「今時2と名乗る事も珍しい」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 ふぇるさんの映画レビュー(感想・評価)
今時2と名乗る事も珍しい
グラディエーター2と企画されていた時からどうにもならないような気はしていたが案の定、可もなく不可もなくといったところだろう。
邦題ではサブタイトルが付いているが、オリジナルはグラディエーター2というやる気のないタイトルが出た時は不安を覚えた。
本筋は前作と変わらず驚くような展開は無いが、飢餓に瀕している民衆やローマの外観からのショットなど前作では観られなかった周囲の状況が描かれており、世界観をブラッシュアップしている。
政治の判断に不満を爆発し、暴動を起こす様はまさに現代のようである。
この時代での暴動には武力で対抗しそうなものだが、
いささか政治力の無い周囲の意見に流されやすいのが今作の皇帝である。
死か慈悲かのハンドジェスチャーは前作では得体の知れないオーラを放つ皇帝がどちらの判断を下すかというスリリングな要素であったが、今作の皇帝は周りの意見であっさりと判断したり、判断を下したとしても無視されたりと散々である。
だがコロセウム内に水を張り、海戦をさせるという馬鹿げたアイディアはあの皇帝だからこそできた事だろう。
長年期間が空いた続編は何かしらと前作からの制約がありそうな物だが、今作はそのような事はなく直系の続編として機能している。だが本筋は似たような物なので現代版のリブートととして楽しむのも良いだろう。
リドリー・スコットは今月で87歳だという。
監督からの引退は考えておらず、引退すると噂のタランティーノのには「黙って早く新作を作れ」と言う始末だ。
ほぼ1年ペースで新作を作り、多いと年2本になることもある。
そう考えると短期間でこのクオリティは驚異的なのかも知れない。
共感ありがとうございます。
ローマ帝国って変わってますよね、独裁者なのに民主主義に目配せして・・だから名前をちょっと変えながら続いたんですかね。
リドスコは第三弾を考えてると耳にしました、今度はキリスト教?