グラディエーターII 英雄を呼ぶ声のレビュー・感想・評価
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英雄譚
綺麗なというか、出来過ぎた続編というか…剣闘士がローマ帝国の王になる話。
冒頭が絵画のようなアニメーションで始まる。驚くのがその絵を観ながら「格式」なんて言葉を想像した事だった。
で…勿論、その格式に恥じない内容だった。
まぁ、とにかく規模が凄い。
コロッセオを建てたって逸話も聞く。世界観を再現する為にどんだけの資金を投じたのかと思う。
物語は至極単純で一本道なのだけど、その世界観の再現度に舌を巻く。エンターテイメントと言えばそれまでだけれど、前作のように語り継がれる名作のような要素は薄いと思われる。
ただただ圧倒的な美術群に呆然とする。
物語の筋も背景もしっかり把握できて、見応えなんかもあるのだけれど、感動するかと言えばそうでもない。なんだろ、綺麗な幕引きであったとは思う。
コロッセオに水を張って船を使った海戦を見せられるとは思わなかったのだけれど、作中のローマ帝国の隆盛を語るにはもってこいのシーンだった。
鮫まで放して馬鹿げてるのだけれど、あんな設定をも飲み込める程の世界観ではあったなぁ。
捕虜が剣闘士に登用される流れも不可思議ではなかったし、闘い方とかも説得力はあった。
その他諸々、落度はないのだけれど…なんか食い足りない。アレだけのものを見せられてもお腹一杯にはならなかった。
あ、自分の本名をルシアスだと明かしてからは盛り上がったかなぁ。とうとう帝国をひっくり返すのだと思えたし、それに爽快感を見出す為の種がいっぱい蒔かれていたのだなと思う。
とにかく規模が凄かった。
再現度って言うのか、こだわりと言うのかは分からないのだけれど、圧巻の古代ローマだった。
歴史絵巻な感じだ。
大昔、CGなとばなく、全て作らなければならなかった時代の「クレオパトラ」とかのテイストに似てるのかもしれない。
リドリーSの壮大な趣味映画
グラディエーター2の話を最初に聞いた時は、あらすじを読んでも薄っぺらい印象で全く期待をしていかなかったがコロッセオでのかの有名な模擬海戦が描かれていると聞き、鑑賞。
確かに、模擬海戦(サメは少しやりすぎじゃないと思ったが、エンターテイメント性としてはいいのかな…)やリドリー・スコット監督がグラディエーター1の予算の関係で断念したというサイを使った戦いのシーンは興奮したけれど、あっという間で「え、もう終わり?」の印象。
ストーリーも、1の焼き回し感があり、主人公の魅力を出しきれていなかった。1であれだけ登場人物の心情を細かく複雑に表現していたのに、2では、キャラへの魅力を感じられるシーンが少なすぎたと思う。グラディエーター1の魅力の一つは、巨大なローマとその陰で揺れる人々のロマン、歪んだ感情、私利私欲に苛まれるる人間の心情がぶつかる暑い戦いシーン。それが2には観られなかった。ストーリー性としては面白いポテンシャルがあるのに、長編小説を無理やり映画にしたような、もったいないシンプルさがあった。ここまで登場人物の心情を描かないなら、個人的にはいっそコロッセオの歴史的建造物に関する歴史的なストーリーやローマ人の心情をぶつける映画にしてほしかった。
期待ハズレなところは多かったけれど、初めの戦闘シーンやサイのシーン(やったね、リドリー・スコット!)、1で描ききれなかった興奮シーンがてんこ盛りで、リドリー・スコット監督が満足できる続編に仕上がったのではということに対して、星3。
【こんな人にオススメ】
・グラディエーターの世界観が好き
・コロッセオの暑い戦いがまた見たい
・マキシマス・デシムス・メリディアスが大好き♥️な人
前作が良すぎるからね。
パート2は凡作。
前作が傑作、そしてスコット監督が再び、と期待して情報なしで初日に行った。
映像も役者も素晴らしいが、脚本が受け入れられない。
CG丸出しの巨大ヒヒとの格闘、闘技場に水をはり鮫が泳いでいる船上の決闘、
SF映画じゃあるまいし、古代ローマのコロシアムにプールを作る?どういう事?
