「女性が参政権を得る前年の物語。 コミカルながら移民、女性、社会主義と扱うテーマは重いが、終盤の疾走感がいい!」ロール・ザ・ドラム! ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
女性が参政権を得る前年の物語。 コミカルながら移民、女性、社会主義と扱うテーマは重いが、終盤の疾走感がいい!
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1970年、スイスの小さな村で起きた地元の新旧ブラスバンドの対立を描いた実話の映画化。
伝統を重んじるブラスバンド。
そこに、移民、女性、社会主義とあらゆる差別から解放された新しいブラスバンドが誕生。
2つの楽団の指揮者二人は幼馴染みで、しかも昔、同じ女性を愛した仲だったことから、対立はエスカレート。
果たして、2つの楽団が参加するオーディションの結果は如何に?
なんか珍しいスイス映画。
ファッションだけでなく、映画の画面も’70年代の雰囲気。
山並に民家、ただただ景色が綺麗。
スイスは1971年にやっと女性の参政権が認められたということを初めて知った。意外に遅い。
女性を見下した態度はまだしも、移民である従業員を雇用を盾に従わせるくだりは、コメディとはいっても、いい気分はしない。
終盤にかけて、ヒロインが無駄な対立を見て、古い考えの夫だけでなく、開放的な男に対しても怒って、二人ともワインセラーに閉じ込めてしまう話が秀逸。
そこから話がどんどん進んで、クライマックスの演奏会が感動的。
そして、若い二人の駆け落ちからのラストへの展開(ミスリードにハラハラして騙された!?)が、明るく楽しくて良かった!
同時期、同じ映画館で上映中の「パリのちいさなオーケストラ」も是非!
こちらはフランス映画。
6%しかいない女性指揮者、移民、階級と、こちらも音楽界の差別がテーマで実話。
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