「つまらなくはないが新しさもないかな」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
つまらなくはないが新しさもないかな
タイトルの2の出方がそうであるように、ある意味ジョーカーとフォリアドゥみたいな関係性の続編のあり方でもありながら2だけ見ても楽しめる復讐の英雄もの、大きな物語はしっかりある。
しかし、リドリースコットはこの年になっても精力的に興行の最前線にいるのが凄い。この前がナポレオンだし。だからかもう金のかかったスペクタクルシーンみても驚きがほぼない。さすがに冒頭の海戦やローマの景色、コロセウムを更に金のかかったCGで観れるのは楽しいけれど、恐竜も何回も観てれば飽きて来るのと同じでこの映画ならではの面白さの発見はない。冒頭の海戦観ながら、やっぱり日本のアニメはこういうアクションの中での主人公たちの見せ方はうまかったんだよな、とか、インド映画だったらどう観せるだろうは、とか思って観ていた。
にしても、リドリースコットならではのお金をかけてもらえる良さやキャストの抜擢などの良さはもちろんある。兄弟の暴君っぷりとそこを謀略で落とし込もうとするデンゼルワシントンの悪役っぷりはもっと観ていたくなるが、正直どれもこれも突き抜けていないよくあるハリウッドプロデューサーに支配された映画にしか見えない。退屈させらないように作られた映画と、これでなければと争う映画は違う。せっかくならリドリースコットはこの脚本と共にプロデュースに回っても良かったのでは、と思った。
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