「1985年に行って撮影して来た様な再現度!」MaXXXine マキシーン かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
1985年に行って撮影して来た様な再現度!
ミア・ゴスが凄い!
馬鹿っぽい喋り方といい、ファッションといい、本物のポルノ女優にしか見えません。
駆け出しのポルノ女優を演じた「X」とも違う雰囲気をきちんと醸し出しており、80年代に活躍したリンダ・ラブレースやマリリン、チェンバースが憑依しているかのようでした。
そうした彼女の雰囲気に拍車をかけたのが、全編に漂う1985年の空気。
ノイズの入るビデオ映像は勿論、TVモニターに映る元祖「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」のレーガン大統領や映画「グリーン・ドア」、そして雑誌「FANGORIA」やコーラのデブ缶といった細かな小道具に至るまで85年を再現しておりました。
そして何より驚かされたのが、本作に散見される様々なホラー映画へのオマージュ。
アルフレッド・ヒッチコックに始まり、ダリオ・アルジェント、ブライアン・デ・パルマ、ディヴィッド・クローネンバーグ、更にはマリオ・バーヴァに至るまで、様々な形で作品の中に顔を出してました。
しかも全てが85年以前の監督、若くは作風に絞られており、映画の雰囲気を壊す事なく利用されてました。
天晴れです!
更に、1985年のアメリカといえば、悪魔の存在をマジで主張する輩が溢れ返った時代でもありますからバックグラウンドを知って観ると深く楽しめるかもしれません。
エンドロールの終わりにはちょっと洒落たオマケ映像があります。
80年代に足しげくレンタル店に通って人には笑える仕掛けになっていますので、最後まで席を立たない方が良いかもしれません。