スコット監督もこの点は悩んだと思う。こんな事していいのか?と。
この2点が特に興醒めさせられた。
D.ワシントンが最後に川の中から再び背後を襲うクライマックスを予想したが、そうはならず、安心と、どこか肩すかしを食らった感じ。
アメリカアクション映画には必ず起こる、悪役の最後の悪あがきは無かった。
主演男優の声の出し方がS.スタローンを思い出させた。
前作の興奮が蘇る
前作は視聴必須
ゲタとカラカラ(ポケモンみてぇな名前)の
双子にローマは支配され…
「あれ?ルシアスは!?」と思うが
それについては途中でどうしてそうなったかは分かる。
ん?なんでコロシアムで戦うのに船を漕ぐ特訓してんだよ?…
「今日は海上戦を再現する!!」
コロシアムに溜まる海水
泳ぐ鮫!
こんな国営の派手なエンターテイメントショーやってたら財政圧迫するに決まってるだろ!!(あと各地にローマ軍を派遣して侵略戦争してるのも原因)
実は鮫映画だった…?
奴隷グラディエーター「ハンノ」から
ローマ帝国の真の皇帝の後継者「ルシアス」に戻るまでの英雄譚
前作のマキシマスみたいにコロシアムの砂を手で掴むのも熱い!
パンフレットは…作られてもいないだと!?
見なければ良かった
前作のリマスター版を見て、期待が高まっていただけに、非常に残念な内容でした。正直、とてもつまらなかったです。
まず、予告編で重要なネタバレをされてしまったのが悲しかったです。物語の展開が大体予測できてしまいました。また、設定が理解しづらく、双子の存在や犬のような猿、サイ、サメといった登場生物には違和感を覚えました。物語に没入するのが難しかったです。
登場人物たちの背景も浅く、感情移入ができませんでした。特に、ルシアスがマクリヌスの息子だという設定には無理があると思います。共感どころか違和感しかありませんでした。もし前作で殺された息子が生きていて、彼が主人公として物語を進めていたらどうなっただろう、と余計なことを考えてしまいました。
正直、この作品を観なければよかったというのが率直な感想です。前作のまま心に留めておきたかったと思いました。
うそだろぉおおおおおおおおお
楽しみにしていた正統な続編
前作もしっかり復習して挑んだ本作
鑑賞前からネタバレになっていたけれど
ルシアスがマキシマスの息子って設定が許せません(笑)
あんなに妻子を愛し慈しみ
木彫りの人形にちゅっちゅしてたのに、
ルキッラと浮気してたってこと?!
ルシアスとマキシマスの息子は同じ8歳って
前作で言ってたよね!!うそでしょ?!
そんな不貞な男にしないでよ、マキシマスを!!
てっきり、妻子を処刑する際、
哀れに思ったシセロが、身代わりを用意していて
本当の妻子は(少なくとも息子だけでも)
逃がしていたが、ローマが腐敗しまくってるから
息子を探していてそれが見つかった。
真のマキシマスの息子が現れ、ローマを救う!
そう思っていたら!
ルキッラの夫が男色家だったから
当時ルキッラは何人も男を囲ってただと?!
じゃあさ、本当にマキシマスとの間にできた
子供じゃないかもしれないじゃない。
なんだかマキシマスとルキッラの恋も
なんだか薄汚い感じになってる!!やだ、なにそれ!
と
腹が立って仕方ありませんでした(笑)
ゲタとカラカラはもう名前だけで笑えるし
コモドゥスほど邪悪さは感じなかったし
むしろゲタはなんだかかわいそうな人だったし
ドンドゥスって誰だっけと思ったわ🐒
マクリヌス(デンゼル・ワシントン)がそこまで
復讐したがる理由とかそっちのけで
衣装やコロシアムでのゲームにお金かけすぎです。
てか、なんでそこに海を作れるん?!(笑)
デンゼルのファンタジー
見応えあったけど、リアリティの無さを感じて白けてしまった。古代のことだから仕方ないところもあるだろうが、アクションシーンの不自然な展開とか、闘技場の猿とかありえなさすぎて面食らった。史実との違いは別にいいけど、猿のビジュアルがあまりよくなかったし、違和感がすごかった。でも金のかかった見ごたえのある映画だから、楽しめないということは無い。
よいところとしては、デンゼル・ワシントンがよかった。というか彼しか印象に残らなかった(笑)。長い映画なのに紙芝居を見ているような感じで、登場人物それぞれを印象付けるような語りや感情の高まりみたいなのが描き切れてなかったように思う。というか話が前作から変わってない感じがする。ルシアスが皇帝になりそうなところは違うけど、そもそも前作でマキシマスが権力に無関心だったのがとても高潔でヒーローらしかったのに、じゃあルシアスはどうすんだ?てなる。しかも剣闘士みたいな経験したら絶対、心病むし、ルシアスの明るい未来を全く想像できない(笑)。デンゼルのマクリヌスだけは演出のおかげなのか個人の力なのか一番面白いキャラに思えたし、続編作るならマクリヌスの若い頃の話でやったらどうだろう。
