劇場公開日 2025年3月20日

少年と犬のレビュー・感想・評価

全129件中、61~80件目を表示

3.0素材はいいのに手を加えすぎて失敗した料理のよう

2025年3月26日
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鑑賞方法:映画館

愛犬2匹と暮らす私
しばらく映画館に行けそうにないし
犬出てるし!とか色んな期待を込めて観た
そして『さくらちゃん』の演技は素晴らしく
もうそれだけで十分なほど感動なんだけど
なんか余計なことが描かれてる気がしてならない
原作を読んでないのですが、こんな話なの?
って思ったらエピソード足されてるんですね
そこかな?余計なこと…
美味しいはずの素材なのに
手を加えすぎて台無しになってる飲食店で
もったいないから食べてるときみたいな
そんな気持ちで鑑賞しました

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ke_yo

3.0馳星周感少なっ。あ、イケメンは少年じゃないよー

2025年3月26日
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単純

デカ犬二匹飼ってるand馳星周好きなので犬好き達と今更行ったら、、、馳星周ワールドのノワール感やすぐ隣にあるダークサイドみたいな要素は少なめ。少年の描き方も唐突に公園で遊んでくれた人〜となったり、ズームイン列島中継如く、色々な話や異能使えます!で大渋滞。おまけに原作知らないと高橋文哉さんが少年と思ってる人たちを混乱に落とす。
一所懸命、馳星周感を出そうとはしてるけど、感動犬モノにもならず謎に役者が豪華な2時間ドラマ風になっちゃった。。。みたいな。
これは、映画会社の宣伝が上手くて、騙された犬好きの被害者いそう笑。しかも、せっかくのイケメンなのに、この映画の髪型変じゃね??って思ったのは自分だけ?めっちゃ気になる。
でも原作忠実過ぎると暗〜い胸糞映画になっちゃうから着地点はこれでいいって事なのかなあ。

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ユメ

2.5ヘビーローテーション

2025年3月25日
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鑑賞方法:映画館

原作も良く、セカオワの楽曲も良く、キャストも良いのに、何でこの出来映え?繋ぎつなぎで、余りにもわざとらしい演出に、ただただ残念!

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DnaH

3.5守護天使(ガーデンエンジェル)を巡る物語

2025年3月25日
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鑑賞方法:映画館

80年代から90年代にかけてのアメリカ映画には守護天使という言葉がよくでていたが、最近ではあまり聞かない気がする。
本作は、邦画では珍しく守護天使を巡る物語といえる。

3地点と3つの時間軸が主な舞台だ。

東北の大震災と熊本地震が題材として出てくるので、現実が真正面にあることでファンタジー要素が余計だと思う人もいるかもしれないが、あれはあれでよいと思う。
現実を活写するのは現実だけではないはず。むしろフィクションこそが現実を具体化する場合もある。小説や映画の存在意義はそこにあると強く思う。
大自然の災害に対して人は無力であり、人は想像力で立ち向かうしか無い。

守護天使は、当初は迷い犬の多聞だが、終盤、その役割は青年へと移っていく。
守護天使は人を善き行いへと導くという。「良いことをしたかった」という青年の言葉は、天使には届いていたのだろう。

犬は一万年以上前から人類と共にあったというから、犬を守護天使の1人とする設定に違和感は無いといえる。

動物をメインに据える映画では、複数の動物を用意する場合があるが、エンドロールによれば、さくら1頭で乗り切ったようだ。

元乃木坂の西野七瀬さんにAKBのヒット曲を歌わせるというサービス!?もあった。

上映時間2時間8分と、全体的にやや冗長な感じもする。15分位カットすれば、すっきりとし、より見やすくなっただろう。

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alfred

5.0少年と犬

2025年3月25日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

少年と犬 最初から最後まで 感動した
西野七瀬さんの 体当たりの演技は
今まで無い演技で 素晴らしい本人が悩み苦しんだと言うぐらい 難しい役 だった見たいで
高橋さんは 思った以上に 爽やかな役どころで
上手く演じてたと思う
ジャーマン・シェパードのさくらは 人間の役者さん見たいに 本当に感心する演技だね

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なな

1.0原作に申し訳ない!

