「野生が足りない」野生の島のロズ 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
野生が足りない
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ロズが徹底的に感情がなく、これはすごい腹の座った表現だぞと見始めたら、キツネが卵を口にくわえて何度も取り逃がすところで、おや?となる。さっさと割って食ってしまえばいいのにロズに取り戻される。するとどんどん表現がぬるくなっていく。子ども向けなので仕方がないのだけど、野生や自然の無慈悲さが皆無だ。ロズの建てた小屋に動物がみんな集まって一冬過ごす。お互い全く食い合うことなく、食物連鎖を理性で乗り越える。野生や自然に理性や人間の性善説の押し付けだ。気持ちが悪い。
ストーリーもとってつけたような盛り上げ方だ。特にロズを回収に来たロボットは感情がないと言いながらやたらと怒りっぽく、山火事を起こすなどの無能っぷりで、賢いロボットに見えない。
CGアニメの表現のクオリティは極めて高い。里親映画でもある。
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