追想ジャーニー リエナクトのレビュー・感想・評価
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出演者のファンがみるものであって映画ファンが満足するものではない
舞台を映画で鑑賞するような体験は良い。
それ以外はせっかくの舞台を中途半端に使っている印象で
そこにいるのかいないのか夢だからどうでもいいのか。
芝居はいかにも日本の舞台の演技という感じです。
外国の人に言われる大げさな芝居というやつです。
できの悪い舞台でいい役者が奮闘している様子が見られる。
これが舞台としてお金払ってみたらそれはけっこうキツイだろうなと。
映画に落とし込んでるから「いいはなしだったかもー素敵なお芝居だったかもー」となる
でも結局夢なのでしらけてしまう。
あの時もしこうしていたらという話なので
年寄りには刺さるけど若い人には刺さらない
人生に悔いがある人におススメ。
後半だいぶ白けてしまうかもしれない。
でも映画館で爆睡していびきかくのはやめて欲しい。
わざわざ隅っこの席を陣取って足を前の席の上にドンっと投げ出して寝てたあのオッサン
出禁にならないかな。
イオンシネマさん何回も言ってるけど見回りしてくれよ。
素敵な映画
66分間の映画ということでしたが、あっという間でした。面白かったです。
はじめは退行睡眠の意味がよくわからなくて、寝て起きたら現実が変わっているってこと?そんな都合よく?と思いましたが、最後まで見るとやっぱり都合よく人生は変わらないようでそこがよかったです。
結婚して子供もいる人生もあったのに、やっぱりうまくいかない。自分は自分なのだからそれは当たり前。
人生はままならない。
仕方がないことのほうが多い。
それでも、苦しくても、愛おしい。
人間は苦しいものを見たいんだよな、最後の舞台「JOURNEY」を見てそんなふうに思いました。
主演の松田凌さんのファンですが、舞台だけでなく映画も素晴らしかったです。特に、赤ちゃんの手がふわっと頬に当たった時の笑顔を見て幸せで満たされた気持ちになりました。
また、渡辺いっけいさんの病室でのやりとりにホロリと涙しました。
松田さんがスマホに驚くシーンがあったのですが、普通にスクロールしていてそこにすこし違和感を感じてしまいました。30年後の機械をそんなにスムーズに動かせるかな?と。それとも見逃した意図があるのでしょうか。批判ではなく個人の感想です。
こいじはからの御縁で松田凌さんへの再オファーとのこと、とても嬉しく鑑賞しました。
また追想ジャーニーのチラシが店頭にもうなくて、係の方に聞いたら奥から出してもらえました。イオンシネマのスタッフさんありがとうございました。
全国で上映してくれて観に行けました。嬉しいです。
ほろ苦さにこめられた希望
壮年と呼ばれる年になった。未来への希望がないわけではないが、もはやエヴァーに乗れというオファーが来ないだろうという失望感はある。
あー異世界に飛ばされてぇな!
女神からチート級のスキルを与えられたり、今持っているなけなしのスキルを重宝がられたい!俺TUEEEEしたり、制服デートがしてみたい!