2025年3月25日
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鑑賞方法:映画館

名犬多聞(さくら)は素晴らしい!若手もベテラン俳優陣も頑張ったと思う。脚本が悪いと思う。何を伝えたいのかを俳優に言葉で言わせているだけ・・・原作はあんなに感動したのに、映画化でガッカリの典型だった。とっても期待した自分がバカだった・・・

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一歩

見てきました

2025年3月25日
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2人の主役がまだ幼さを感じました。多聞がコンビニに毎日いるから明日保健所に頼もうとと言葉に胸を打たれました 震災を2回も受けて 五歳の子供を守るため腹に木が刺さる姿涙が止まらなくて
斎藤工さんはやはり役者ですね 我が家も犬がいます 大事にしないとなと 溺愛してますが 何があろうと犬も家族です 泣けた映画でした

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アサガオ

2.0犬が探していた少年が最悪!

2025年3月25日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

演技がヘタ。子供らしいかわいさがない。セリフが棒読み。
さらに最後のセリフ。ボクの心の中で生きているとかなんとか。
子供はそんなことは言わない!親が子供に言って聞かせる内容です。
チョイ役に大俳優をいっぱい使っています。そんなに予算があるなら、
子役をもっと選んで使え!と言いたい。
幽霊が出てくる回想シーンも長いとは思ったけど、こっちはOK。
それだけが刑務所での彼女の生きがい、心の支えであったことをことを考えれば、
それに付き合ってあげても良いかな。西野七瀬も良かったし。

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センノカゼ

3.5一匹の犬が多くの人を幸せにさせる感じの作品。 本年度ベスト級。

2025年3月24日
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鑑賞方法:映画館

号泣映画を期待するものの、涙腺はあまり緩まず。
でも作品を通じて心に染み渡る暖かい作風が素敵だった。

西野七瀬さん目当て。
ほぼノーメークな感じの自然の姿が美しく印象に残る。
でも彼女の職業が想定外だった(笑)

高橋文哉さん演じる和正。
西野七瀬さん演じる美羽。
シャパード犬の多聞(タモン)。
この2人と一匹の犬を中心に展開するストーリー。
和正と美羽には黒歴史があるものの、多聞といる内に新たな人生を歩んで行く感じだった。

終盤からファンタジー要素を取り込んだ展開が続くんだけど、やり過ぎ感は否めなかった(笑)
本作のタイトルはこの終盤の為に付けられた感じ。

舞台は宮城県から滋賀県。そして熊本県へと徐々に南下して行く展開。
熊本県の出来事は想像もして無かったけど、本作の重要なピースとなっていてナルホドの設定だった。

想定外だったのは、結構人が命を落としてしまう展開。
特に美羽の過去の出来事は衝撃的だった。
でも、その時に多聞と出会えた事に運命を感じる。

多聞役のシャパードが素晴らしい演技でメイキング映像が見たくなる。

脇を固めた伊藤健太郎さんや江口のりこサン。一ノ瀬ワタルさんも良かった!
特に江口のりこサン演じる獣医がアッサリし過ぎだろ(笑)

色んな人に愛されていた多聞に泣かされたけど、流れた涙は少なめ(汗)

色んな意味で人間の暖かさが感じられた作品だった。

まさか西野七瀬さんがヘビーローテーションを歌うとは思ってもいなかったです( ´∀`)

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イゲ

3.5西野七瀬、上手かった。

2025年3月24日
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笑える

悲しい

興奮

東日本大震災から半年後の宮城県仙台市で、職を失い、空き家に無断で入り、盗品してた窃盗団の運転手だった和正は、震災で飼い主を亡くした犬の多聞と出会った。聡明な多聞は和正と家族にとって大切な存在となっていたが、多聞はいつも西の方角を気にしていた。和正がゴタゴタしてた時、多聞は姿を消した。多聞は滋賀県で暮らす女性・美羽のもとに現れ、彼氏に貢ぎ、騙され、デリヘルで働いてた美羽は、重大な秘密を持っていたが、多聞と過ごすことで平和な日常を取り戻していた。そんな時、彼女の前に多聞を追って仙台から和正がやって来て、2人と1匹の新たな生活が始まった。西を目指してた多聞の目的は・・・そんな話。

