「「傑作ミステリーでは?」という期待が、見事に裏切られる」ロングレッグス tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
「傑作ミステリーでは?」という期待が、見事に裏切られる
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連続する一家惨殺事件に関する謎の深まり具合や、映像と音楽による雰囲気の盛り上げ方が秀逸で、もしかしたら、「羊たちの沈黙」や「セブン」のような傑作ミステリーになるのではないかという期待が高まる。
ところが、犯人からのメッセージが届いたのに、警察の上司に報告するでもなく、母親が危険にさらされるかもしれないのに、何も手を打たないなど、主人公の行動に「?」印が付き始める。
もしも、主人公が、この時点で事件の真相に気付いていたのだとしたら、その後の惨劇を防ぐことは十分可能だったのではないだろうか?
犯人の居場所を直感的に突き止めたり、難解な暗号を容易く解読したりする能力を持ちながら、どこか神経を病んでいるような主人公のキャラクター造形も、掘り下げ不足の感が否めない。
結局、「犯人は、悪魔の人形でした」というオチには唖然とするばかりで、まともに話に付き合ってきた自分がバカらしく思えてしまった。
「娘の誕生日が14日」という設定も置き去りにされたままだし、「主人公の母親が共犯者でした」というドンデン返しも、取って付けたようで説得力がない。
ミステリーを装ったオカルトというプロット自体を否定するつもりはないが、ミステリーとしても、オカルトとしても、中途半端で消化不良としか言いようがなく、序盤の期待度が高かっただけに、観終わった後には「肩透かし」感だけが残った。
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