「たぶん予想よりずっと面白いです。」破墓 パミョ sokenbiteaさんの映画レビュー(感想・評価)
たぶん予想よりずっと面白いです。
同じ監督の「サバハ」がイマイチな印象だったので見る前は半信半疑だったのですが、見て良かった。
世間に流れてるイメージ(ていうかあまり流れてもいないけど)の100倍は面白いと思う。
見て損はないとかそんな消極的な勧め方でなしに、面白いから絶対見て!と言いたい映画です。
実はかなりの大作だし、役者も第一線の人が出てると思うし、韓国で1200万人動員というのも伊達ではないと思います!
日本の扱いが微妙みたいなコメントもチラホラ見かけたけど、どこが!?って感じです。
そんなこと全然ありませんので心配しなくていいです。
これで反日的な意図を汲み取るなんてのは、釣鐘に国家安康と書いてるから家康を切り離して呪ってるんだと難癖つけるようなもんで、お前大坂夏の陣の時の徳川家か!と言いたい(笑)。
日本の要素や日本語のセリフが多いのは逆に楽しかったけどね。
まあヴィンラン的なやつなんだけど、めちゃ強敵で怖いし。
昔の武将の怨霊的なやつの中で過去最高レベルに怖強だったと思う。
この辺の話はなんというか、ストーリー的には二段ロケットの二段目的な感じなんだけど、そっから先はほんとに二段目に点火されたみたいに見ててワクワクしたし、主人公たちやられちゃいそうでめっちゃドキドキしました。
あと思ったのが、韓国のお祓いやおまじない的なやつは、やっぱり日本のそれと雰囲気的に近いものがあって、そこに思った以上に親近感を覚えるということ。
土地というか「地」に関する話であることもあって、なんかこう日本としてはやっぱり地面が隣り合って繋がってる国というか、山の情景とかも日本のその辺の山にすごく似てるものを感じたし、日本人は欧米とかの人に比べても、より面白さを感じられる映画だと思う。
登場人物のキャラクターもいいですね。
現代に調和してる呪い師というか、現実世界の中で普通に仕事してる感が不自然なく出てて(祈祷のときヘッドホンマイク使ってたりする)、それでいてその道のプロ感もすごくて、お祓いの場面とかのはまり具合も半端ない。(巫女の彼女の動きかっこいいです!)
主要メンバーのチーム感もいいね。
特別なつながりとかあまりない感じなんだけど、いつの間にか無理なく連帯してて、見てるこっちも素直に応援したくなりました。
あと巫女さんのお祖母さんが!!(具体的なとこは伏せます!)
ストーリーとしてはタイトルの通り、大雑把に言ってお墓の話なんだけど、そうすると自然と亡くなった人や先祖とかの話になっていく訳で、それってある意味死んでいった人たちに重きを置いてることになるんだなと思った。
それはその人たちの生きていたことに思いを馳せるってことで、、それは逆説的に今を生きる我々の生を大事に思うってことにもなるのかなと、何故かしらそんなことまで考えてしまいました。
それだけキャラクターが生き生きしてて、今目の前に展開しているストーリーに夢中になれるものだったからなのかなという気がします。
とにかくほんとに多くの人に面白い映画としてオススメしたい一本です!
※釣鐘の話は、これ書いた後ちょっと調べたら最近は完全にこじつけでもないってことになってるみたいで、、例としてはよくなかったかもですね。
要は受け取るべきメッセージは「今ここにある平和壊させてなるものか!」てことで、あの巫女さんが悪霊に対峙して、恐怖に堪えながら言う台詞は、そういうことなんじゃないですかね。
その思いは日本も韓国も同じなんだと自分は思いました。