野生の島のロズのレビュー・感想・評価
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その心はプログラムじゃない
2001年度のアカデミー賞で新設された長編アニメ映画賞を、ピクサー『モンスターズ・インク』を抑えて受賞したドリームワークス『シュレック』。
しかしその後は『カンフー・パンダ』も『ヒックとドラゴン』もノミネート止まり。受賞はディズニー/ピクサーの土壇場。宮崎駿も2度受賞。
興行の面でもヒット作ある傍ら、振るわなかった作品も多い。日本未公開作も多く、ディズニー/ピクサーはまだしもイルミネーション・スタジオにも大きく差を付けられた感が。
とは言え、このまま尻すぼみではない。個人的にはまあまあだったが『ボス・ベイビー』は大ヒット。『バッドガイズ』は快作!
好調を取り戻し始めた所に、決定打とも言える本作。
興行では『インサイド・ヘッド2』に及ばなかったものの、全米で昨秋堅実なヒット。(現在もロングラン)
特筆すべきは批評面。大絶賛。当初有力視されてた『インサイド・ヘッド2』を抑え、来るアカデミー長編アニメ映画賞の最有力。ドリームワークス、23年ぶりとなる悲願の2度目の受賞に王手。
これは見たいなぁと、待たされ待たされ数ヶ月。
ドリームワークス・アニメーションのお気に入りは『ヒックとドラゴン』だったが、それに匹敵する新たな名作誕生…。
話はシンプル。特別目新しいものではないが、それをエモーショナルに実に巧く魅せている。
だけど本作はやっぱり、キツネのチャッカリのお話のように見た方がいい。
むか~しむかし、ある島に、家族を亡くした独りぼっちの雛鳥がいました。
雛鳥は空のお星さまに願いました。新しいママが欲しい、と。
お星さまの上で、新しいママは願いを聞いていました。もっとよく聞こうとして、落っこちてきました。
こうして雛鳥の元にやって来たのです。
その新しいママとは…
ロボットでした。
実際の経緯はお話とはちょっと違う。
何処から来たのか。大海原の小さな島で偶然にも起動した一体のロボット。
ハイテク企業“ユニバーサル・ダイナミクス社”が人間の生活をアシストするようプログラムされた高性能万能ロボット。製品名は“ロッザム7134”。
どうやら無人輸送機が嵐の影響で島に墜落。他の同型ロッザムは壊れた中、唯一壊れずに済んだようだが…
人間の命令を求めて島をさ迷う。が、ここは人間など住んでいない無人島。
住んでいるのは多種多様な野生の動物たち。言葉も分からない。
翻訳。言葉が通じるようになっても、島の動物たちは“怪物”と恐れる。
時には襲撃も。あちこち損傷や故障。
ある日、崖から落ちる。そこで見つけたのは…
雁の卵。キツネから守り、やがて卵から雛が孵る。
雛鳥は“ママ”と思い込む。
プログラムに無い事態に対処出来ずにいたが、渡りの時までを“仕事”として。
雛鳥を“キラリ”と名付け、製品名をろくに言えないキラリからは略して“ロズ”と呼ばせるように。
ロボットのママ=ロズと雁の雛=キラリの、無人島で育まれる不思議な“親子”のカタチ…。
最初はプログラム=仕事の一環として。
が、次第に人間の居ない島で順応していくアシストロボット。
自我が目覚めていく。
母性も溢れていく。
ロボットにそんな感情…なんてそれこそアップデートされていない旧い考え。ロボットに感情が芽生えちゃいけないなんて誰が決めた? だったら『ドラえもん』は成り立たない。
映画には様々なタイプのロボットが登場してきたが、これまた新しいタイプ。我々はこのロズから教えられる事、学ぶ事は多い。
そんなロズの元ですくすく成長したキラリ。言動がロボット風だけど、元気に素直に。
たった一羽だけだったら過酷でもある大自然のこの島で生きてこられなかっただろう。風変わりでも守り育ててくれた存在がいたからこそ。
だが、それが周囲との隔たりにも。
“怪物”に育てられたと島の動物たちから奇異の眼差し。身体も同種の雁より小さく、のけ者。
自分たちと違う者は差別偏見の対象。我々の世界を見ているようだ。
島の動物たちも個性的。
オポッサムの母ピンクシッポと子供たち。彼女から子育てが仕事じゃないと教えられた。
大木を伐る事に執着するビーバー、島で最も恐れられているグリズリーベア…。森の中にも空にも近海にも生命が満ち溢れている。
中でもナイスキャラは、キラリがまだ卵の時狙おうとしたキツネのチャッカリ。彼もまた島の嫌われ者で、ひねくれ皮肉屋。が、機転が利く。
