ぼくとパパ、約束の週末のレビュー・感想・評価
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ヨーロッパのサッカー熱の迫力
つい最近、荻原浩の『砂の王国』を読んだ。ある人物が「残念ながら心にかける眼鏡や補聴器は存在しない」と言う。その言葉を思い出していた。
橋本治の「目が不自由な人」との言い換えに対して「そうじゃない、そんな彼らが自由に生きられない社会の方が不自由なんだ」との言葉も。
もっともっとみんなが変になって、それぞれの「変さ」を認め合えるようになると良い。社会そのものが「眼鏡」や「補聴器」の役割を担えるようになる。それが「発展した社会」なのだろう。
そんなことを考えて(泣きながら)見ていた。
上司が最高✨
素晴らしい作品です
心無い人と優しい人
今や自閉症の人が登場する映画は珍しくなくなった。まだまだ彼らに対する理解が深まっているとは言えないが、様々な描き方がされるようになった。本作では、ジェイソンが感じるもの(どう見えて、どう聞こえて、どう考えるのか)に焦点を当てている描写が印象的だった。マイルールが破られたときに取り乱す様も、そんなことを踏まえると受け入れやすくなりそうだ。本作でたびたび登場する、ジェイソンを拒絶する人たちの言動もわからないではない。自分たちが想像できる範囲内で物を言えばそうなってしまう。そんな現状をうまく表現したシーンだった。完全には理解できなくても、ジェイソンがそのままでいることを拒否しない、心優しい人たちがたくさんいたことも印象に残る。
ジェイソンが推しのサッカーチームを選ぶための基準が独特なのも面白いところ。変なキャラがいないチームなんて果たしてあるのだろうか。キャラもいて、鳴り物が大音量で響く日本のスタジアムは、ジェイソンにどこまで受け入れてもらえるのだろうか、なんてことを考えてしまった。
推しのサッカーチームを見つける週末旅行の話だが、ドイツサッカーのことを知っていても、まったく知らなくても問題ない。サッカーのことはほとんど関係ないから。彼ら親子の関係性が深まる過程をとても愛おしく感じられればそれでいい。ただ、クライマックスに泣けるような大きな出来事が起こるわけではない。穏やかに温かみを感じる終わり方だった。そんな映画もありだ。
自閉症の少年が父親とサッカー観戦する事で徐々に自分の殻を破って行く感じのドイツ映画。 本年度ベスト!!
自分が年間20試合程度サッカー観戦しているので興味があり鑑賞。
ドイツの色んなスタジアムが見られてテンションが上がっぱなしだった(笑)
自閉症のジェイソン。
日常生活で様々な障害がある中、自分が推せるサッカークラブを探す為、父親と2人でドイツの1部から3部リーグ全56クラブのホームスタジアムで試合を観戦するストーリー。
ラストで本作は実話ベースと言う事に驚くけどジェイソンの為に試合に連れて行く父親、ミルコの行動力が素晴らしかった。
ジェイソンとミルコが訪れるサッカースタジアムが全て美しい!
各クラブのサポーターが歌う歌も様々で迫力満点!
特にドルトムントのサポーターが歌う「You'll Never Walk Alone」の迫力が凄かった!
自分が推しているJリーグのクラブでもこの歌をサポーターが試合前に歌うけど迫力が全く違った!
ミルコが働くハンバーガーチェーンもミルコに対する優しい対応が素晴らしかった。
あんな会社で働きたい(笑)
深夜、サッカースタジアムのピッチで寝転びながら夜空に出現するオーロラの美しさが印象に残る。
あんな体験が出来るのが羨ましい。
親子や学校との衝突がある中、ミルコファミリーが諦める事無くジェイソンと共に成長する姿が素晴らしかった!
鑑賞後、近くの人が「サッカー生で見てみたい」って言った言葉が何故か嬉しくなった!
