「絶望より始めよ」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 セッキーかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
絶望より始めよ
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前作予習の上鑑賞。
マキシマスの死後の世界の話。マキシマスの血を引き継ぐ主人公(ルシウス)がグリディエーターとして、妻を殺した敵や独裁的な王政に復讐する物語。
世界観は前作同様の雰囲気となっている。オープニングの土で作った絵画のような前作の回顧がおしゃれだった。前作同様家族を失った者が単身で復讐するストーリー。前作は陸での戦いがメインだったが、本作は海での戦いがメインとなっている。構成も全体的に前作を踏襲している部分が多い。前作を楽しめた方なら本作も問題なく楽しめる形となっている。
ただ1点改善するとするならば、ルシアスの絶望感をより強く描いたほうがいい。前作のマキシマスは王に一度背いただけで次の日には家族が惨殺され、また信頼し合っていた前王も亡くなり何も持たざるものとなった。そこからグラディエーターとしてのすべては始まった。しかし、本作の場合、その要素は弱い。アクシデント的に死ぬ妻や母の死も相手の強い悪意を感じるものではなかった。私は復讐劇を描く際に最も重要なことは、敵対するものからこれ以上ない屈辱を受けることだと考えている。
前作と比較して敵対するものが少し複雑になっているのも減点要素となる。
時を経て偉大なる前作の続編を描くことは簡単なことではないと感じた。
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