ブリッツ ロンドン大空襲のレビュー・感想・評価
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ナチスの爆撃で瓦礫と化していくロンドンのリアル
スティーブ・マックイーンの最新作は黒人監督作品として初のアカデミー作品賞に輝いた『それでも夜は明ける』('13年)と同じロードムービーに分類されると思うが、こちらはよりオーソドックスなタッチが目立つ。第二次大戦下、ナチスによるロンドン空襲を恐れた母親の考えで田舎に疎開することになった息子が、見知らぬ里親に預けられることを恐れてロンドンに戻ろうとする道程を、ドラマチックになぞっていく。映画は、帰ろうとする息子と、戦時下のロンドンで懸命に生きようとする母親、両者の物語をカットバックで描く形式だ。
所々に見られる戦争のリアルな描写は、ベースになった著書の原作者で、映画のコンサルタントも務めたジョシュ・レヴィンの実体験に基づいているとか。主人公の少年、ジョージの人物像は実際に疎開を体験した100 人あまりの少年たちの集合体で、他にも、ナチスによるイギリス爆撃の矢面に立たされた首都、ロンドンが瓦礫と化していく様子や、窃盗の横行、シェルターとして使われる地下鉄、爆撃によって破壊された下水道から流れ出た洪水に流されていく市民、軍需工場に駆り出される女性たち、等、あまり見たことがないロンドンの惨状が詳らかにされていく。
シングルマザーの母親、リタを演じるシアーシャ・ローナンのカメラを凝視するような演技に、またもオスカーの期待がかかる本作は、たった今も戦争によって引き裂かれた母と子供たちに想いを寄せている。配信作品だが見るべき1本だ。
この映画は予想を上回る規模だった !
シアーシャ・ローナンもお母さん役を演じる時代なのだ。そんな2024年制作のイギリス・アメリカ合作の戦争映画でロンドンが舞台。「ブリッツ(BLITZ)」とはドイツ語で「稲妻」の意味でロンドン大空襲をさす。
『それでも夜は明ける』のスティーブ・マックィーン監督がメガホンをとり、第2次世界大戦時 ナチスドイツによる空襲を受けるロンドンを舞台に、親元に帰ろうとする少年と、その息子を捜す母親の姿を描いた戦争 空襲 避難 火災 窃盗 サバイバルヒューマンドラマ。
息子ジョージ役は新人のエリオット・ヘファーナン、母親リタ役は『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『レディ・バード』などで4度のアカデミー賞ノミネート歴を誇る実力派のシアーシャ・ローナン、ピアノを弾いてるジョージ君の祖父ジェラルドをミュージシャンのポール・ウェラーが演じる。そして音楽はハンス・ジマー。
映画館のスクリーンで観たいと思った大作。
スティーブ・マックィーン監督はこの作品の前に撮った『占領都市』と言う4時間超えのドキュメンタリーが公開される。ナチス・ドイツの占領下におかれた恐怖の記憶を、アーカイブ映像の使用やインタビューによる回想はあえて使わず、130ヶ所にも及ぶ「現場」を正確に捉えることで、アムステルダムの計り知れぬ恐怖の日々を35mmフィルムで撮った長い作品。
空襲のリアル??
ナチスによる空襲が続くロンドンが舞台の親子の苦闘の物語。反ファシズ...
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