「一体誰の話なんだか。少年と犬より、娼婦と犬の話が前面かと思う。」少年と犬 The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
一体誰の話なんだか。少年と犬より、娼婦と犬の話が前面かと思う。
寒さと暖かさが交互にやってくる季節。
気がつけば もう春分。ウグイスもすっかり歌の練習が花盛りのようで。
目下世間は、花粉と雪の舞う洗礼を受ける 今日この頃。
と言う訳で
今日は「少年と犬」を観ましたよ。
この作品の原作:馳星周さんで、短編集なんですね。
犬の名前は多聞(タモン)。
①「男と犬」東日本大震災の宮城県仙台市、窃盗団運転手の和正と多聞の出会い。
②「泥棒と犬」窃盗団一員のミゲル、多聞と新潟県へ逃走。
③「夫婦と犬」富山県の中山夫婦と多聞の出会い。
④「娼婦と犬」滋賀県の娼婦美羽の多聞の出会い。
⑤「老人と犬」島根県の猟師弥一と多聞の出会い。
⑥「少年と犬」熊本県の内村が多聞と出会い家族で飼う。
この映画では、話が融合されてかつ変えてありまして、
①②④⑤⑥の基本的流れとなってる様です
東北震災と津波、そして熊本の震災に繋がってます。
途中の④娼婦と犬、これがメイン的な描き方と成ってい居る様に感じますね。
少年と犬・・・ それ以上に 娼婦と更生でしょうか。
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・監督:瀬々敬久さん
・中垣和正(宮城 窃盗団運転手):高橋文哉さん、途中自動車事故死。
・中垣麻由(宮城 和正の姉):伊原六花さん
・須貝美羽(滋賀 娼婦デリヘル):西野七瀬さん、殺人犯、刑務所更生
・片野弥一(島根 猟師):柄本明さん
・内村徹(熊本 光の父):斎藤工さん
その他大勢、色々な個性ある俳優陣で固めてます。
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全体的に通してですが、期待値より下がった感動でした。
犬が通して絡んでますが、 無理やり感は否めない。
どっちか言うと デリヘル嬢の美羽の訳アリ背景と殺人、山中遺棄
自首、刑務所更生って言うのがメインな感じします。
犬と、事故死霊の和正が語って行くけども
観ていて どうももう一つな感情で弱い気がします。
図鑑の少女との絡みも 弱いかな。
感情の流れに盛り上がりが欠けている様に感じますね。
一番良かったのは、西野さんの出所後の場面全体でしょうか。
スッピンと少し髪癖がある姿で人生やり直すって言う場面は
良かったと思います。
それと、滋賀の背景観が美しいと感じました。
熊本での光君との犬との待望の再会がメッチャ ワザとらしく
感動不可に陥り、そしてその後地震と犠牲って言われてもね。
子供に罪は無いけども 再会はもっと凄く嬉しそうにしないと
演出ちょいと弱いと思います。
その点からすると、
圧倒的に西野さんの映画に成っちゃってましたね。
そう思います。
興味ある方は
劇場へ。