てか前作にも出てたデレク・ジャコビのグラッカスが今回も活躍してくれるのかと思ったけど、あっけなく殺されてとてつもなくがっかりしました。
違和感はあるけど
前作を復習してからのドルビーアトモスでの観賞となった。
私はその辺りとても鈍感なので、ドルビー劇場と通常料金の差額ほどには体験に実感の差を感じないのは情けないところ。
「これが本当の黒」の時点がMAXでした。
リドリー・スコット監督作品は苦々しい話も多い中、グラディエーターの一作目は分かりやすい勧善懲悪であり、悲劇でもあり、英雄譚でもあり、一粒で何度もおいしい作品で素晴らしかった。
正直、同監督とは言え、24年ぶりの続編がそれを凌駕するとは思っていなかったので、ハードルは多少低めで臨んだワケだが、結論からいうと、「まあ、そんな感じ」。
もちろん、2時間半程の上映中はずっとワクワクしたし、どんどん展開されるお話も面白い。
エンタメ作品としては「前作」というハードルが無ければ十分傑作の部類だと思う。
ただ、細かなところであちこち違和感があったのは否めない。
結局「マクリヌス」とは何者だったのか。
物語の大きな部分を司る存在なのに、どういう経緯で何をしたかったのかがよく分からない。
デンゼル・ワシントンはもちろん良いんだけど、ちょっと主役が霞んでしまうほど目立ってたのは気になった。
そして、この話の大きなポイントになる、「ルシアスの出自」の問題。
ルシアスがマキシマスの息子だと聞かされると、前作での泣きポイントだった、マキシマスの惨殺された妻と子供を失った悲しみが今になって「は?」ってなる。
こういう、続編で前作の感動が目減りするような設定はいかがなものか、と思わざるをえない。
今作のアカシウス将軍にとっては、奥さんに隠し子がいて、それを奥さんが必死でかばおうとするって話になるワケで、将軍カワイソって感じ。
あと、奴隷だったのに結婚指輪は持ってても良かったんだ、とか。
将軍の奥さんが、単身でグラディエーターと牢(?)の中で話すとか、他人からはどう見ても「何かある」と思われる不自然な行動なのに、白昼堂々会いに来るとか。
ラスト、マクリヌスを倒して両軍を前にルシアスが声を上げたシーンも、あの時点でみんなはルシアスが王族だって知ってたのかな。大半は知らないんじゃないのかな。
でも、そういう細かな違和感も、スクリーン上で起きていることにどんどん飲み込まれていく。
特にコロッセオでの死闘の数々は、どれも凄かった。
もう、あのヒヒの恐ろしいこと。
そしてなんと海戦まで!
カラカラとゲタのバカ兄弟もよかった。
十分アトラクションムービーとして堪能して、帰り道に「…あれ、結局なんだったんだろう?」という作品。
そう。
自分があのコロッセオの観客として観る限りは楽しめる。
ご都合主義だが大正解映画
蛮族の将軍捕らえてグラディエーターにしたら実は皇帝の血を引く唯一の王子でしたってか!
映画観る前からなんとなく主人公、ルシウスかな?って思ってたけど!
マキシマスの血流れてるだけあって強い!笑
めちゃくちゃご都合主義なんやけど、まぁ面白い!
そして映像すごすぎる!
敵の双子の王(ロムルスとレムス)もローマの成り立ちの起源の狼の双子なのもさすがリドスコ!
つーか、エイリアンロムルスは、グラディエーターの予告か?ってなる
凄すぎるぜリドクコ😳
最初の蛮族の王?がまさかのスパルタカスのオエノマウス!あっさり死んじゃったけど、この人全然変わってなくて笑った🤣
そんでペドロパスカルかっこよすぎやろ
何回か泣いたw
個人的には一番好きなのは海のコロッセオシーン!
これはBlu-ray買うの確定👍
ローマの夢
『グラディエーター』が映画界に影響与えたものは大きい。
世界中で大ヒットし、アカデミー賞5冠。ハリウッドに再び史劇スペクタクルブーム。90年代後半低迷していたリドリー・スコットは完全復活。ラッセル・クロウはトップスターの座を揺るぎないものとし、ホアキン・フェニックスも大きく注目される事に。
2000年代の幕開けと共に刻んだ新たな伝説。
続編の噂はもう随分前から聞いていたが、まさか本当に作られるとは…!
