劇場公開日 2024年10月4日

「40年前に持ってた。」HAPPYEND t2lawさんの映画レビュー(感想・評価)

3.040年前に持ってた。

2024年10月4日
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鑑賞方法:映画館

坂本龍一のライブドキュメンタリー『オーパス』の空音央監督作品。ドキュメンタリーの静謐なモノクロ映像が緊張感(坂本の命を削っているという)に溢れていた。よって、本作も期待した。
結果、がっかり唖然だ。
多国籍な生徒が集う高校3年生の教室。仲良し5人組。大人の社会は行き詰まり、抗議デモも暴徒化している。そんな中、学校にAI監視システムを導入して生徒の監視を始める。未来に明るい希望を持てない生徒たちの閉塞感。なんとか突破しようと行動する子供たち。
やや!どこかで似たような!そう、僕らの世代は『台風クラブ』(1985年)をすでに手にしているのだ。主人公らの置かれているシチュエーションは、40年前とは遥かに違うものの、その「大人たちに顧みられていない」という閉塞感は、若者の共通。しかしこれは、一種のイニシエーションなのだろう。
そんなわけで、40年前のマスターピースがある以上、僕は2本目の(令和版の台風クラブ)は、不要だ。

t2law