劇場公開日 2025年6月6日

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「A24発ヒロイン有終の美」MaXXXine マキシーン regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 A24発ヒロイン有終の美

2025年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

トビー・フーパー監督作にオマージュを捧げた『X エックス』、『オズの魔法使』風テクニカラーミュージカルを意識した『Pearl パール』と、作品のテイストを変えてきたA24の人気ホラーシリーズ。シリーズ完結編の本作では、80年代の町中にVHSビデオレンタル店向けに大量に製作されたスプラッターホラーの様相を呈している。
本作の主人公にして『X エックス』唯一の生存者マキシーンは、ポルノ業界出身と蔑む有識者のターゲットにされる存在。しかし彼女は野心と自信を武器にスターの座にのし上がっていこうとする。一方で、そんな彼女を主役に抜擢した女性監督のエリザベスもまた、男性社会が色濃いハリウッドを変えようとする1人。『サブスタンス』同様、本作はそうした世間のパワーバランスに抗う女性達の物語だ。ケヴィン・ベーコンが例によって信頼できる脇役ぶりを発揮しているのも見逃せない。
過去2作よりスプラッター度は抑えめなせいか(いや、そうでもないかな…)、本国アメリカの興収は芳しくなかったようだが、「私らしくない人生は受け入れない」と豪語するマキシーンの有終の美を飾るにふさわしい一作。

regency