ウィキッド ふたりの魔女のレビュー・感想・評価
全618件中、1~20件目を表示
劇団四季にはない広大さ
過去に劇団四季で見たことがあったので、映画版も公開前から気になっていました。実際に観て、ミュージカルの規模が大きい印象が強かったです。
舞台では定点からの鑑賞に対し、今回は広大なステージで変化するカメラアングルになっていました。そのため、劇団四季にはない視点で眺めているような感覚が新鮮でした。
エルファバの生い立ちや周りとの違いによる差別で悩む所から、彼女と同じような境遇を経験した身としてはすごく痛感しました。グリンダもそんな彼女と仲を深めていき、ラストではお互いの選択を尊重しているようにも感じました。
挿入歌はどれも印象に残りやすく、冒頭の「No One Mourns the Wicked」で一気に引き込まれたと思えば、「What Is This Feeling?」ではグリンダとエルファバがぶつかり合いながら展開されるなど、幅広いテンポとハイレベルな美声を劇場で聞いているだけでも楽しめました。
一方で、2時間半を超える上映時間だったため、途中から集中するのが大変でした。本作に限らず、長い映画を観ているとどうしても眠くなってしまいます(内容にもよりますが…)。別につまらなかった訳ではありませんが、全部をしっかり観るのは難しいと思うので、眠気がきたら無理せず仮眠を取り、後で調べて振り返るのがよいでしょう。
他には、ドルビーシネマとの相性がよかったです。大学のキャンパスやエメラルドシティがカラフルに描かれており、色彩豊かな絵画を眺めているような美しさでした。立体的な音響も凄く、周りに囲まれているような没入感がありました。
パート2に続きますが、最後はどうなるのか気になります。そのぐらいワクワクに溢れるミュージカル映画になっていました。余談ですが、オズの魔法使いを演じていたのがジェフ・ゴールドブラムなのは驚きました!
映画の良さをフル活用したウィキッドの世界に拍手
大好きなウィキッド。
20代仕事がつらかったときに劇団四季で上演していた時に出会い、ボロボロに泣いて勇気をもらった作品。映画化を知った日から、日本での公開をとても心待ちにしていました!
見終わった瞬間、思わずスタンディングオベーションしたくなるぐらい、最高でした。ブロードウェイ版へのリスペクトが端々にも感じられ、目も耳も幸せなミュージカル映画に仕上がってました!!減点するところがないです!!
今回のパート1は舞台でいう1幕まで。
それを3時間という長さと聞いて、少し間延びしないかなと不安な気持ちもありましたが、見事映画という表現方法の良さをフル活用していました。
特にこの作品は、普通のミュージカル映画では珍しく、歌と演技を別撮りしているわけではなく、実際に演技をしながら歌うという手法を撮っています。これはもう、主演2人のプロ意識とスキルの高さのおかげで、やはり口パクじゃないからこそ、歌唱シーンでの説得力が凄かったです。
特に『Defying Gravity』は、あんな空中に浮いた態勢でなぜ歌えるの!?と驚くと同時に、エルファバの想いと覚悟がビシバシ伝わってきて爆泣きしました。(爆泣きしすぎて、隣に座っていた石井さんに地震かと思ったと言われました笑)
愛情いっぱいに育てられ、野心家で常に人気者のグリンダは、本当の優しさを知らず、肌の色のせいで家族にも疎まれ、孤独だけれど聡明で優しいエルファバは、本当の自分の強さを知りません。
そんな正反対の2人が出会い、お互いを認め合い、成長していく姿はとても感動的だし、共にひとつのことを同じように目指すのではなく、それぞれがそれぞれの形で選んだ選択を尊重し、あなたはその道で幸せになってと背中と押し合う姿は、今世界で求められている姿に思えました。
パート2は1年後かな…待ち遠しい。
ちなみに吹替と字幕両方見ましたが、理解を深めたいなら日本訳がわかりやすい吹替がオススメです。
シンシアとアリアナのありのままの演技を全身で浴びたいなら字幕がオススメです。
ただどちらにせよ、良いシアターで出来ればIMAXで見るのをオススメします!
Star of the Century
No doubt Wicked would not be as strong a film without the presence of Ariana Grande and her superhuman performance. She can't help but steal the film and make it her own 2.5 hour music video. It's as if she were born for the role and the role was manifested for her. Fanatisicsm aside, the story holds up with a series of conscience-driven character arcs in this cynical take of the Wizard of Oz.