自閉症のジェイソンを演じたセシリオ・アンドレセン君が素晴らしい演技が印象に残る。
個人的には主演男優賞を差し上げたいです( ´∀`)
自分じゃあんなできない…
接してみないと分からないもんだな
『僕が跳びはねる理由』でなんとなく自閉症について知ったけど、実際に接したことがないと分からないことも多い。
本人に悪気はないし、親も大変というのも理解できるのだけど序盤の、お前らが合わせろとでも言わんばかりのお母さんが若干モンスターっぽく感じてしまい、ちょっと辟易。
バス停でのコトも説明すれば分かるのに、あんな怒鳴らんでも。
音に敏感なのにサッカー観戦とは、と思ったら実話なのですね。
入場のボディチェックは、ジェイソンにとって大きな一歩でグッときた。
笑えるエピソードもあり、微笑ましい場面もありつつも、おぉい!ってのも度々あるから、相反する感情が行ったり来たり。
後半になって、お母さんも表情が柔らかくなり、ジェイソンも少し成長して良かった。
何よりお父さんの会社が理解ありすぎでドイツらしいというか、日本にはなさそうだなぁ。
自分の理解が追いつかない部分もあるけれど、良い映画だった。
残念なマスコット…確かにね…いやカワイイけどね。
家族の愛の話
自閉症の息子とどのように向き合うのか。の家族(主に父)話。
こだわりが強くても、物事を天秤にかけて合理性や事前説明があり、我慢できると思ったら我慢できることもある。そうするとやはりしつけの問題なんじゃないの・・・?と思ってしまう周りの気持ちも分かるな~って思った。つきっきりのお母さんが「愛しているけど辛い。」って本当に辛いだろうな。と。辛いし、そう思ってしまう自分も嫌で辛いだろうし。でもそれは障がいを持っていなくても反抗期などで辛いときもあるし、多くの親がとおる辛い瞬間なのかも。障がいの場合は瞬間ではなくずっとかもしれないが。
でも、作中でもあるが、「解決してよ!!!!!」を出来る人がいなくなった時どうなるんだろう。他人の気持ちは分からないけど、自分の気持ちは分かって欲しいって、心に余裕があり、さらに大人にしか出来ない。共感は求めて無くても自分のしたいことはしたい!だとそりゃ~世の中生きにくいよな。と思う。障がいだから仕方ないんだけどね。難しい。でも映画の中には概ね優しい人しか出てこないからハッピーな話。
男の子の視点
ドイツにて。自閉症の少年と、その家族の物語。 どのサッカーチームを...
ドイツにて。自閉症の少年と、その家族の物語。
どのサッカーチームを応援するか決めるため、
ブンデスリーガ1,2,3部の全56チームを、
すべて現地で観戦して回ろうとする様子。
勉強熱心で賢く、頑固で、決めたことは絶対に譲歩せず。
自閉症あるあるかもしれませんが。
近くにいると、疲れることも多いでしょうが
自分の言葉で意志を都度話せるところには、感心するのみです。
(日本人だと、自分の考えを自分の言葉でよどみなく言える場面、ほぼ見かけませんよね。老若男女問わず。)
いちサッカーファンとしては、
さまざまなスタジアムや応援模様が映るところ、
眺めるだけで高揚感がありますね。
観客や施設をみて、本場の長年の積み重ね、端々から感じ取れました。
テレビの前で、一家三世代が集う、
4部リーグでは、照明施設が折畳み式でも、公式戦開催可能、
ナチス時代の建造物を、そのまま利活用したスタジアムもある、
入場前に、手荷物はコインロッカーに入れる、
など。
パパの推しチーム Fortuna Düsseldorf の帽子に、日本語の平仮名 "ふぉるとぅな" が刺繍されているのにも驚き。
旅行好きな目線では、駅や列車内、車窓なども、高揚感を抱くところです。
(私事ですが、ドイツには過去に2度行き損ね、まだ未踏のままです。)
原題 "Wochenendrebellen" すなわち "Weekend Rebels"
男の子のやんちゃぽくて、無性に好きです。
拍手。
自閉症の子を持つという事とは。。。
24-132
実話を元にしてたとしても創作は入るし、 症状は千差万別と分かっては...
実話を元にしてたとしても創作は入るし、
症状は千差万別と分かってはいるものの、
ちょっと都合の良い症状に思えてしまった
それに気付かなければ3.5か4でも良かった
未だ探し続けているそうで、
それは応援したいです
まさかの実話…
かなり微妙
バディ物 / ドイツのチャント(魂の歌)を聴け!
歓声と熱狂!!スタジアムの圧!!
グッバイレーニンといいドイツは家族愛の描写が上手い。
流石ドイツ🇩🇪といった感じ
自閉症啓発映画かと思っていたら騙された
ドイツ、熱狂、家族愛、地元愛、旅行、成長、自己選択、責任とは、異文化、なによりテンポの良さと皮肉の多さ! 哲学少々...
地元愛っていいね!家族愛を拡大すれば地元だろ!?
スポーツ観戦が好きな人に勧めたい。ドイツ人のサッカー愛と圧を感じて欲しい
飽き性故にテンポの良い映画だけ見たい私のような方にも勧めたい。たった110分。丁度よい長さ
タイトルや題材から家族愛は当然として...
