劇場公開日 2025年3月14日

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「ラストで賛否」ロングレッグス 赤足さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 ラストで賛否

2025年9月15日
iPhoneアプリから投稿

1990年代のオレゴン州を舞台に、新人FBI捜査官リー・ハーカーが、父親が家族を殺し自殺するという不可解な連続事件を追う。現場には必ず「Longlegs」という署名の暗号文が残され、やがて事件は彼女自身の過去とも深く結びついていく。不気味な田舎風景や静けさを活かした映像は強烈な不安感を醸し出し、ニコラス・ケイジの怪演がさらに狂気を際立たせている。

一方で、この作品は前半のサスペンス的な緊張感から、後半になると一気にオカルト寄りの解釈へと振れていく。その“毛色の変化”をどう受け止めるかで評価は分かれるだろう。最後のオチを受け入れられない人には厳しいが、むしろそこに魅力を感じる人もいるはずだ。

個人的には『ヘレディタリー/継承』を思わせる部分があり、宗教的な観念を前提とした恐怖が根底にあるため、宗教観の薄い日本では理解しづらいと感じる人も多いかもしれない。それでも、静かな画面からじわじわと広がる不穏さ、説明しすぎない余白、そして観る者の想像を試すラストは確かに印象に残る。ホラーとしての“怖さ”よりも、“不気味さと宗教的狂気の余韻”を味わう作品だと思う。

赤足
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