「正しい知識と判断力が無いと、搾取され貧しくなる」威風堂々 奨学金って言い方やめてもらっていいですか? サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
正しい知識と判断力が無いと、搾取され貧しくなる
2024年劇場鑑賞68本目 秀作 66点
公開初日に池袋HUMAXシネマズで行われた舞台挨拶似て鑑賞
当方、なるせゆうせい監督が手掛ける社会派シリーズ映画の初代の作品、君たちはまだ長いトンネルの中という、豊富な知識と危機感を持った女子高生がひょんな出会を繰り返しながらこれからを生きる若者が今出来ることを体現しているお話を予告にて拝見しており、とても興味深かったので当時劇場鑑賞し、2022年劇場鑑賞103本中新作6位と大変満足した作品であり、その翌年にも同じく社会に一石を投じる2作目の縁の下のイミグレは今作と同じく池袋HUMAXシネマズにて公開初日舞台挨拶にて鑑賞していて、移民受け入れと労働ビザやその一連で動く金銭の中抜き問題等、これまた深刻な現代の問題に目を向けた作品で、こちらも2023年劇場鑑賞81本中新作9位と、2年連続個人的にも世間的にも好評なシリーズで、2024年も同シリーズを引き継ぎ、今度は奨学金制度についてとまたも着眼点と話としての膨らみに期待していましたが、正直今一つな感触でした
今作が前の2作に比べて観客と登場人物の心情の抉られ様や失望感がどことなく弱く、それでいてコメディタッチが少し強くなった気がする故、観客の心の持ってき方がスムーズでなく、不安定だった印象です
前作の縁の下のイミグレは物語終盤やキサラギのような密室会話劇としてもユーモアや不成立な会話のキャッチボールなど、制作の過程で面白さが生まれた作りが心地よく、作品としても良いアクセントであったが、今作は用意周到な面白いでしょ?感や役者のルックスの見どころを露骨に移す感じが作品の輪郭として鑑賞後感が昂らなかった所以だと思っている
テーマとして言いたいことや、それゆえに生まれる暴落していく青年期や社会の不安定さはよくわかるが、味付けが好みではなかった
2025年も社会派シリーズ4本目出るのだろうか、期待しています
