「◇解体されながら継承されたスリラー」ロングレッグス 私の右手は左利きさんの映画レビュー(感想・評価)
◇解体されながら継承されたスリラー
オカルト的な連続殺人事件に挑む新人女性FBI捜査官といえば、羊たちの沈黙(1991)のクラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)を思い浮かべます。物語の舞台 は1990年代のオレゴン州。どことなく淋しげで陰鬱な町です。
題材となる殺人事件の特徴は、家族を皆殺しして自死する父親たち。事件の鍵となる家族の娘の誕生日と送り込まれる人形。謎解きの楽しみ以上に、「家族」という形そのものに対する嫉みや妬みを漂わせています。
この作品の監督であるオズグッド・パーキンスと音楽担当であるエルビス・パーキンズの兄弟は、アンソニー・パーキンスの息子たちです。まさに、承継されたサイコホラーのスタイルが自己批評的な形で家族というテーマに基づいて再構成されています。そして、考えてみれば怪優ニコラス・ケイジもコッポラ一家の出自。芸能一家に生まれることへの怨嗟を歪な形で構築している作品だと考えると怖さが底知れなく感じられてきます。
#Tレックス #TRex
♪Jewel
♪ Planet Queen
♪ Bang a Gong (Get It On)
享楽的で自己破滅的なグラムロックの世界観も私好みでした。
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