白人のパリピお嬢様と有色人種の真面目メガネ女子の壮大なる友情物語
往年のミュージカル映画の名作『オズの魔法使』(1939)の前日譚…ということなのだけど、あの家族で楽しめる明るいファンタジーの『オズの魔法使』とはずいぶん雰囲気が違う。
そりゃまあ、『オズの魔法使』では完全に悪役だった西の悪い魔女エルファバと、彼女と敵対していた善い魔女グリンダがかつては親友同士だったという驚愕の事実が語られる作品なので雰囲気が違っていて当然なのだけれど、それはそれとして、なんだか色々と問題意識の強い作品なのである。
それは差別の問題であったり、格差の問題であったり、才能や知性がある者とない者の対立の問題であったり、果ては民衆を騙して煽動しようとする権力者の問題だったりと、かなり社会的政治的な問題が作中で扱われているのだ。
なんでこんなに問題意識が強いのかしらん、と思ってWikipediaを覗いたりすると、そもそも大元の児童文学「オズの魔法使い」からして様々な政治的な解釈がなされる作品だったようなのである。
すなわち、オズの国とはアメリカ合衆国のことであり、オズの大魔法使いとはアメリカ大統領を指す、といった解釈である。
「オズの魔法使い」の作者ライマン・フランク・ボームは自分の作品に政治的な比喩が込められているとは一度も言ってないようなのだけど、彼自身が事業を起こしたり転職を繰り返したりしていた人物で、そういう様々な社会経験から着想を得て作品を書いていたため、後世の人たちは彼の作品の中にアメリカの縮図を読み取ったようなのだ。
本作はブロードウェイのミュージカルの映画化作品だけど、元となる原作小説「ウィキッド 誰も知らない、もう一つのオズの物語」もそういった政治的解釈の延長線上にある物語だと思われるし、ミュージカル自体も湾岸戦争をきっかけに製作されたようで、そこには権力の側が喧伝する“善と悪”というものに対する不信感が如実に窺える。
見方によってはそういう問題意識の強さがプロパガンダ、と言うとちょっと言い過ぎだけど、ステレオタイプなキャラクターの描き方に繋がっているということは言えるかもしれない。
後の善い魔女であるグリンダは、アメリカ社会における金持ちの白人お嬢様であり、後の西の悪い魔女エルファバは緑色の肌によって差別されていて、これもまたアメリカ社会において知性も才能もあるけれど差別されている有色人種の女性だと言えるだろう。
スクールカースト上位でチヤホヤされている白人のパリピお嬢様と、スクールカースト下位で差別されている有色人種の真面目メガネ女子という図式がちょっとステレオタイプすぎるんじゃないかと自分なんかは感じてしまった。
…って、言うか自分もどっちかというとスクールカーストの下の方を常にウロウロしていた人間なので(笑)、どんな映画だろうとスクールカーストを描かれると昔のことを思い出してモヤモヤしちゃうのである(個人の感想です笑)。
ただ、そんなステレオタイプな描写を吹っ飛ばすのがグリンダを演じたアリアナ・グランデと、エルファバを演じたシンシア・エリヴォの圧倒的な歌唱力である。
アリアナ・グランデは世界的な歌手だけど元々はブロードウェイでミュージカル女優としてデビューしたそうだし、シンシア・エリヴォもブロードウェイで舞台に立ってトニー賞やグラミー賞を受賞したほどのミュージカル女優である。
彼女たちのミュージカル女優としての世界トップレベルの歌唱力にはただただ圧倒されるばかりであり、その歌声を聞くだけでも本作を観る価値があるとすら言える。
さらに、エルファバとグリンダの間に友情が芽生え、二人でエメラルドシティに行ってからの急展開は息つく暇もなく、あれよあれよと言う間にオズの国全体を揺るがすような壮大な物語へと発展していく。
特にエルファバが強大な力を持つ魔女として覚醒するシーンは圧巻で、ほとんどアメコミヒーロー誕生のような大迫力でワクワクしてしまった。
ただ、本作は『オズの魔法使』の前日譚であり、観客である我々はエルファバがいずれ西の悪い魔女としてドロシーと対決することになるのを知っている。
本作でのエルファバの描き方は、ある意味では『オズの魔法使』の素朴な世界観を否定することにもなりかねない。
自分は舞台も観ていないし原作小説も読んでないのでこの物語の着地点がどこにあって、どのように『オズの魔法使』に繋がっていくのか全く知らない。
黒いマントを翻して箒にまたがってマッハの速度(たぶんそのくらい出ていると思う)で空を飛ぶエルファバが一体どこへ向かうのか、固唾を飲んで見守るしかない。
歌と映像が素晴らしい
ミュージカル不慣れでも面白かった
ミュージカルが苦手なのですが、この映画は最後まで楽しめました。「そこで歌い出すのか」と驚くシーンはありましたが、感情の流れや移り変わりが自然に描かれているので引っかかることなく、スムーズに鑑賞できました。
気になったのは本を踏むシーンくらいです、そこだけどうしても不快感が拭えませんでした…。他は背景も衣装も綺麗だし、キャストさんの歌唱力も高いしで面白かったです。オズの要素が所々出てきて、オズファンの身としても楽しめました。2も期待しています!
