劇場公開日 2025年3月14日

「ニコラス君の必要性を感じられませんでした(泣)」ロングレッグス かもしださんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ニコラス君の必要性を感じられませんでした(泣)

2025年5月18日
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鑑賞方法:映画館

怖い

驚く

ドキドキ

この映画、廊下の奥や部屋の中、建物の外観に至るまで画面の真ん中に視線がいくよう「中央一点構図」を多用して撮影している為、人によっては没入感が半端ない作品になると思われます。

ただ、ホラー演出やミステリ要素、更にニコラス君を目当てにしている人には物足りないと言わざるを得ない点を内包している作品でもありました。
案の定、「アレ(ネタバレになるのでアレと表記)で全て片付けちゃうのか」という声が劇場を後にする時、聞こえて来ちゃいました。
アイデアとしては悪くないと思うのですが、淡々と描いていく物語の締め括りとしてはいささか強引な展開だった気がします。
幾らヒントや伏線をあちこちに散りばめていても、完全にミステリ寄りとなっていない本作では納得できない人がいても不思議ではありません。
要はオチで背筋が凍り付くか、付かないかで評価は大きく割れてしまう気がします。

そしてニコラス君に関してですが、彼の奇怪な演技を期待すると少々肩透かしを喰らいます。
鑑賞すればお分かり頂けると思いますが、「誰がやっても良かったのでは」と思えるほど別人になってます。
また、現在進行形の物語に大きく絡んでいるようで実は絡んでおらず、「蚊帳の外」感が半端なくあります。
第一、買い物のシーンは何の為にあるのでしょうか。
気味の悪さを出す為だけで物語を左右する要素にすらなっていませんでした。
もっと活かせる方法があっただけに残念でなりませんでした。

個人的には嫌いじゃない作品ではありますが、時代が遅過ぎた気がします。
それこそ70年代に公開していたら間違いなく化けた作品だと思います。

かもしだ