前作は完璧に完結。改めて見直したが、やはり素晴らしい!
安易な続編はそれこそローマ帝国の滅亡を招くようなもの。
しかし、剣闘士リドリー・スコットは再びコロッセオに立つ。自らの手で。
まず気になるのは、どういう物語で、誰が主人公か。
これについては徐々に情報が解禁されていったが、特に主人公の設定については公開まで伏せておいた方が良かったかもしれない。その方が驚きを持って見れたから。
でも、分かった上で見ても、これはこれで何かの因果に思える。
『グラディエーター』は前作でも今作でも、運命に翻弄され、抗い、信念を持って挑んでいくのだ。
ローマ帝国の偉大な将軍から奴隷へ。そしてグラディエーターへ。
マキシマスが愚帝コモドゥスに復讐を果たすも命尽き、先帝アウレリウスの“ローマの夢”を繋いだかに思えたが…。
16年後。ゲタとカラカラの双子皇帝により、ローマは悪政と腐敗が蔓延っていた。
アフリカ北部の国ヌミディア。妻と穏やかに暮らすハンノは、争いが起これば妻と共に戦地へ赴く勇敢な兵士だった。
ローマ軍が侵攻。その闘いの中でハンノは妻を失い、奴隷に身分を落とす。
ローマ軍将軍アカシウスに復讐を誓う…。
話の立ち上がりは概ね前作を踏襲。
が、この序盤は前作より遥かに弱い気がした。
前作は高々冒頭だけだが、マキシマスが如何に家族や故郷を愛していたか、コモドゥスへの憎しみが充分過ぎるほどドラマチックに描かれていた。
今回は似通っているように思えて、ちょっと淡白な感じが…。
前作が辿った道をこの温度で進んでいくのかと思いきや、前作を踏襲しつつもまた違った展開に。
奴隷となったハンノは闘技で秀でた闘いを見せ、商人のマクリヌスに買われる。
マクリヌスの商い手腕とハンノの力で、コロッセオへ。
グラディエーターとして、ハンノはアカシウスへの復讐に近付くが…。
…と、ここまでは前作とほぼ同じ。
アカシウスは前作のコモドゥスのような憎き復讐相手と思ったが、ここが“違った”所。
このアカシウス、マキシマスのような偉大な将軍なのだ。
歴戦の英雄。軍は忠誠を誓い、民から絶大な人気。気高い性格。が、双子皇帝からは功績は認められつつも、疎まれている。ローマや民の為に、皇帝へのクーデターを企てる…。
人物像はマキシマスのようであっても、ハンノにとっては仇。善と悪について考えさせられる。
マキシマスやハンノがそうであるように、アカシウスも妻を愛す。
アカシウスの妻というのが、何とルッシラ…!
アウレリウスの娘で、コモドゥスの姉。マキシマスとは愛し合った過去が…。
ルッシラにはルシアスという息子がいたが、彼は…?
今回の設定絡めた空白の期間。前作後、何があったか明かされる…。
コモドゥス亡き後、皇位継承争いに息子が巻き込まれる事を危惧したルッシラは、密かにルシアスをローマから逃がした。いつの日か再びローマに呼び戻す事を…。が、それは叶わず、16年の歳月が流れた。
ルシアスはやがてヌミディアに辿り着き、そこで成長し、勇敢な兵士となり、妻を娶り、名を変え…。
そう。ハンノこそ、ルシアスなのだ。
コロッセオの闘いで、母は息子に気付く。あの仕草…。
闘技後、ルッシラはコロッセオの地下室で、密かにハンノと会う。
母と息子の再会は、感動的なものではなかった。
母に見棄てられた事で、母でも息子でもない、赤の他人。寧ろ、愛妻を殺した将軍の妻。
拒むハンノに、ルッシラは父親について語る。
あなたの闘いぶりは父親のよう。父親もかつてコロッセオで闘った。最も偉大なグラディエーターとして。その名は…
マキシマス。
ハンノ…つまり、ルシアスはルッシラとマキシマスの間に産まれた子だったのだ…!
今回の主人公の設定が解禁された時、驚いたのがこれ。
マキシマスには故郷に殺された息子がいたが、何とルシアスも息子だった…!
前作で別の父親がいるとされていたが、確かにその辺はちと曖昧だった。ルッシラとマキシマスが昔恋仲だったのは前作を見てれば分かる。
この設定を知ってから前作を見直すと、マキシマスとまだ幼いルシアスの対面シーンに何やら感情が沸き上がる。果たしてマキシマスはこの事を知っていたのか…?