震災で職を失い、先輩の仕事を手伝ってた和正だが、悪い事と知ってはいても生きるために他の選択肢が見つからなかったのは理解できる。そして、美羽が母や妹のために働き、ボンクラ彼氏に騙され、体を売り、お金を貢いでたのに、その金で他の女と楽しそうに食事してたら腹立つよね。凄くわかる。
入り込めたが、悲しい話だった。
和正役の高橋文哉が良かったのと、美羽役の西野七瀬も撮影は結婚前かもしれないが、俳優として上手くなったと思う。良かった。
斎藤工も出番は少なかったが優しい父親役が良かった。

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りあの

3.0思ってたのと違った

2025年3月24日
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うーん、、、
もっと感動的な話にできなかったのかな

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ロン

3.0犬と少年?

2025年3月23日
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泣ける

犬が遠く離れた少年の所にひたすら向かう映画だと思っていたら(実際そうなんですけど)人間エピソードの大盛りで満腹中枢。
西野七瀬がとても良かった。
思い切りもいいし演技も上手い。
老母たちは皆んな豪華で、ちょい出演の役者もすごい顔ぶれ。
柄本明はさすがである。
短時間でもグッと来る。

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コウジ

5.0さくらちゃんの演技がすごい!

2025年3月23日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

多聞役のさくらちゃんの演技に脱帽です!
感動するおすすめの映画です

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check

3.0ペット愛好家の方には

2025年3月23日
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前半は、現代と随分かけ離れた作品
だなぁと感じます。が、後半からは涙腺に襲い掛かる作品です。客席からもすすり泣く声が聞こえてました。

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ちびお

2.5支離滅裂が‼️❓てんこ盛り‼️❓

2025年3月23日
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東日本大震災と熊本地震を犬で繋ぎ、外人強盗とトクリュウ犯の手先がヒモ貢デリヘル嬢の殺人犯の交流を描く。どれにも必然性皆無、特にヒモは暴力や束縛無いのに何で殺すかな、よくわからないことの連続、今時のテーマをてんこ盛りにしたら感動するだろうの安直ストーリー。ただ、西野七瀬は体当たりのいい演技でした、だから余計に惜しい、残念無念、少年て最後の子供なのね、あの彼は何なのトクリュウの見せしめの位置付けですか、死んでから良いことしてもねー、モヤモヤする、さいなら。

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アサシン5

3.5味付けの濃い映画

2025年3月23日
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鑑賞方法:映画館

犬の扱った映画で涙は必須だろうと思い鑑賞。確かに涙涙だが、これでもかと泣かせにくる演出やシナリオでなんとなくお腹いっぱいに。傑作ではなく万人受けの良作の仕上がり。原作の方がすんなりと入れて良かったのでは。
面白いオチだと思うが、流石に原作を後半は変え過ぎでは?
テレビの特番だと視聴率はかなり取れそう。
犬好きで感動感動作を観たいのならこの作品。

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るい

2.5終盤の展開が残念

2025年3月23日
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飼い主と離れ離れになった犬が飼い主を追ってはるか彼方まで旅をする。 こういう話は最近10年だけでも何作か映画になっている使い古されたプロット。そうなんだけど、犬好きは惹かれてしまう(笑)

最近40年以上は犬を飼っていないのだけど、それでも犬が大好きな俺は観てしまいました。

【物語】
東日本大震災から半年後の仙台。職を失った和正(高橋文哉)は、不正な仕事に手を染めていた。あるとき、震災で飼い主と離れ離れになったと思われる野良犬と出会う。なぜか放っておけない気持ちになった和正は犬を連れて帰り飼うことにする。犬には“多聞”というタグが付けられていた。

