「重厚にエンターテイメントしている」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 yutes79さんの映画レビュー(感想・評価)
重厚にエンターテイメントしている
まさか『グラディエーター』の続編ができるとは。期待も予想もしていませんでしたが、前作の圧倒的な世界観と、なんとも言えない熱っぽさ、これをもう一度味わえるなら劇場に行くしかないと思わせる大看板作品。
そもそも古代ヨーロッパなんて、日本人からすれば第一次世界大戦やアメリカの西部時代なんかよりも疎遠なテーマだと思うのですが、時代劇からして敬遠されがちなこの日本で果たしてウケるのだろうかと、そんな疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。確かに監督はリドリー・スコットということで、気軽に楽しむというよりは気合いを入れて観るタイプ作品。さらにR15+指定で約150分。なかなかの重量級作品です。
しかし『オデッセイ』を観てからこ印象がガラッと変わったのですが、リドリー・スコット監督の作品って重そうなタイトルですが、観るとその多くがかなり高いレベルで観客をエンターテインする映画になっているんですよね。大小はあっても笑いあり涙あり、サスペンス的な演出もあれば愛や友情あり。さらに闘技場シーンでは次からまさかと思う無理ゲーのような演出。そうした遊びも含めていろいろなエンターテイメント要素のバランスも見事。
本作においても長尺の作品ながら、一瞬たりとも退屈するような場面がありませんでした。
では、前作よりも優れているのかと言われれば、即答でYesとは言えませんが、アカデミー作品賞を取った作品の続編として遜色のない映画になっているとは言えそうです。
前作からの繋がりでやや無理やりかなと思えるところもありつつも、前作を観ていなくても楽しめるようにできているのも見事でした。
唯一「?」と思ったのは、副題でした。いるかなぁ……。