「似ているようで全く違う3部作」MaXXXine マキシーン エカシムロさんの映画レビュー(感想・評価)
似ているようで全く違う3部作
“ナイト・ストーカー”ことリチャード・ラミレスは劇中の舞台となる1985年にLAを恐怖に陥れた有名な実在の連続殺人鬼。
作中、マキシーンを追うナイト・ストーカーの正体が明かされて事件が終わった後、実際のナイトストーカー(ラミレス)が逮捕されたニュース映像も入るので、こっちのナイトストーカーはラミレスの模倣犯で2つの事件は並行して起きてた、ということみたいだ…正直、ちょっと混乱した。
さて、70年代の『X』から時代が変わって今作はコテコテの80's調。犯人の描写や殺人シーンは完全にジャッロ映画風。マキシーンは既にXでの事件で開眼しており、『パール』のように狂気に堕ちていく展開を期待していくと肩透かしを喰らうかもしれない。よく考えれば他の登場人物たちも多くが欲望塗れで良心のタガが外れた人物だが、それが80年代という時代と言われればその通りな気もする。
パールが果たせなかった「スターになる」という夢をマキシーンが血塗れになって叶える、というのは3部作の帰結としては至極まっとうな着地かなと思って帰路に着きました。
ところで、劇中の「ホラー映画出身のスター」には名前が上がらなかったケビン・ベーコンは『13日の金曜日』を経て84年には『フットルース』が大ヒットしたはずだが、あの世界線にはベーコンは存在しているのかしら?
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