「突然はじまる三文芝居」天文館探偵物語 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
突然はじまる三文芝居
オープニングから70年代か80年代の探偵ものの雰囲気なんだよね。
そこが面白くて観ていくの。
なんかベタベタな展開だなと思ってたんだけど、誘拐した子供を取り返しにいくと誘拐犯が「いいから連れてきな」って返してくれるんだよね、その辺でなんか「お?」と面白くなりそうな気がしたの。
でもそれは気のせいで、そんなに面白くならないんだよね。
大原優乃のお兄さんに会いに行くけど、このシーケンス丸々いらないしね。
それで、この辺から、唐突に三文芝居が始まるシーケンスが出てくるの。
お兄さんに会いにいくところで「歓迎されるわけないだろ」「今まで歓迎されたことなんて、ありませんから」って突然、険悪になるんだけど、なるかな、そんな急に。
それからなんだかんだやって、川沿いあたりで話してるときに「そんなんじゃねえよ」って突然、主人公が感情的になったりすんのね。正義感とかそんなんじゃないって言い出して、実際にそんな急に怒り出す人いたらビビるな。
それでバーで話してると主人公が「そんなんじゃねえって言ってんだろ」って、なんか親友に隠し事してるんだって、過去のかなり深刻な事情を突然語り始めて、さらにビビるね。
そのシーンの前に「商店街の(再開発反対の署名は)取り下げてください」「説明会に押し入って乱暴な発言があったと聞きました」ってのがあるんだけど、説明会に押し入ってないからね。説明会後に駆けつけて、ちょっとやり取りしただけで。編集でシーンがおかしくなってるな。
全体のストーリーとしては、天文館の再開発を狙う西岡徳馬を主人公たちが頑張って止めるという話に最後はなるんだよね。
それで、再開発止まって、まあハッピーエンドなの。
なんで再開発止めるかっていうとね「天文館では多くのシングルマザーが、シングルマザーであることを隠さず夜の街で働いてる。それを皆が支えてる。そんな街、他にあるか!」っていう一言に西岡徳馬が心を動かしたからなの。
その一言で止まる? ほんとに説得材料はその一言だけなんだよ。そんな街、他にもありそうだしね。
なんかシングルマザーっぽくて、夜の街で働いてるっぽい人が意味なく出てくるなとは思ってたんだよね。そんな取ってつけたようなシーンが西岡徳馬を説得する唯一のネタだったとは。
そんなこんなで脚本は弱いんだけど、観ていられるのは大原優乃の力が大きいね。
台詞少なめで「困ったな」という表情してるだけなんだけど、その表情が役に合ってる。
大原優乃はいい女優になってるね。
あと、この作品は予算的にしょうがなかったのかも知れないけど、諸江監督は、脚本は他の人に頼んだ方が良いと思ったよ。
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