「ロズの“渡り”」野生の島のロズ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ロズの“渡り”
普段これ系の海外CGアニメはあまり観ないのだが、繰り返し予告を見るうちに気になって鑑賞。
島の動物たちが思ったより野生で弱肉強食してたり、序盤のロズが動物たちからすれば相当ホラー。
このへんがコミカルに描いてあったのは良かった。
しかし全体で見ると、やりたいことは分かるけど薄いなぁ、という印象でした。
ロズが心を得ること、キラリの成長と親子の絆、利用することしか考えてなかったチャッカリの変化と友情…
主となるこのあたりですら、描ききれていない。
サンダーボルトの指導はまだしもクビナガの死は要る?
その他の動物たちは吹雪からの救出でまとめて味方に。
それでいてクライマックスで主に活躍するのがこのモブたちと、分かりきったパドラーの伏線だし…
導入に動きを出すためであろうドタバタを削って、何かしら濃く描けなかったものか。
子供向けの色が強いので、カニの動きだけ真似しても崖は登れんだろ、とかは言わない。
諸々のリアリティラインはかなり下げて観た。
でも、最後あんなに仲良くなったら肉食動物たちは餓死するしかなくないかな。
弱肉強食が描かれていたぶん気になってしまう。
戦闘しといて結果が特に変わらなかったのは、心持ちの問題ということで理解はするが好みではない。
そして島に戻る場面でなくキラリが会いに行って終わるというのは、なんか違う気がする。
映像の色彩や動きなんかはとても魅力的で、綾瀬はるかの声や演技はハマってたし、他キャストも違和感はなかった。
脚本面だけが、対象年齢を差し引いてもイマイチかなぁ。
ピンクシッポの子供たちがまったく成長しないのは、あれで正しいんですかね。