「このキャストでの実写化はかなりの無茶振りで、なんとか喰らいついた演者はすごいと思う」矢野くんの普通の日々 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
このキャストでの実写化はかなりの無茶振りで、なんとか喰らいついた演者はすごいと思う
2024.11.21 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(106分、G)
原作は田村結衣の同名漫画(講談社)
極度の不運男子と心配性女子の恋愛を描いたラブコメ映画
監督は新城毅彦
脚本は杉原憲明&渡辺啓&伊吹一
物語の舞台は、神奈川県の鎌倉市
旭星学園に通う吉田清子(池端杏慈)は、母(島村みやこ)を亡くしたことがトラウマになっていて、過度の心配性になっていた
2年に進級した清子は、学校イチのモテ男・羽柴(中村海人)と一緒にクラスの学級違委員を務めることになった
そのクラスには、毎日ケガをして登校してくる矢野くん(八木勇征)がいて、清子は毎日が心配でならなかった
物語は、矢野くんの手当てをする清子の日常が描かれ、それが恋であることがわかって動き出す
二人は付き合うようになって、より親密になるのだが、実は清子のことが好きな羽柴がいて、彼は気が気でいられなくなってしまう
さらに、清子の親友・まこと(白宮みずは)は羽柴と幼馴染だが恋心を抱いていて、羽柴はそれに全く気づいていない
そんな様子を温かい目で見ている彼女らの友人・メイ(新沼凛空)と、お調子者の田中(伊藤圭吾)がいて、こちらもそれっぽい感情があることがわかる
この6人の仲良しが学校行事やイベントに参加する中で、清子と矢野くんの恋愛がどうなっていくのかとか、矢野くんに隠された秘密というものが暴露されるという流れになっていた
映画では、矢野くんがずっと眼帯をしているのは、オッドアイによるトラウマが原因で、その目を見てしまうと呪いにかかると言われてきたからだった
そのことを知るのは中学時代の同級生たちだけで、その中の一人・岡本瑠璃(筒井あやめ)が2学期になって転校してくる、というエピソードがある
自分の知らない矢野くんを知っている彼女がいて、さらに彼女が自分と同じ役回りをしてきたことを知って、清子の心は大いに揺れ動いてしまう
さらに、あるハプニングで清子は矢野くんの目を見てしまい、矢野くんは彼女に危害が及ばないように距離を取り始めるのである
映画は、かなり頭の弱い人たちのてんやわんやを観る感じになっていて、知能を彼らレベルに下げないとついていけない感じになっている
ツッコミどころ満載で、演者もそこまで頭が幼いわけではないので、かなり手探りで演技をしている感じがした
自分ならこうはしないけど、という感じが垣間見える感じで、とにかくシナリオに沿った演技をしていくことになる
誰もが高校2年生には見えないので、大人が小学生のような演技をしているギャップがあって、さすがに実写でこれをするのは無理があったように思う
むしろ、設定を中学校に下げるぐらいの改変をして、子役たちに演じさせた方がまだマシだったように思えた
いずれにせよ、アイドルのファンムービーの路線のようだが、1週間後の段階で閑散としていたように思う
初週の週末にどれだけ稼げたのかは分からないが、矢野くんが眼帯を取って素顔を見せるシーンが見どころなので、それ目当てでどこまでファンがリピってくれるのかは分からない
恋愛ドラマとしても特に変化球があるわけではないので、キャストのファンが大画面で堪能する以外の効用はないように思えた