ちょっと強引な後付け設定な気もしない訳はない。
が、父と似たような道を息子が歩む。これを新味ナシと見るか数奇な因果と見るかで評価が分かれそう。
私は後者。因果めいたドラマチックな展開に、やっと物語も熱くなってきた。
民を沸かせる新たなグラディエーターとして、人気を博したハンノ。
遂に因縁のアカシウスと闘い。
前作のマキシマス対コモドゥスのような決着になるかと思いきや、意外な展開に。
前作はシンプルな復讐劇だったが、似通っていると見せて続編は同じ道を辿らない。
グラディエーター、将軍、その妻、皇帝、そしてもう一人。各々の思惑とドラマが交錯する…。
劇場大スクリーンで見るべきリドリー演出。
超大作は専売特許だが、待ってましたの『グラディエーター』!
アクションやスペクタクルは無条件で期待上がり、それに応えてくれた。
肉体と肉体、剣と剣がぶつかり合う闘いは勿論、前作はトラだったが、今回は別の猛獣“たち”。
人を噛み殺すほど凶暴なヒヒ。戦車のような巨大なサイ。極め付けはコロッセオに水を張り、人食いサメを放ち…。
本当にあんな凶暴なヒヒいるの…? どうやって水を張ったの…?抜いたの…? 実際にこんな闘技あったの…?
などなど疑問やツッコミも沸いたが、一対一のみならず、猛獣サバイバル、海に見立てた洋上戦など、さらに激化したコロッセオでの闘いやアイデア凝らしたショーアップに、血沸き肉躍りエンタメ魂が燃えた。
映像、美術、衣装、音響、VFXのクオリティーは言うまでもなく。前作もそうだが、こういう作品にこそ巨額予算は使われるべき。
強いて言うなら、ハンス・ジマーのあの音楽が流れなかったのが残念…。
イケメン少年だったスペンサー・トリート・クラークが男臭いポール・メスカルに。『aftersun/アフターサン』『異人たち』で繊細な演技を魅せたメスカルのイメチェンにも驚き。
英雄であり仇でもあるペドロ・パスカルもカッコいい。
でも、ポールとペドロがちと風貌が似てるので、序盤は少々どっちがどっちだっけと…。
前作からの続投。コニー・ニールセンも美貌衰えず。
双子皇帝、ジョゼフ・クインとフレッド・ヘッキンジャーの怪演。
だけど、キャストの中で誰より場をさらっていたのは、デンゼル・ワシントン。
ハンノを買った商人で前作のオリヴァー・リードの役回りかと思いきや、実は彼こそ今回のラスボス。
元奴隷。富を築いた商人へ。皇帝にも取り入り側近になるが、その座だけに留まらない。双子皇帝の一方をそそのかし殺させ、もう一方を自らの手で…。その野心は双子皇帝に代わって、ローマの新たな皇帝へ…!
予断許さない存在ながら、その野心と成り上がりには感服。各々の思惑やドラマを、デンゼルが一人で握り潰すかのよう。
双子皇帝の独裁。
マクリヌスの野心。
それがローマの夢か…?
否!
ローマを再び民の手に。自由を。平和を。
祖父アウレリウスの夢。
父マキシマスの夢。
志半ばで…。
アカシウスもまた。彼の夢でもあった。
その意志を受け継ぐ。
この血の中に。この肉の中に。それが力となる。
もう身分を隠さない。
アウレリウスの孫。マキシマスの息子。
正統なる後継者、ルシアス。
民と共に、ローマの夢の為に。
今年一番とか前作超えとまでは言わないが、これぞスペクタクル! これぞエンターテイメント! これぞ映画!
リドリー・スコット万歳!
『グラディエーター』万歳!
近年稀にみる駄作
今作の主人公ルシアスが、前作の主人公マキシマスの息子と言う設定、、これこそが今作をここまでの駄作にしてしまった根本要因だ。
前作の主人公マキシマスの息子と今作の主人公ルシアスの年齢は、ほぼ同じ(前作の作中にそれを示すセリフあり)である。
と言う事は、今作の主人公ルシアスがマキシマスの息子であるとするならば、マキシマスは愛する妻がいるにも関わらず、父親の様に愛し、尊敬し、慕っていたマルクスアウレリウスの娘と不倫をしていた事になるが、前作を観て、マキシマスがその様な事をする人物だと思えるだろうか?
