沖縄久高島のイラブーのレビュー・感想・評価
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結局は、「食べてみたい~」
沖縄本島の東約5キロに位置する久高島は、琉球王朝時代には神の訪れる島として神聖な地位にありました。12年に一度、島の女性を新しく神女として迎える「イザイホー」は長らく島内だけの秘祭とされて来ましたが、20世紀後半になって漸く開かれ映画『イザイホウ』としても記録されました。しかし、祭りを代々伝えて来た人々が次々と亡くなり、1978年を最後に伝統は途絶えてしまいました。その祭祀と密接に関わっていたのが、嘗ては琉球王朝に献上され宮廷料理となっていたイラブ―(イラブウミヘビ)の燻製でした。久高島は沖縄でもイラブ―の生息数が非常に多い海域で、これを採捕し、燻製にするのも島の高い地位にある人に限られていたのですが、イザイホウの衰退と共にこの伝統も途絶えたのだそうです。本作は、このイラブ―漁、燻製化、そしてそれらを支えた人々、イザイホウとの関り、及びその伝統を復活させようとした人々を追ったドキュメンタリーです。
いやぁ、ウミヘビがそんな高級食材になるなんて全く知りませんでした。そして、その生き物としての生態・燻製化の複雑な工程は非常に興味深いものでした。更に、一番興味あるのが「それをどうして料理するの?」「それで美味しいの?」と言う事ですが、その点についても詳しい紹介がありました。でも、う~ん、見た目だけでは味が全く想像もできない~。もどかしい~。
と、いじましい思いに身悶えしていましたが、島の人々にとっては島の暮らしと神と深い深い所で結び付いた僕には想像もつかないものなのでしょう。
上映後に、このイラブ―の燻製の実物を見せて頂きました。手に持つと思ったより重く、燻製の深い香りがしました。これで一つ1万2千円なのだそうです。ひぇ~、好奇心だけではとても買えない~。どんな味がするんだぁ~。
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