「観た時の感想を率直に」ウィキッド ふたりの魔女 それでもさんの映画レビュー(感想・評価)
観た時の感想を率直に
個人的にこの映画は苦痛だった。アリアナが出ることしか事前情報を持たずに観たが中々しんどかった。
苦痛といっても二つあって一つ目は冗長さ。後でミュージカルがもとだと知って納得したけど、場面転換するかなと思ったところから歌い出すから物語進行のテンポが悪い。事前に知っておけば準備できたけどもう歌要らんなぁとなってしまった。とは言え歌い踊るシーンは華やかで良かった。
もう一つは心にくるしんどさ。エリファバ可哀想がメインの精神的苦痛。冒頭からしんどかった。
自分は善悪の二元論は極論だと思うし、誰でも多面的だと思う人間だから、誰であれ死んであんなに喜ばれることがあってはいけないと思う。あの世界じゃ相当な完全悪だったんだろう、けど喜びすぎやろと。前述したけどミュージカルシーンが余りに華やかで嬉々とした空気がこれでもかと表現されている。それが自分の思いと乖離しすぎて気持ち悪かった。そう、この映画は僕には気持ち悪かった。
肌が緑だから虐められるのは分かる、外見で虐めちゃあダメっしょってのも分かる。あえて黒人の方をそこに配役したのは何かメッセージがあるのか。あるならキモいし無かったらこう勘繰る自分がキモい。どちらにせよキモい。前後キモい塞がりである。(後から調べたら全然実力だった。勘繰った自分がキモいだけだった。)
グリンダのアホらしい感じは周りで見てたら面白いけど、近すぎたら嫌なタイプ。行動力の飛び抜けたアホは困るなと。自分本位のくせに良いことしたって感じがキモい。
そもそも動物が言葉話して共生してるのがあたまえの世界で人類本位で動物を敵認定するのもキモい。知的レベル一緒やのに。
モリブルはんに関してはエリファバに対する態度が表向き一貫しないのがキモい。実際はオズと同じ意見が通底してるってのもキモい。
妄想だけど、エリファバが断固として他人に耳を貸さないのに苛立ったんかなオズやモリブルはん。まぁエリファバが黙り忍んできた過去を知らないと脈絡なくエリファバが我儘になったように感じるかも。脈絡が伝わらんのもキモい。伝わっても何も変わらなかったろうってのもキモい。八方キモい塞がりである。
エリファバも、突出して才能があったのと自分は熊に良くしてもらったから動物を助けようって思うんでしょ?なのに周りに何もしないままでいいのなんて言うのは、自分一人無理にでも救おうとするのは傲慢なんじゃあないかな。一人があたまえだったもんね。自分には特殊な背景があるもんね。皆んなに違う背景があるってことわ皆んなが理解してたらいいのに
そう僕は理想主義者なんですな。だからこの映画が気持ち悪くて観るのが苦痛だったんだろう。良い映画だった気はするけど。
最後に、本はだいじにしましょ、本好きとしてはスケボーにされるのはきつかった