──そんな人生リセット逆転願望をお持ちの同年代にとっては、この映画は少しほろ苦い気持ちになるかもしれない。
しかし丁寧に鑑賞すると、そんなほろ苦さも丸ごと肯定してくれるような、実に希望に溢れた作品でもある。
この映画は、売れない脚本家が行き詰まった結果、【退行催眠】によって30年前の自分に会いに行き、人生をやり直そうとする話である。良い設定だ。ワクワクする。「早くいろんなことをやり直したい!!」という気持ちになる。
演出もいい。この映画のユニークな点は、演劇の舞台の上で大半の物語が進行していくところだ。舞台からの声の反響、足音の響きなどが臨場感あってワクワクする。
舞台の上手・下手の概念に、演者側の視界や客席からの視界も加わるのが楽しい。
寓話的なカッチョイー映画の雰囲気もある上に、大半のロケがカットできそう、という仕事のうまさに唸る。(とはいえ素人考えなので実際はロケより大変なのかもしれないが) こだわりの映画をみたなあ!という清々しい気持ちにさせてくれる映像作りだ。
俳優もいい。おじさんの方の脚本家(主人公)は渡辺いっけい氏。芝居がうまくてみていて気持ちがいい。他出演陣と比べるわけではないが、やはり表情や声の出し方が頭一個抜けている。ダメダメ感も好感が持てる。
若い方の脚本家は松田凌氏。この映画に舞台と映像の多くの経験をつんでいる彼を当てるのは正解だ。あらゆるシーンで見せ方がうまい。クライマックスシーンで、渡辺いっけい氏の演技とオーバーラップし、そして溶けていく「引き算」の演技が良かった。難点としては、設定としてはダメ男なはずだが、顔がいいのでまあいいか、と思わせてしまわないか?という羨ましさである。
主人公の胸に後悔の楔を打つ後輩役には、樋口幸平氏。ドンブラザーズが嫌いなやついるぅ!?いねぇよなあ!と贔屓目に見ていたが、儚い好青年の役が抜群にあっており、クライマックスシーンで泣かされてしまった。調べるとホリプロの若手。今後にも期待したい。
展開である。ネタバレをご容赦願いたい。
独身だった男が、愛を獲得し、子供にも恵まれる。デレデレとする主人公(若)にこちらもにっこりである。いいぞ。
そして、自分との「約束(夢)」を叶えようとしてくれた後輩の死に目に、今度はきちんと会える。男泣きしながら同志に感謝を述べる人生、いいじゃないか…!!
だが、退行催眠の世界線があやしくなる。
脚本は世の中から認められることはないし、妻子にも愛想を尽かされる。なぜならば、自分の弱さから逃げ続け、閉じこもっているからだ。
これは私の解釈だが、苦悩の種は最初から、成就できなかった「夢」や「愛」の呪いではない。「自分が何者でもなかった」と認められない弱さなのだ。自分が自分の人生を肯定しない限り、呪いは続く。辛い。
この映画のほろ苦さ、そして希望の話にもどる。
主人公が退行催眠に入る前と入った後。もちろん歴史は変わっていない。ほろ苦い。だが、どこか憑き物が落ちたような主人公(おじ)の顔が印象的だ。
たったひとつだけ、退行催眠でも行い、現実世界でも行ったこと。
「これが俺の人生だ」という苦しい肯定。
その物語を書き、そして上演する席で映画が終わるのだ。
私はこのシーンが希望だと思った。弱さや未熟さを抱えても、それが自分の一部であることを受け入れ、「それでいいんだ」と思える瞬間にこそ、私たちは救われるのかもしれない、と思ったのだ。
この映画は、昔に夢や愛などに強い目的意識をもってとりくみ、そして成就できなかった人たちには、大きな共感をもって迎えられるかもしれない。
しかし、なんとなーく生きてしまった私のような人間においても、「これが私の人生だよな、でもま、いーよな」という心の弾力性を与えてくれた。
華々しい成功や劇的な変化はあじわえない。
だが、この映画はこの現実を「悪くない」と思わせてくれる力がある。
いったんどこかで落ち着きたい壮年におすすめてある。
すべての表現者に尊敬を!
松田凌さんのライトなファンで、今作のあらすじが好みだったので、クラウドファンディングにも参加しました。
割りと高かった期待を思いっきりこえてくれたので、11時回の後そのまま15時回も観ました。気に入った作品を、結末を知った上で伏線を拾いながら観るのは、とっても楽しいです。
一歩まちがえば、お涙頂戴になりかねない題材を、絶妙のさじ加減で、観客の想像の余地を残す、後味の良い作品に仕上げて下さってありがとうございます。私の好みのストレートど真ん中でした。
体感2時間でしたが、実は100分なのは、説明を削げるだけ削いだ、ハリウッドとは真逆の攻めた脚本だったからですよね?