マキシマスが妻と子の住む家を離れてゲルマニアの戦地に持参した、妻と子を模した小さな木彫りの像に向かって、「先祖の霊よ、お導きを。天なる母よ、私に道を示し、天なる父よ、妻子を守りたまえ。家族こそ私の生きる力。先祖を敬い、その教えに恥じぬ生き方を。」と祈りを捧げるのです。
そんなマキシマスが、妻以外の女性と子供をつくるでしょうか?
ルシアスがマキシマスの息子であるなら、観客が納得する様な説明を劇中で描くべきだが、その様な事もせず、ただ、ルッシラのセリフでのみマキシマスの息子である、と強引に成立させた為、ルシアスに感情移入も出来ず、ルシアスの行動に感動する事も心を打たれる事も無い。
そして、今作の主人公ルシアスの復讐の動機が「妻が殺害された」事に発しているが、ルシアスの妻は軍人だ。
自国に攻め込んで来た軍隊と戦い、軍人であるなら、その最中に命を落とす事は当然予想しておくべきであり、そうさせたく無いなら、妻が軍人である事を絶対に止めさせるべきである。
しかし、ルシアスはその様な素ぶりも見せず妻と共に鎧を身に纏い、戦場に赴き、妻が命を落とした事を復讐の動機として、相手国の将軍を倒す事を目的とするが、動機の設定が杜撰過ぎる。
その杜撰な設定のまま、奴隷商人に買われ、最初に闘う相手がCGで造られた筋骨隆々の猿の大軍だ。
猿の大軍の後は、鎧甲冑を身に着けた巨大なサイ、海のごとくにコロシアムに溜められたサメが泳ぎ回る海水の中での軍船での闘いと、荒唐無稽なアクションがこれでもかと連続する。
時折り、前作を思い起こさせるシーンや行動を混ぜ込んで来るが、杜撰な設定と荒唐無稽なアクションの連続で辟易している中では、その様な場面も空虚に感じられ、全く響かない。
終盤、グラディエーター達がルシアスをリーダーとして、なぜここまで連帯感を持ったのかも描き方が甘い為、よく分からない。
そして、最終的にはルシアスと異常に強いマクリヌス(デンゼルワシントン)が一騎打ちをし、ルシアスは辛うじてマクリヌスを倒し、「ローマに平和を」と、あまりにお粗末な決着の付け方で終了。
ラストシーン、コロシアムでルシアスが「父よ。私に声をお聞かせ下さい。」と言うが、マキシマスが父親と言う設定を観客に納得させていない為、全く心を打たない。
この映画を簡単に説明するなら、「大金をかけた、デンゼルワシントン主演の歴史バトルアクションムービー。」が相応しいだろう。
1は傑作、2は駄作、、これはよくあるパターンだか、せめて、あの素晴らしい名作である前作を汚すのだけは止めて欲しかった。
良かった!
前作と比べてしまうが、僕は理屈抜きに面白かったよ。
デンゼルワシントンには、驚いた。主人公はあまり馴染みがないんで最初は戸惑ったが、話が進むにつれて親しみ感じました。やはり、大国を率いるには、人間の魅力が必要だね。
ビジュアルはカッコいいのに、 物語はあまりテンションあがらない作劇
以下ネタバレ
序盤の城壁戦は
過剰すぎず、地味でもない
手慣れたリアルな戦闘が「ナポレオン」よりテンポよく、
見やすい映像つくりになっていて
さすがリドリーすげーとテンションがあがりました。
リドリー・スコットの歴史を扱った映画は
構図や照明に西洋美術の美意識がたくさん盛り込まれて、
衣装、部屋の装飾や調度品も丁寧な印象があり、
日本の日常とは別世界を体験する
現実逃避の楽しさがありました。
マッドマックスのような問答無用なサバイバル感を
期待していなかったためか、
マントヒヒっぽい猿がでてきたときは
「あれ?過剰演出動物だ」
と思いつつ、
ま、猿くらいはありかなと思いましたが、
サイを乗りこなすシーンでは、
荒唐無稽な印象が強くなり、
前作の虎くらいにとどめといたら
リアルな緊張感なのにと思いました。
史実かどうかしらないけれど
サメがでてきた中盤は
ユニバーサル・スタジオのアトラクションの
「ウォーターワールド」感のある、
コロッセオプールの海洋バトルシーンは
過剰演出動物の方が気になり、
「サメの飼育や運搬とかどうしてるんだろう?」
と戦闘シーンのノイズになりました。
史実かどうかしらないけれど
ペットの猿のシーンは
特に面白くなく、
後半の元老院でのデンゼル芝居は
少しコントっぽくて、
序盤の海上の城壁戦にあった
緊張感はなくなっていて残念でした。
序盤の海上の城壁戦の流れで
主人公がローマ軍の将軍をターゲットにした復讐劇の展開が、
「実は王子だった」と明確化されるあたりから、
主人公が思春期な振る舞いをみせて
物語の緊張感がなくなり、
白塗り兄弟のあざといぼんくらすぎな設定と
デンゼル・ワシントンの野望達成のための会話劇
に今いちのれず、
映画全体の
ビジュアルはカッコいいのに、
物語はあまりテンションあがらない作劇で
そもそも主人公って
前作ラッセル・クロウの主人公の子供だったけ?