個人的にはスポーツ仲間や学生時代の部活仲間、意外と会社の同僚と見たいと思った。バディ映画的なのりの良さがある
馬鹿やっていた若い頃の気持ちを思い出したり、仕事に追われている今の自分と重ねてみたり、どちらも否定されない働く大人に優しい良いストーリー
父親が四苦八苦しているのでご夫婦やカップルで見に行くのも良し?奥様方は日頃の溜飲が下がり夫婦仲の改善に一役買え...るかもしれない。知らんけど
概要
ひとりひとり違って素敵、という福祉的な話よりは障害健常関係なくその人個人の快不快が生きる喜びや根源でありそれ故の個々人の価値観や幸せ、的な今流行りの自己理解やマインドフルネスっぽさを感じた。知らんけど
掴みの映像美。
目まぐるしく行われる試合のテンポの良さ。
英語のロックミュージックとドイツ語のサポーターの応援歌が混在していてバランスも良かった。
息子の言動にはヒヤヒヤしたけど元々そういう題材だし、それより息子のひねくれた(ように聞こえる。本人は至って真面目な)一言や、皮肉や冗談が沢山あり笑いどころが多く楽しい。
シリアスなシーンにもどこかしらに笑いどこが含まれていて終始楽しめた。
科学の話や時折入る哲学な話と構成、難解な息子の発言に悩んだり(自閉症の息子の考えや立ち位置が容易には理解できなかったので頭を使う程よいプレッシャーになって良かった)、家族愛に感情を掻き立てらて、思考とエモさも良いバランスだったと思う。
息子も父も祖父も皆演技が良い。欧州の子役は上手なイメージがあったが、期待以上で驚いた。
1.5h結構あっという間だった。
結論、とっても楽しい映画。
個人的な笑えるハイライト
・パパの推しチームの帽子にひらがな発見に笑顔
・パパがシャイセ(物理)で笑った
話は単純で想像がつくこともあるが、宇宙の話も一人ひとり違って同じにはなれないようにも感じたり、オチも起点とよく合っていて、ストーリー構成は理論的で無駄だと思うシーンがない映画だった。
矛盾なくカッチリした感じは流石ドイツといったところなのか
(星に関してはやりすぎな気がするが実態を知らないので...)
前半の勢いの良さからはちょっと意外な余韻のある落とし所だった。
息子が問題を起こすシーンを別にすれば、ヒーローのポジションは父親や祖父ではなく、エレベーターの中で戦う息子が私達のクソな常識やシャイセな価値観をヒロイックに壊してくれることだと思う。
檻の中に居るのは彼らではなく私達かもしれないと前向きに教えてくれたように思う。
私達も普段から自分の楽しみや不快感にもっと素直に自由になって良いのだろうなと思った。
ドイツや欧州人のライフワークバランスの良さは、子供のように熱狂できる場所があってオンオフの切り替えが容易な社会に支えられていて、それも障害の人の生活のしやすさに一役買っているのでは?などと考えさせられた。
登場人物の誰に共感しても面白く出来ていてとても良かった。
その他
日本語訳がストレスフリーで助かった!
最後のパパとお父さんの呼びは方は変えてもよかったかな。しらんけど
皮肉をこれでもかと多用しているところを考えると、息子のグリーンな発言は風刺にも感じた
試合の臨場感と主要な役者の演技が良かったので観客席の雰囲気の落差や間がもう少しリアルだったら...と及第点か
アメリカ映画イマイチで他の国の外国映画が思い白い法則があるのかと思う程最近は良い映画に当たる。ある意味満足できる映画のエンカウント率が上がっているので幸せなのかも
全ての教育者、親に見てほしい
確かに経済面でも職場環境(上司)にも恵まれているが、それを差し引いても余りある両親の愛情に支えられたなかで「成長」して行く自閉症児を見事に表している。子役の迫真の演技もすごい。
そんな中で本作は、子供(人)を育てる時に最も大事なことは、「指導」することではなく「受け入れる」ことだと教えてくれた。多分障害児に限ったことではなく普遍的な原理なのだろう。作中ではそこに至るまでの家庭、世間、学校などの無理解や反感もあり、両親自身も「正義の味方」ではなく、それなりの葛藤もあったことが丁寧に描かれている。
エンドロールで実話であることが紹介されるが、この物語を「恵まれた例外」にしてはならないと感じた。障害に限らず欠点のない子供(人)はいないのであって、それを「指導」するのではなく「受け入れる」ことで見えて来る世界がある。
ドイツ映画は深いものが多いが、本作は特に秀悦。
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