「【小気味よい、スイスヒューマンコメディ。今作は、ブラスバンド指揮者&分裂問題、女性参政権問題、疎遠&意見が合わなかった親子問題を軸に展開される、可笑しくて、後半は少し心に沁みる作品です。】」ロール・ザ・ドラム! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【小気味よい、スイスヒューマンコメディ。今作は、ブラスバンド指揮者&分裂問題、女性参政権問題、疎遠&意見が合わなかった親子問題を軸に展開される、可笑しくて、後半は少し心に沁みる作品です。】
クリックして本文を読む
◆感想
・今作の舞台が1970年代のスイスと言う事で、”どんな物語何だろう?”と不安半分で鑑賞したのだが、これが全くの杞憂であり、ブラスバンド分裂&指揮者問題、女性参政権問題、疎遠&意見が合わなかった親子問題などを絶妙に絡ませながら、可笑しく物語は展開するのである。
・特に、ブラスバンドの指揮者アロイスと、”彼の指揮じゃ駄目だ!”とバンドメンバーがパリから呼び寄せたプロの音楽家ピエールとの遣り取りが”子供か!”と思ってしまう程、可笑しい。
けれども、途中で明らかになる二人が若い頃、アロイスの妻、マリー=テレーズを取り合ったという事実が明らかになり、”成程ね。”と思った訳である。
・更には、ピエールの父親ロベールとの関係が上手く行っていない事や、アロイスが娘コリネットとの関係が上手く行っていない事なども、巧く絡ませているんだよね。
・そして、アロイスがピエールのバンドの内情を探らせるためにスパイとして送り込んだカルロとコリネットが、恋に落ちてしまったりするのだが、脚本や俳優さん達のコミカル演技も良くって、面白いんだよね。
<けれども、今作の最後はカルロとコリネットは目出度く結ばれ、更に後半、ピエールを父親ロベールが強く抱きしめ”長くいてくれ・・。”と本音を告げるシーンや、アロイスがコリネットのワインの調合の見事さを認めるシーンなど、コメディの中に、心に沁みるシーンも巧く織り込まれており、私は今作はヒューマン・コメディの小品だと思った訳であります。>
コメントする