とか思ったりしつつ、
リドリー・スコットファンとしては
迫力ある映像体験できたので
まっいいかと思う映画でした。
映画館で鑑賞してから
5日後、買ったままだった
Blu-rayの「グラディエーター」の
劇場公開版を字幕版で鑑賞。
24年前の前作の方がスケール感があり、
映像がかっこよかった。
洋画では今年一番かな
昨日ガンダムSEEDが終映でしたが、こちらの方も気になり何方を観ようか迷いましたかまだ結局SEEDを観た為、連日の映画館詣りです。
上映時間が150分近くありますが長さを感じない程に見入ってしまいました。今年の洋画ではベストかと。
これから観られる方は是非前作を鑑賞してから観ることをおすすめします。(観てからもう一度観たい)
前作の主人公の息子がローマ帝国の将軍に復讐する話かと思えばちょっと違うようで、デンゼル=ワシントン扮する武器商人に利用される話でした。
尺が長い割には話は複雑ではありませんが、主人公に都合の良いように助っ人が現るのはご都合展開かと(笑)
ただ最後に主人公は大切な人たち(妻、母)を失ったまま、亡き父にすがる言葉を吐き終わってしまったので救いがないようにも感じましたね。戦争なんて碌なもんじゃないと。
ただ最初のローマ軍軍船との攻城戦やコロシアム内の海戦シーンは凄いの一言です。
もしかしてリドリースコット監督、ポリコレなんてクソ喰らえって言いたいんですかね(笑)
悪物が(黒人、ホモ)最後にいい感じで殺されちゃったので(笑)
ノレなかった
リドリー・スコット作品、観てはいるんですがあまりハマらないんです。映像に拘りがある分、人物描写に重きを置いてない気がしてイマイチガツンと来ない。ただ、初期のエイリアンとブレードランナーはギラギラしてるって言うか映像派の狂気で振り切れてる感じで好きな作品です。そのほかは・・手堅いというかキレイにまとまり過ぎてるというか、職人監督の作品という印象が自分の中で拭い切れない。ここ数年は本作含め脚本デビッド・スカルパの作品が多いのもあって、ゲティ家の〜といい、ナポレオンといい、正直本作も退屈でした。
比較的直線的なストーリー展開だった前作に対して、今回はそれぞれの思惑が交錯して複雑なくせにどれもメリハリや盛り上がりがない。トランプ政権、復讐の連鎖、分断など、24年前とは現実も様変わりして、映画もシンプルな勧善懲悪ものを扱いづらいのかもしれませんが・・主人公にも感情移入もできない。大体「オレかつての皇帝の孫っス」って叫んで第三者が信じるとでも?母と息子のストーリーも取ってつけた感が・・
ヒヒやサイ、サメの導入も単に監督の悪ふざけにしか思えなくて、総じて個人的には残念でした。
唯一突出してたデンゼル・ワシントンを、もっと活かして欲しかったなぁ。。あと医者の人もいい味出してました。
王道すぎて話の展開が既視感あり
悪い王、賎民だが本当は王子、策士。想像したとおりに話が進む。涙が出る程、心をうつシーンは特にない。力が全て、な世界観。
CG過ぎない所が贅沢で良い所と思うけれど、そもそも私の世代はCGなしの大作をたくさん観ているので、納得以上の感慨はない。
この時代の民衆の熱狂に、現代の民衆を重ねて見ていた。憂さ晴らしのための熱狂で、政治が左右される様は、今も昔も変わらなくて愚かだなあ、と鑑賞中に考えていた。監督が、今、この作品を撮った意図はなんだろうか。
ド迫力のコロシアムです!ワシントン様最高♪
グラデⅠも良かったけれど、今回は最高でした。特に悪役のワシントン様の表情がふるまいが本当に素敵でした。悪役なのに、憎めない深い何かを感じました。
長い映画なのですが、自分はあっという間の時間でした。細かい事はいいません!この映画は是非是非、是非是非映画館で鑑賞する事をお勧めします。
1作目は至高。蛙の子は蛙なのか?
