「タイトルなし(ネタバレ)」ロングレッグス りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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二十年以上続く一家皆殺し事件を追うことになった、FBIの新人女性捜査官リー・ハーカー(マイカ・モンロー)。
彼女は妙に勘が冴え、他の事件では犯人の居場所を特定した。
が、その事件では、それが裏目に出て、相棒を犯人に殺されてしまう。
今回追う未解決事件は、一家の誰かが家族を皆殺しにしているのは明かなのだが、現場に「ロングレッグス」の名の下に暗号が常に残されていることから、連続事件に位置付けられているのだった・・・
といった物語。
全編不穏な雰囲気漂う描写は悪くないが、怖いかと問われると「むむむ」という感じ。
スタンダード画面とシネスコ画面を切り替えて、時制的に混乱もなく論理的に進むが、主人公の過去の因縁や最終的にそっちの方向へ行っちゃうのね、という欧米の宗教的怖さは、やはりいまひとつピンとこない。
黒沢清『CURE』やアガサ・クリスティ『カーテン』のようなタイプに犯人は設定されているが、最後の黒幕はやはり・・・
タイトルロールの「ロングレッグス」は、いわゆる使徒的な存在。
さらに「愛」を利用されて、邪悪なことに手を染める・・・というこのあたりの設定、かなり興味深い
が、「階下の男(ザ・マン・ダウンステア)」がやはりピンと来ない。
人形に仕込まれた丸い珠、意味はわかるが、仕組みがわからん・・・といったあたりも、「ホラーにもロジカルな謎解きが必要」な『リング』以降のホラーに慣れた目には腑に落ちない(つまり、日本の観客には受けが悪い)と思われます。
ロングレッグスを演じるニコラス・ケイジ、出番は少ないながらも怪演。
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