは実際にその通りだったし、黒沢清フォロワー監督の作品だったと考えると多少親しみも覚える。
『ニコラス・ケイジが出ている黒沢清フォロワー監督のオカルトホラー』と言われれば面白そうだし、そういった点を踏まえて鑑賞し直せば評価も上がるかもしれない。けど、その為にもう一度二千円払うのはちょっと……。
配信かレンタルでまた会いましょう!
誇大広告
過去10年全米最高興収を記録 歴史を覆す大ヒット
と大きく謳っているけど、
2024年に公開された独立系ホラー映画として過去10年間の全米最高興収を記録
って小さく書いてある。
これいいの?
詐欺まがいの宣伝で客を呼び込み、期待して観に行ってガッカリした客がだんだんと映画館から遠ざかっていく。
映画会社の宣伝部の人たちへ。
面白いのにヒットしていない優れた作品に客を呼ぶことに知恵を使ってください。
普段からホラーは好んで観ないんだけど(ホラー映画と思っていた)、お正月に観た「神は銃弾」(お正月に観る映画じゃなかったね)のマイカ・モンローが主役っていうことで楽しみにしていた。
レビューチラ見して思いっきりハードル下げて期待せずに観に行ったから、それほどガッカリはしなかった。
ホラーが嫌いになった理由の一つはスッキリしない話が多くなってきたからだけど、これもそんな感じだった。
マイカ・モンローはFBIの捜査官には見えなかったし、そんなに魅力的にも撮られていないし、それが残念と言えば残念。
アメリカの家ってカーテンないのかな。
エンディングで流れた曲みたいな映画が観たかった。
鮮やかな種明かしが欠けている
羊たちの沈黙、セブンを引き合いにした日本の宣伝会社は恥を知れ。
殺人鬼映画でなく、悪魔崇拝のパニック映画とすればまだ見れた物だった。
4行で映画の感想を述べるとこれで終わりなのだが、
それではニコラス・ケイジの快演が報われないので加筆していく。
本作の不気味さ、居心地の悪さは評価したい。不安を煽る音響や絵作りも、一級品であると思う。
テンポの悪さや、種明かしの雑さはわざとやってるように思える。鮮やかな種明かしが欠けている、とタイトルにしてるが、それは配給会社のキャッチコピーに踊らされた自分にも非がある。本国の宣伝手段が知りたい。
日本の宣伝会社に限れば、引き合いに出した2作が悪すぎる。
悪魔崇拝の映画を引き合いにしたら、それは物語の根底に触れるから出せない、それも理解できる、理解できるからこそ歯痒い。
この作品が、歴史に名を残すような作品になるとは思えないのは、単純に話しが面白くないに尽きる。こればかりは田舎育ちの日本生まれ、悪魔崇拝にピンと来ないこちら側にも問題がある。
人形によって悪魔憑きが起こり、父親は家族を殺したい衝動にかられる、ということで理解したのだが、、
超常現象モノ、というジャンルだったんだよね?
そんなジャンルを羊たちと並べるのはどうなんよ。
Mナイトシャマランの「〇〇〇〇」とか邦画ホラーの「〇〇〇」で良かったじゃん。
まあ、そんな映画はヒットしないだろうけど。
映画をヒットさせるのが仕事の宣伝会社の策に、見事に引っかかった。
逃げるは恥だが役に立つ、
ニコラスケイジは役に立つ。
「逃げるは恥だが役に立つ」、ハンガリーのことわざで「自分の戦う場所を選べ」ということ。
いま自分がいる場所、置かれている状況にしがみつく必要は無い、自分の得意なことが活かせる場所へ行こう、逃げることも選択肢に入れよう、という意味。
ニコラスケイジが活かせる場所で、
快演している姿に拍手を送りたい。
自分の戦う場所を選べ。ニコラスケイジはきっとそんなメッセージを伝えようとしていた。
そんな間違った感想をレビューして、さらに混乱を招いてみよう。
他人のレビューもまた信用しすぎてはいけない。
ささやかに、宣伝会社への報復を。
論理的ではない
サスペンス映画好きの私は論理的な話が好きなので、最後に「これはこういうことでした」みたいな伏線回収映画が好きなんですけど、かなり前半でこの映画は超常現象を扱ってるんだなと理解しました。
なので、論理的な落ちは期待できないと思って観ていましたので、終わりはこんなものかなという感じでした。超常現象の映画として観れば、まあまあ怖いホラー映画だとは思います。とりあえずリー・ハーカーが悪魔側に落ちなくてホッとしました。
OPのT.REXがピーク
全159件中、61~80件目を表示