最初に、これから観ようと思っている人へ。
まず本作、前作というのか1作目の「グラディエーター」はまず見るべき。ほぼ必須レベル。観ないと「トップガン マーヴェリック」以上に満足度が変わる。
あと、2時間28分の作品な上に幕開けを含めると2時間45分程度。事前にトイレへ行き、利尿効果が高めのドリンクは避けた方が良いかもしれない。
パンフレットやグッズは、残念ながら販売されていない。
あとは、なるべく大きなスクリーンで音響が良くて没入感の高いスクリーンがおすすめ。
2024/11/19、Dolby Atmos+TCX+レイトショーのベスト席で周りのノイズ無しという、まさに映画鑑賞する上ではかなり理想的な環境で観たこともあって、その臨場感や没入感は半端なかった。Dolby Atmosの立体音響とTCXの振動が相まって、まるで当時のローマにタイムリープしてコロッセウムの中に自分が立っているかのような没入感。剣戟の音や観客の歓声が、体の奥底まで響き渡り、普段の映画鑑賞よりも数倍の臨場感を味わえた。
24年ぶりの続編とは思えないほどの迫力と感動だった!前作『グラディエーター』を劇場で観た時のあの高揚感が蘇ってきた。
以下、ネタバレあり。
ストーリーは、前作の主人公マキシマスの息子が、父の意志を継ぎ、ローマ帝国の腐敗に立ち向かうという、王道の復讐劇。そこまでは良いんだけれど、息子は殺されなかったっけ?否、1作目のルシアスがマキシマスの息子という新事実が作中で判明。スターウォーズのそれは自然に受け入れましたが、今回はなんとも後付け設定な感じだ。まあ、そこは置いといて、そこに駄目な兄弟のローマ皇帝やら、カリスマ性の高いローマ軍指揮官やらルシアスの母などとの新たなドラマが加えられていて2時間28分映画館に拘束されたが飽きさせなかった。1作目へのリスペクト感は高く、特にマキシマスのカリスマ性が2作目でも高く、息子であるルシアスがマキシマスになろうとしていくところが1つの見どころ。ただ、マキシマスのカリスマ性が高すぎて、マキシマスが成し得なかった事は出来たが超えられなかったような感じがする。
1作目から続く壮大な世界観と、そこに息吹を吹き込むVFX技術の進化には驚かされた。コロッセウムでのアクションやバイオレンスや緊迫感は、なかなかの見どころ。コロッセウムに水を張り、海戦を再現するシーンは、最初はこんな手間な事あり得んと思っていたが、後から調べてみると、初期のローマのコロッセウムでは実際に海戦が行われていたことがあると知って驚いた。歴史的な事実を踏まえて、これだけのスケールの映像を作り上げたスタッフの熱意に感心。
ルシアスが自分の人生をかけて戦い、自由を求める姿に深く共感した。若きルシアスの葛藤や成長を見る中で、自分自身の若き日を思い出した。年齢を重ねるにつれて、社会のしがらみや不条理に縛られているような気がすることもあるけど、この映画を観て、もう一度自分の人生を見つめ直すきっかけになった。
『グラディエーター』という伝説の作品に、新たな続編が加わったことは喜ばしい。続編を作るのは難しいことだと思うけど、かなりの良作に仕上がっている。佳作。
迫力ある映像は楽しめたが、双子の皇帝がザコ過ぎる
迫力ある映像は楽しめた。将軍の方が強くて人気があるのに、どうして双子が皇帝になれたのかと思ったが、皇帝も奴隷商人に利用されていた。本当の悪は上に立たずに人を操る。
トップガン マーべリックは前作を超えたが、24年ぶりの本作は、前作を超えたとは言い難い。ポール・メスカルはラッセル・クロウと比べて若さはあるが迫力に欠ける。それだけじゃなく、主人公ルシアスに感情移入が出来ず、心の底から応援出来ない。
さらにヒヒ?とサメは、トラより強いの?いつトラが出るかと思ったらサイが出た。ついでにゾウやカバ(コビトカバは可愛いからダメ)も出して、猛獣バトルロイヤルにしたら、コロシアムの観客はもっと喜んだか。(?)
主役が生き残ったので続編Ⅲがありそうだが、今度は奴隷商人の息子がルシアスに復讐するの?続編が出るたびにスケールは大きくなりそうだが、面白さや興奮度は下がりそうで多分観ない。このレビューを書くのに何日もかかったし、もう書くことがない。
巨匠リドリー・スコット。巨匠と呼ばれるようになったら終わりが近い。
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