ひょんな事から一体と一羽と一緒に暮らすように。このバランスが絶妙。
怪物、のけ者、嫌われ者。周囲から孤立しながらも、彼らが織り成す擬似家族の姿が温かい。
私たち人間がそうであるように、家族は支え合うだけじゃなく、時に確執やすれ違いも。
ある時キラリは、自分の本当の家族が死んだ理由を知ってしまう。
ロズが崖から落ちた時、そこにあった巣や卵を潰してしまった。そう、ロズが…。
ロズは罪悪感や責任から唯一残ったキラリを育てたのかもしれない。でもそれだって、確かな“感情”である。
が、キラリは反発。ロズが本当の家族を殺した。育ててくれたのは“責務”だったんだ。
食べ方や泳ぎ方を教え、後は飛ぶ事だけ。キラリはまだ上手く飛べない。
折しも渡りの季節が近い。それまでには…。そんな矢先の溝。
ロズは決意する。飛び方を教える。それが今の私に出来る事。それが終わったら…。
この時のロズは頭=プログラムではなく、身体の別の場所で動くようになっていた。そこは空っぽの筈だが、目には見えない“何か”が…。
雁たちの長老クビナガも助言。キラリには見込みがある。飛び立った後、面倒見てくれる事を約束。
(オリジナルではビル・ナイだが、吹替ではベテラン声優の千葉繁氏が担当。『北斗の拳』などでオーバーハイテンションで知られる千葉氏だが、抑えた声で賢者の風格。どうしても追記しておきたかった)
飛び方をマスター。渡りに間に合った。
旅立ち、別れの時。
訓練でまた絆回復したように思えたが、まだ何かを残して…。
個人的にここで終わりでも良かった。
旅立つ者、残る者。打ち明けられなかった事は、次戻ってきた時に。
ヒットもしたし、原作もシリーズ化されてるし、次作で。
だけど、このままじゃちょっと物足りない。
双方のその後と本当の気持ちを伝えるまでしっかりと。
飛び立った雁たち。
途中、ある場所で休憩。
そこは…。ユニバーサル・ダイナミクス社の敷地内。
ロズと同型のロボットに驚くキラリ。
忍び込んだ雁たちを、社の人間たちは追い払おうとロボットたちに排除命令。
皆が危険…!
クビナガに託され、キラリが先導して脱出を図る。
その頃島では…
役目を終えたロズは、本社へ回収信号を送る。
が、すぐ取り止める。
キラリが戻ってきて、この溢れる思いを伝えるまで。
島を大寒浜が襲う。
ロズはチャッカリと協力して島の動物全員を救出する。
冬の間も暖が取れるロズたちが暮らしていた家で冬籠りする事になるが、弱肉強食の世界の動物たちはここでも争い。
チャッカリが一喝。生き延びたきゃ共存しろ。
嫌われ者の最もな言い分。皆で寄り添い合って…。
エネルギーを使い果たしたロズ。冬の間はエネルギー源の太陽光も届かない。
活動を停止…。
長かった冬がようやく去り、春が来た。
島に再び緑と太陽の光が…。
ロズも再起動。
そこへ、雁たちも帰ってくる。
キラリの姿が。
あの窮地を脱し、仲間たちから頼れる存在に。残念ながらクビナガは…。
自分の居場所を見つけたキラリ。
それを見届けたロズは思いは伝えず、静かに去ろうとする。
キラリも思いを伝えようとロズを探すが…。
そこへ、巨大な飛行物体。ユニバーサル・ダイナミクスの回収機。
中から現れた異様なロボット“ヴォントラ”の指示に従うが、その本当の目的は…。
このまま本当の思いを伝えられず、永遠の別れになってしまうのか…?
オリジナルでロズを担当したルピタ・ニョンゴの声の演技が絶賛されてるようだが、綾瀬はるかの吹替も悪くない。
キラリ=鈴木福も真っ直ぐに。チャッカリ=柄本佑はさすが声でも巧演。
ロボットと動物たちが織り成す交流がメインだが、島自体ももう一つの主役。
過酷でもあるが、豊かな自然と緑に包まれた皆の“故郷”。雄大で、神秘的で、美しい。
ロズたちが暮らす家も素敵。ロズ、私にも作って~!
『となりのトトロ』からも影響受けたというクリス・サンダース監督。
『リロ&スティッチ』『ヒックとドラゴン』などで異なる種同士の絆を描いてきた監督。また一つ到達点。
ハートフルなファンタジーってだけじゃなく、凝ったSFやロボットやアクション要素もあり、童心くすぐる。
ロズの貴重なデータを回収しようとするヴォントラ率いるロボットたちと、ロズやキラリやチャッカリや島の動物たちの闘い。
クライマックスのアクションはなかなか迫力あり。
ハヤブサのサンダーボルトの言葉にしびれた。ここが故郷だと言ってやれ。
プログラムなんかじゃない。私のこの心に従って。
島の皆との絆、親子の絆。
私は“ワイルド・ロボット”!