トトロ見ないで、こっちのミュージカルにすれば良かったかなぁ。
かっこよすぎる。
まぁ、ミュージカルが見たいね。
ロンドンのウェスト・エンドで、最後は「ウィキッド」にすべきだったのかなぁ?
また、行くつもりだが、シドニーとかメルボルンでもやっているらしいので、旅費を考えれば、そっちでも良いか。ても、脱亜入欧なんで、英語じゃないとなんか見た気がしない。?
緑色も有色人種
ふたりの魔女の話
魔法と幻想の国・オズにあるシズ大学の学生として出会ったエルファバとグリンダ。緑色の肌をもち周囲から誤解されてしまうエルファバと、野心的で美しく人気者のグリンダは、寄宿舎で偶然ルームメイトになる。
見た目も性格もまったく異なる2人は、最初こそ激しく衝突するが、次第に友情を深め、かけがえのない存在になっていく。しかしこの出会いが、やがてオズの国の運命を大きく変えることになる(解説より)
エルファバの善良さと、その運命の過酷さに本当に苦しみを覚えた。
逆に終始グリンダの傍若無人っぷりに苛立ちを感じた。
よくこのふたりの間に友情らしきものが芽生えたのか不思議でしょうがない。
二部作の前編であるが、見応えはたっぷり。
最終的には「オズの魔法使い」へと繋がるストーリーなので、結末はある種見えているのだが、それでもこのエルファバの運命に平和、幸せが訪れることを願う。
華やかで楽しい気持ちになりました
アリアナさんがとても綺麗でした。自己中心的なんだけど優しくて憎めない役柄を嫌味なく演じきっていて感心しました。やっぱり歌も上手いし、衣装も合ってる。絵本の中に入った気分でした。
魔女とは?
歌もダンスもまあGoodなミュージカルだが、権力者やその追随者をさりげなく糾弾もしており、感心もさせられた。
ジョン・M・チュウ 監督による2024年製作(161分/G)アメリカ映画。原題または英題:Wicked、配給:東宝東和、劇場公開日:2025年3月7日。
最初日本語版で見て冴えないなあとガッカリとさせられたが、英語版で見て印象がガラリと変わった。エルファバ役シンシア・エリボの歌声が素晴らしくて圧倒的で、それだけで感動もの。それがあることで、ブロードウェイ風のダンス等も映える。やはりミュージカル映画で、主演者の歌唱力はとても重要とあらためて感じた。
グレゴリー・マグワイアによる原作『ウィキッド』(1995)は未読であるが、ストーリーも悪い魔女とされるエルファバを主人公に据え、欺瞞に満ちた権力者、表面的にしかものを見ない社会や大衆に対しての皮肉に満ちた、実に面白い物語と感じた。
出しの映像、とても明るく楽しい感じだが、悪い魔女が死んだと狂喜乱舞する民衆の姿が印象的で、映画制作者たちの大衆の盲目性や残酷性に対する冷たい眼差し、というか怒りの様なものを感じた。
主人公が親友と思うグリンダ(アリアナ・グランテ)の描き方もなかなかで、皮肉に満ちていた。あまり批判的に見えないように修飾されているが、美しく化粧をし仕草まで計算してクラスメートの人気取りに邁進し、権力者にしっかりと媚び体制の手先となる彼女。さらに、民衆の前に立ち、魔女狩り物語を正当化してしまう存在。なんだか、今まで現実社会で一杯見てきたような上昇志向の強いキャラクター像で、米国ミュージカル映画でそれを見せられたことに新鮮な驚きを感じた。
この世界の王であるオズの魔法使い(ジェフ・ゴールドブラム)の描かれ方も辛辣。恐ろし形相の巨大カラクリ人形で威厳を保ってるが、能力は全く無く(魔法使いでありながら実は魔法を全く使えない)、共通の敵を作ることで権力の維持を図っている。トランプ大統領等、政治権力者への痛烈な皮肉と感じた。
