「American」MaXXXine マキシーン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
American
A24配給の作品の中でもど直球なグロで攻め続けるこのシリーズも堂々最終作。
前作の「Pearl パール」にある意味魅了されたのでかなり期待値高めで観に行きましたが、ジャンルがガラッと変わっていてこれでは無かったな…感強めの最終作で首を傾げながらの鑑賞になりました。
時系列的には「X」の後にポルノ女優として名を馳せたマキシーンがハリウッドスターになるためにスクリーンに足を踏み込んでいく中で、「X」の時の事件を知る人々や殺人鬼が出てきたりとで謎めいた展開になっていくという感じでした。
前作や前々作よりも控えめなスタートなのでちょい不安でしたがしっかりその不安は的中しました。
前2作もストーリー面はそこまで強くなかったんですが、ビジュアルの良さとド派手な展開と種明かしの面白さで攻め続けてくれていたんですが、今作はシンプルなミステリーにマキシーンをはめてしまったがために爆発力が足りず、ハリウッドへの愛も元ネタの分かるやつと分からないやつが入り乱れていて、ハリウッドの歴史に詳しくないのもあってちんぷんかんぷんな部分も多々ありました。
連続殺人鬼なんかも予想通りも予想通りそのままでいくのでやっぱし歯痒かったです。
全体的にグロテスクな殺戮シーンが少ない&そこまで派手ではないのが1番ガッカリポイントでした。
前2作も特別多くないにしろ、マキシーン&パールが活き活きしながら殺し回ってましたし、その後の笑顔なんかも狂気じみていて素晴らしかったのに対し、今作はどこか淡々としており、なんならマキシーンが直接手を下さない流れなんかもあったり、流れ弾によって被害者が出たりと物足りなさ全開でした。
ただ一発目のタ○○マ潰しは流石に肝が冷えました。勘弁してくれぇ…。
あと鍵を用いてのメリケンサックはアイデア的には良かったのでもっと観たかったです。
車ごと潰すのも面白かったんですが協力者込みなのもあってちょっと弱い気がしました。
役者陣は盤石の布陣で挑んでくれているのでどの方向でもうまいこと起因してるんですが、やはり狂ったミア・ゴスを観たかったというのが本音です。
全体的に音楽は素晴らしく、サントラは思わず聴き入ってしまうくらいにはオススメです。
ハリウッドへの熱意、女優としての覚醒、殺人鬼とのミステリー等々が優先されたせいかこのシリーズの良さがどこかに行ってしまったかなと思ってしまいました。
3作それぞれ違うジャンルの映画ではあるので、それぞれのアプローチには成功したと思いますが締めでこれは流石にミスチョイスだったのでは…となりました。
狂った後に落ち着かれてもしょうがない、これ教訓です(すっとぼけ)。
鑑賞日 6/6
鑑賞時間 17:30〜19:15
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。