このまま島で暮らせばまたユニバーサル・ダイナミクスが来て、皆を脅かす。
皆を守る為に、ロズが決断したのは…。
それも皆を思ってこそ。
本来居るべき場所に戻ったロズ。
気付けば渡りの季節がやって来た。
忍び込んで目の前に現れたのは…。
再会。ここからまた親子の愛のカタチが紡がれていくーーー。
綾瀬はるか様が声をあててらしたので見に行きました。
またもや幸運にも、完成披露試写会の応募に当選し、生の綾瀬はるか様のご尊顔を拝む事が出来ました。
本当にありがとうございます。
さて映画ですが、綾瀬はるか様が声優をなさっているロボットと、鳥との友情?愛情?の物語です。
今回は見て良かったと思いました。
綾瀬はるか様のお声をずっと聞かせていただいたこともそうですが、素人目ではありますが、映像作品として細かい描写や演出など素晴らしいものだと思いました。
無機質でプログラムされた事しかできないロズに心が生まれた瞬間に感動しました。
私はおじさんですけど、思わず涙が出そうになってしまいました。
難解でエンディングの先の話は見る方の想像にお任せしますみたいな意味不明なロボットアニメなどではなく、シンプルな内容で小さな子供が見ても純粋に楽しめる映画だと思います。
家族連れで安心して行ける映画だと思います。
ぎぼむす、リボルバー・リリーと続き、母親を演じてきた綾瀬はるか様に母性を感じてきました。
この先綾瀬はるか様には本当に幸せになっていただきたい。
将来本当の母親になっても、この映画のように自分の子供を愛してやまないと信じています。
あらゆるものを
飛び越えた愛が、2人の(?)間と動物達の間にはありましたね。ロズが再びあの島に戻って行けると良いですね。
島の動物があれだけ仲良くなると、強い物ほど餌が無くなるから大変な気がします。
途中、泣いてる子がいました、、、
終盤強制連行されて電源切れたロズにキラリが肩に乗って語りかけるシーン、しゃくり泣く女の子?の声が聞こえてきて、、、ああいう効果音は反則だなあ!と思いながら笑終わった後も立てない感じでしたね。お母さんに寄りかかってました。いいサプライズ!
近隣のシネマ、殆ど吹替なんですよね。字幕が良かったのにぃ!どうせ有名俳優使っての宣伝キャスティングなんでしょっ!とか思ってたけど、結構吹替ハマってた。
確かに合成音声って女性の声多いし、綾瀬はるかの感情を控えたセリフ回しはいかにもロボット的(あ、デスってないですよ笑)
キラリの飛ぶを助けるシーンなんかは、決してオーバーアクションではないけど「一生懸命・純粋」さが伝わってくる。んー、観客が勝手にそう感じてしまうのかも。
だんだんロズに「感情」が芽生えていく「ような」展開も自然でいいね。ラストシーンもほんのり感が良かった。泣く子が出るんだもの、★5でいいよね。
ただ、満点ではないかも。冒頭の流れは少し長いかな?場面転換の速さと軽いキャラ紹介だけになってたのは飽きる。あと、これはどうでもいいことだけど、みんなあんなにフレンドリーになったら、肉食獣はどうすんだろうって心配になる。生態系壊すよね笑ってこういう発想が子どもの夢を壊すんだよね笑ごめんなさい笑
2025年劇場鑑賞8作品目
やはり日本以外のアニメは苦手でした。
試写会で見ました。
日本以外のアニメ映画を見るのは何十年ぶりでした。
正直、オープニングの海とか背景がリアルなのにロボットや動物たちが人が書いたものっていう感じがちょっと違和感で慣れるまでに時間が掛かりました。
それに「笑わせようとしてると感じるけど、全く笑えない…」(アメリカンジョークっぽい感じ)という所が随所にあったり、狐をずる賢い、つまり英語圏での昔からの印象で描かれていて、全世界向けではなく、まさに英語圏向け映画という感じに・・・
また、このAI全盛時代に、ロボットの思考が鉄腕アトムの前、つまり鉄腕アトムのように人間みたいに考える所にはたどり着けないロボットという表現が「今なぜクラシック ロボットの話?」と感じてしまいます。
また、ちょっとストーリー流れが単純で、「いや、もう少し裏付けとか、深みとかないとおかしいだろ!」と突っ込みたくなってしまいます。
ちなみに、アメリカ映画全般がそうだと感じているのではありません。
実写のアメリカ映画… 、例えばX-MANのシリーズは好きですが、全世界向けでないとか、ストーリーが単純とか、裏付けや深みが無いとか感じたことはありません。
悪いところばかり書いてしまいましたが、映像のクオリティは流石の一言でした。
個人的には、あまり好きにはなれませんでしたが、アメリカのアニメに良い印象を持っている、小さな子供がいるファミリーで見るのには向いているんじゃないかと思います。
