「キラリ感あるよねと言いたいのは分かるが」野生の島のロズ 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
キラリ感あるよねと言いたいのは分かるが
映画サービスデーで評判いいので観てみた。
悪くなかった。だいたいCMと変わらないぐらいの印象で、こんなん感じだろうと思ったら、こんなん感じだったというイメージ。
悪くはないけれど、もうちょっと面白くなったかなという気がする。ただ、児童館あたりで子供向けのものを何か流しておきたいと思ったら、比較的薦めやすいタイトルではあるなと思う。
そういう感じです。
ロズは前からあるロボットのような感じもありつつ、古くからのヒトガタロボットのイメージ的なものを、比較的現代的にデザインしてる感じではある。
体の動きがよく、首がよく回る、手がよく動いて、胴体も動いて足も回るという、色んなアクションをさせやすいという面で優れたデザインなんだろうかと思う。
ヒトガタなんで、人間が親しみやすい。例えば、序盤でロボットでカニの動きを真似て、カニのように壁を登る場面があるんだけれども、そういうところから動物の動きをそのままコピーできるという特徴があるのは、面白いところかなと。
物語の構成としては、ガン、鳥のガン。ガンの子供が卵からかえって、初めて見たものを後に意識する、要するにロボットを母として認識して、ロボットが鳥を育てるというストーリーの構成があって。結構すごい速さでどんどん成長していく話。
いいんだけど、まずこれ、キラリという日本語名、鳥に付けてるんだけども、これはこの名称じゃなくてもとの名前のままで、ブライトビルのままでも良かったとのでは思った。
ピンクシッポもピンクテイルで通じるだろ。
ちゃっかりしたキツネだからチャッカリなんて名前になっていたがあれもフィンクでいいだろ。
ガンの子供はブライトビルそのままの方がいいと感じた。ストーリー展開的にもブライトビルな感じもしたし、そういう感じの、結構鳥のリーダーになる男の鳥のストーリーって面があるから。
でも色々分かりやすくすると、なんか綺麗で可愛いキラリという名称になったんかなという意図は、分からないでもないけど。もうちょっと何かね。
ただ、原題ワイルドロボットから野生の島のロズにしたのは、良かったんじゃないか。ワイルドロボットという感じは間違いではないんだけれども、ちょっと日本でいうワイルドと言うには優しいイメージがあるロズ。
これは一応女性ロボットで、母親だという事があるので、だから、日本語タイトル自体は悪くはないとは思う。
動物の種類は熊が1頭だけいるとか、意外と虎とかライオンがいないんだな的なのは、色々なバランスを考えてこういう感じになったとは思うんだけれどもちょっと不自然なかんじはした。
動物達からは、このロボットが怪物だと言われて恐れられ嫌われるというところが最初の方で丁寧に描かれている。
それでもこのロボット自体はめげずに動物達を助けよう、冬になってすごく寒くなったら自分の体の家でみんなを包んでやろうというところがあり。キャラクターの良さをみせている。その経緯自体は割と丁寧ではある。
けども、全体的に何か足りない感じががあった。
例えば動物の種類はもう少し多くてもいい。あの小屋におさまるサイズ感という印象は与えない方がいいから。
例えばロボットの種類ももっと多くていい。攻撃ロボット対ガンの群れは結構見応えあったので。
あとラストは結局自ら工場に行くんかという感があったので。なら工場にとらえられて記憶なくして新品になりかけたが動物達が助けに来て記憶取り戻して皆で暴れて島に帰る展開で良かったと思う。多分最終決戦地をあの島にしたかったんだろうけど。
色々書いたがこのまとまり具合だからこそ見やすくなってる気もする。