多聞は和正の家族(母・姉)にも受け入れられ、家族にとって大事な存在となるが、あるとき窃盗団の運転手を務めたことで事件に巻き込まれ、逃走中に事故を起こし、その混乱の間に多聞は姿を消してしまう。

その後多聞は滋賀で美羽(西野七瀬)という女性に拾われて過ごしていたが、美羽がSNSに多聞の写真を投稿したことで、多聞を探していた和正が見つけ、美羽の前に現われる。突然現れた和正と多聞を巡って諍いが起きるが、過去の罪を背負う守と暗い闇を抱える美羽は次第に距離を縮める。 しかし、ある決断と出来事で二人と1匹は離れ離れになり、多聞は西の方角を目指して歩き始める。

【感想】
中盤までは悪くないと思って観ていた。

震災により生活環境が激変し、気が咎めながらも生きるために悪の誘いに乗ってしまった人も居るだろう。また、人間の弱さ故に不幸な人間関係にハマり、社会底辺から抜け出せず、罪を犯してしまう人も居るだろう。

それを赦せるかどうかは別にして、そういうことは起こり得るだろうと思えるリアリティーが中盤までは有った。ところが終盤は突如としてファンタジーになってしまう。俺としては「なんで?」となった。多少のファンタジー要素が有っても良いが、中盤までリアリティーのある展開だったのだから、終盤もリアリティーの上にファンジーを少し載せるくらいにして欲しかった。 逆に最初から犬にしゃべらせるくらいのファンタジー路線で始めるのなら、それはそれで良いが、途中で突如として切り替わったのが俺としては大いに不満。

後から思うと、今現在の美羽(西野七瀬)がバスで初めて会った少女に過去の話として語り出す作品の作りもかなり微妙。リアリティーのある話にしたいのか、ファンタジー仕立てにしたいのか、どっち付かず。リアリティーに欠けるが、ファンタジーとしても不十分。

このどっちつかずの思い切りの悪さが本作の難点。

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泣き虫オヤジ

0.5これは…酷い

2025年3月23日
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鑑賞方法:映画館

不夜城から馳星周ファンです。作品内容から実写がとても少ない。数字が取れないのは理解するも実写を待ち望んでた。本作品でやっと望みがかないとても楽しみにしてた。元々短編集を映画向けに設定変更は有りと思ってた。主役の明るいキャラ設定は好感…だが途中あたりからだるくなり見てられなくなった。脚本が耐えられん。馳星周監修龍が如く(ゲーム)は大変面白かったがこれは…酷い。どこがどうとかネタバレになるので書かないが馳星周作品に大量のシロップかけてしまったかのような。

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まっつん

3.5主人公が置かれた状況が重視されたため、肝心の犬の多聞が辿った足取りとその先々のエピソードが霞んでしまったことが残念です。

2025年3月23日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

 小説家・馳星周の直木賞受賞作「少年と犬」を、「ラーゲリより愛を込めて」の瀬々敬久監督が映画化。主演は本作が初共演となる高橋文哉と西野七瀬。連作短編形式の原作から複数のさまざまな事情を抱える人々と1匹の犬が織りなす交流を描くエピソードと映画オリジナルの要素を加えて再構成し、描かれます