監督ジョン・M・チュウ、製作マーク・プラット デビッド・ストーン、製作総指揮スティーブン・シュワルツ デビッド・ニックセイ ジャレッド・ルボフ ウィニー・ホルツマン デイナ・フォックス、原作グレゴリー・マグワイア、原作ミュージカル(作詞・作曲)スティーブン・シュワルツ、原作ミュージカル(脚本)ウィニー・ホルツマン、脚本ウィニー・ホルツマン、 デイナ・フォックス、撮影アリス・ブルックス、美術ネイサン・クロウリー、衣装
ポール・タズウェル、編集マイロン・カースタイン、音楽ジョン・パウエル、 スティーブン・シュワルツ、音楽監修マギー・ロッドフォード、振付クリストファー・スコット、視覚効果監修パブロ・ヘルマン。
キャスティング
バーナード・テルシー 、ティファニー・リトル・キャンフィールド、エルファバシンシア・エリボ、グリンダアリアナ・グランデ、フィエロジョナサン・ベイリー、ボックイーサン・スレイター、ファニーボーウェン・ヤン、ネッサローズマリッサ・ボーディ、ディラモンド教授(声)ピーター・ディンクレイジ、マダム・モリブルミシェル・ヨー、オズの魔法使いジェフ・ゴールドブラム、スロップ総督アンディ・ナイマン、スロップ夫人コートニー・メイ=ブリッグス、シェンシェンブロンウィン・ジェームズ、アヴァリックアーロン・テオ
シズ大学理事長ショーン・プレンダーガスト、ミス・コドルキアラ・セトル、シャロン・D・クラーク、ジェナ・ボイド、コリン・マイケル・カーマイケル。
ミュージカル嫌い!
この映画の嫌いなことは2つあります
まず基本的にミュージカルが嫌いです
シリアスな場面で突然歌って踊りだすのが自分的には不自然で意味が分からない
緊張感がプツッと切れて台無しになるんです
この映画でもそういう感じが強く思われノレないです...
物語的にもあれほどエルファバを嫌っていたグリンダがダンスシーンで心を動かされ友情を育むことになるシーンに違和感
今までの嫌いな人を一瞬で好きになる瞬間や行動がいまいちよく分からない
中盤まではこの2つを理由に苦痛レベル
後半、オズに行ってからは俄然面白くなる!(ミュージカルシーンは相変わらず邪魔)
ラストは善悪がハッキリして終わり続編を示唆
映画館には行かないだろうが配信が始まれば観るかな?
期待せず見たら面白かった
ミュージカル映画はあまり得意分野ではないので観ない方なのですが、わりと多くの方に勧められて観てみました!良かったです。アリアナグランデ可愛いし、役のキャラも最高です。知らなかったのですが前半なのですね…途中で終わったのでビックリ。見た目の差別をあからさまに扱っている物語でちょっと最初の方は辛い感じはありますが、エルファバの人柄や努力家であることが徐々に伝わってくるシーンなどに胸が打たれます。吹き替え版で最初は声優さんを知らずに拝見したのですが、高畑充希さんさすが歌もすべて上手かったです!物語の続きが気になって仕方がないですね。来年の公開を楽しみに待ちたいです。
SNSで流れてきた予告が可愛くて気になって鑑賞。 前知識何も入れず...
SNSで流れてきた予告が可愛くて気になって鑑賞。
前知識何も入れずに観たけど、切なくて悲しくて美しくてすごい映画だった。
Defying Gravityが大好き…!
アカデミー賞で2人が歌っているのを見て痺れました…!!
おもしろい!けど
作品全体としてはストーリー構成も良いし、ミュージカルの楽しさ、映像の楽しさもあった。
ただ物語中心過ぎて生活の部分というか、細部がどうもはしょられてる気がする。授業の風景はほぼない。ダンスパーティのあとのお咎めシーンもない。小ライオンをどこに逃したとかよくわからんなかった。
事の顛末は知らないので後編も観たい。
全618件中、1~20件目を表示