KISS THE SKY
ありがたいことに今年1発目の試写会。
楽しみにしていた1本だったのでワクワクしていましたが、全編ワクワクがノンストップの大傑作でした。
遭難したロズというロボットが仕事をするために無人島でてんやわんやする模様から機械らしさと動物の言葉を理解するために学習モードに入る利己的な部分を見せたりと早い段階でロズのキャラクター性を見せてくれる演出が抜群にうまかったです。
最初はのけものだったロズがチャッカリと出会い、キラリを育て、島の動物たちと交流を深めていく中で巻き起こるピンチに立ち向かっていく王道なストーリーながら、ロボットと動物という不思議な組み合わせから発動する熱いストーリーは目が離せませんでした。
終盤の展開なんか疾走感マシマシで手に汗握る展開、動物たちが一丸となって個性を敵にぶつけていく感じなんかもう迸りました。
終盤の展開は寂しさがありつつも、さよならだけでは済まさせない涙ちょちょぎれな展開が待っていて鳥肌立ちまくりでした。
キャラクターも各々の個性が光っており、畜生とも取れる行動を繰り返すロズの暴れっぷりに最初は笑い、仕事としてキラリの子育てをし始めてからは親のような感じで接していきながらもプログラムに沿うのでやっぱ
畜生だったりと面白い描写は絶えず続きました。
親と子としての喧嘩をしたりなどなどちゃんと親子だなと思う描写が多かったですし、ロボットよろしくパーツ一つ一つを用いた派手なアクションだったり、学習能力によって他の動物の動きをコピーしたりと、ロボットらしいロボットなのにフランクな一面もあるときたもんですから一挙手一投足楽しくて仕方なかったです。
捻くれ者に見えたチャッカリがどんどん仲間想いになっていくところだったり、飄々とツッコミを入れたりと立ち回り方がとっても魅力的で、最後の方なんかもう抱きしめたくなるくらいキュートでした。
親と離れ離れになってしまった雁のキラリもロズを母親と思いながら成長し、成長した後ロズが母ではないと知り怒ったり、その中で強くならなければと高く飛び立つ様子は胸を熱くさせてくれましたし、擬似親子ものとしてもキラリの勇敢さが良さを加えてくれていたなと思いました。
その他の動物たちも個性を活かしたアクションたっぷり、弱肉強食の世界を余すことなく描いているのもあって残酷な部分もありつつ、それでも熱さを秘めた展開をやってくれるのでどの動物たちも応援していました。
個人的には「バッドガイズ」以降のドリームワークスはアメコミ調のスピード感をアニメに落とし込んで独自のアニメーションを作り上げていると思うのですが、今作ではそれが更にパワーアップしており、壮大な島の自然の美しさ、キャラクターの悲喜交々とした表情、アクションでの躍動感、決める絵をバチっと決める良さもあり映画館で堪能できて幸せなアニメーションでした。
「FLY!!」を彷彿とさせる渡り鳥たちが空を飛ぶ様子も美しく、渡り鳥がドリームワークスのアニメーションの核になっていくのかなと思うと不思議なワクワクが止まりません。
吹替陣もバッチリだったなと思いました。
綾瀬はるかさんのロズがバッチリハマっていて、機械的だけどどこか感情豊かなところだったり、おとぼけ方だったり、ロズに感情移入しやすい通りやすい声だったのもあって本当に聞きやすかったです。
柄本佑さんのチャッカリもいつもの佑さんの声とはまた違うお調子者な感じがしてとても好きでした。
福くんのキラリも子供っぽさと大人の間みたいな声がキラリにぴったりでした。
アニメーションでしかできない、そんな感動体験をずっとやってくれるドリームワークスには感謝しかないです。
是非とも公開したら観に行ってほしい1本ですし、公開されたら劇場に足を運ぼうと思います。
鑑賞日 1/21
鑑賞時間 18:30〜20:20
座席 B-3
配信映画の様に薄く感じた!!
終盤、会社の襲撃によって主人公が選択を迫られる様を、制作者は一番に描きたかったと思いますが、それまでの展開で起伏も思い入れもあまり感じなかったので、配信映画の様に薄い内容だと思いました。島の動物達等とお茶を濁さずに、搾取される人間の民衆を救って欲しかったです。また声優さん達の演技は良かったですが、芸能人の吹き替えで没入し辛く、出だしから速く返品されろと思いましたし、特に柄本さんの声が終始ボリュームも大きく、喋り方も鼻に付き耳障りに感じました。早口で語数も多く、特に子供向けの映画でも無いように感じました。
全68件中、61~68件目を表示