●ストーリー
 東日本大震災から半年後の仙台。職を失った青年・中垣和正(高橋文哉)は同じく震災で飼い主をなくしたシェパード犬の多聞(さくら)と出会います。多聞は、和正とその家族に瞬く間に懐き、一家にとって無くてはならない存在となりましたが、多聞はなぜか常に<西の方角>を気にしていました。
 そんな中、和正は家族を助けようと犯罪グループに加わり、窃盗団の送迎を繰り返すうちに、やがて事件に巻き込まれてしまい、その混乱の最中に多聞は姿を消してしまいます。
 時は流れ、多聞は滋賀県で暮らす須貝美羽(西野七瀬)と一緒に暮らしていました。美羽も、ある秘密を抱えながらデリヘルで働いていたのです。美羽は多聞のことを“レオ”と呼び、徐々に平和な日常を取り戻していきます。そんな美羽の前に、離れ離れになってしまった多聞を追いかけてきた和正が現れるのです。
 最初は和正を警戒した美羽でしたが、多聞を通して二人は少しずつ心を通わせ始めます。多聞は相変わらず常に<西の方角>を気にしていました。和正はきっと多聞には<西の方角>に会いたがっている人がいるはずだと確信します。でも、美羽が犯した罪は二人をどこまでも追いつめてくるのです。その罪の精算を覚悟した美羽に和正は、「俺が多聞を届ける。」と約束し、美羽を励まし送り出すのでした。
 美羽との約束を叶えるため、和正は多聞とともに<西の方角>にいるはずの多聞が会いたがっている誰かを探す旅に出ます。
 旅に出ようとする矢先に待ち受ける過酷な運命、そして奇跡的な出会いを繰り返し、多聞はいつしか熊本まで辿りつきます 。

●解説
 馳星周が直木賞を受賞した同名小説では、多聞が行く先々で出会う人たちと織りなす各エピソードを独立した短編小説として描き、それらを連立して一つの作品として構成しています。
 映画化の中で、瀨々監督は単なる多聞のロードムービーとはせず、辻々で多聞が出会う新たな飼い主が負っている生きることの悲惨と喜びを伝える映画に出来ないか、そう思い挑んだそうなのです。その結果、数多いエピソードの中で和正と美羽に注目。先ずは原作以上に二人が追い込まれている切羽詰まった状況を描き、なぜ犯罪に染まってしまう必然性があったのか、瀬々監督が持ち前のこだわりを持って繊細に描く人間模様が丁寧に描き出されます。
 それがあってこそ、犯罪へと追い詰められいった和正や美羽が、多聞との絆を深めることで心のよりどころとし、自らを取り戻そうとする過程が感動的に浮き上がってくるのでした。
 瀬々敬久監督は、2人の犯罪を断罪するのではなく、2人に寄り添う多聞に語りかけることで、彼らが再生に向かう心の動きを丹念にすくい取ったのです。薄幸な和正や美羽が発散する無垢な感性と、多聞のいちずさが融合して、ドラマに高揚感を生み出されました。 思うに任せぬ不運で苦境に立つ和正と美羽に向けたまなざしは、瀬々監督らしく厳しくも温かいものを感じます。
 その先にあるもう一つの物語はファンタジー色も加わり、犬好きは共感と愛着に包まれること必至。とにかく俳優犬さくらの演技は素晴らしく、さくらにしか出せない生のお芝居には、共演の高橋文哉も「中垣和正としてリアルに向き合う楽しさを感じることが出来ました。」(作品公式ホームページより)と語っていました

●感想
 連作短編集の原作から2人を主人公に据え、東日本大震災と熊本地震という二つの災厄を結ぶ人と犬のロードムービーに仕立てたところはよかったと思います。多聞は人間ペの希望の象徴のように、行く先々で人々の人生を変えていくのですが、映画化にあたり和正や美羽が置かれた状況を描くことにかなり配分されたため、多聞が辿った足取りとその先々のエピソードが霞んでしまいました。多くの人が、本作に一体仙台から熊本まで、1匹の犬がどのように辿りつくのか、そこに関心をもって臨むものと思います。
 ただ和正はアクシデントが起こり離脱。多聞ただ1匹だけで熊本までたどり着くには、説明不足だったと思います。
 途中、多聞が島根県まで辿りつくエピソードも描かれてはいます。でもストーリーとしては掟破りで、かなり強引な方法でした。ここで登場するのが原作の「老人と犬」パートの主人公片野弥一(柄本明)という老いた元猟師に、多聞が拾われる話が展開します。彼は末期の膵臓がんを患っており、多聞とのつかの間の交情を交わすところは、なかなかよかっただけに、もう少し長めに描いて欲しかったです。

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流山の小地蔵

4.0多聞

2025年3月23日
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鑑賞方法:映画館

後半 多聞にずっと泣かされてました

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さち