それなのに、この説得力のある仕上がりなのは、演出も役者も美術も照明もカメラも、全員がこの脚本を表現するために、真摯に作品に向き合ったからではないかなと、思いました。ストーリーに重ねてしまったのかもしれませんが、そのくらいの熱量を感じて、心ゆさぶられました。
最後に、すべての表現者に、受け手として尊敬を捧げます。みなさまの幸せを、心から祈っています。
設定
が良かったですね。でも、2時間くらいあると飽きるかも?しれなかったので、これくらいで良かったです。でも、最後のあの演劇は面白かったのでしょうか?どちらかと言うと、追想している物語を演劇にすれば良かった気がします。
…夢のなかへ
…舞台劇の様な作品
脚本家の主人公
なかなか脚本が仕上がらない
脚本の最後の終わりが決まらず
悪戦苦闘している中…眠りに~
そこは30年前の自分がいる
現在の自分と同じような状況
なんとかその状況を打破させる為にも
自分が経験してこなかったことを
アドバイスする
これで・・脚本の書けない自分から
脱却出来るのではないかと
考える中であらゆる事をやって
みたけど(経験したけど)
・・本質的なことは変わらない
のかもしれない
と思った(あくまでも夢の中なので)
※実際に経験したら分からないけど
演劇を観ているような
……演出がおもしろい
~自分はと考える…と
上手くいかなかった時は
あの時の選択を…と考えなくも
ないけど
いまの自分を肯定したい
と思う
自身を振り返るきっかけに。
後悔のひとつやふたつはそれなりの大人になれば誰でもあるだろう。
過去にはタイムリープでもしない限り戻れはしない。退行睡眠という案内状を手にした初老の脚本家・雄ニ(渡辺いっけいさん)がそこに手を伸ばす気持ちは過去の自分との対峙をみるとよくわかる。
自信家で自己中心的。でも作品を描く事に全てを注ぐ不器用な若かりし自分(松田凌さん)とのコミカルでもあり自身に向ける言葉だからこその辛辣さがテンポよく進みあっという間に物語は終わる。
短く感じるし最後があっさりしている気もするのだが観る人がそれぞれに自分に重ね合わせる余韻を感じられる終わり方です。
渡辺いっけいさんの上手さに負けず若い役者さん達それぞれ好演。印象に残ります。
俳優目的の鑑賞だったのに!
零士に関するネタバレを含みます。
私は零士役の高尾楓弥さんのファンとしてこの作品と出会いました。役と高尾さん本人の人生とは別物であることは理解しながらも、ファン心として「零士くんに幸せになって欲しい」と思わずにはいられず、鑑賞後「どうすれば彼が幸せになって終わったんだろう」と正直すごく落ち込んでしまいました。
自分の後悔は、「あのときこうしていれば良かったのかもしれない」と振り返っては今の自分がその頃の自分にアプローチ出来ない無力感に苛まれるものですが、
鑑賞後、振り返っても「私」という存在が作品内の何者でもない後悔に似た無力感がありました。
雄二も同じくどうすることも出来ない時間に無力を感じ、後悔していたのだと思うと、作品を見て得た私の感情はきっと雄二の感情のうちのどこか1部だったのだろうと感じています。
自分の人生と切り離された非日常で、安全にそして過剰に喜怒哀楽をすることをエンターテインメントとして私は認識しています。
まだ退行睡眠後の雄二の感情を私は得られていません。ぐずついた後悔の気持ちを持って、退行睡眠をするかのようにまた鑑賞を重ねていくうちに、雄二が得たものの1部を獲得出来ればと思っています。
楽しいとは言い難いですが、とってもエンターテインメントでした。考えさせられる楽しみがありました。
後悔は反芻してこそリアルだと思うので、また劇場に足を運びます。複数回鑑賞して変わる印象がとても楽しみな作品でした。
正直私は俳優目的で、予想されていた角度からの鑑賞ではなかったのかもしれませんが、まだ他の角度からの鑑賞ができることが約束されているようでとても楽しみです。
公開を楽しみにしています。
何度も見て、色んな視点で見たい!
まず初めに観た感想は、斬新な設定で面白い!
誰しもが「あの時の選択肢で、こっちを選んでたなら」と思うことがあると思うが、そこに焦点を当て、現代の自分が、退行睡眠という方法で過去に戻り、過去の自分に会い、選ばなかった選択肢を選ばせてその人生を体験する。
そうすると現代の自分の考え方などにも影響を与える。
その人生を舞台上、板の上で物語を進めていく。
そして、過去にはいろんな登場人物がいて、あくまでも退行睡眠をする人物が主人公ではあるが、
過去にはいろんな人物がいて、そこに焦点を当てても面白いと思う。だからこそ、何度も観て、色んな人物の焦点から観たい!
そして観終わった後には、自分の人生も後悔ないように生きていこうと思わせてくれる作品でした。
これから映画公開なので、楽しみにしています!
劇場で観たい!
個人的に峯井が亡くなるシーンが心に残りました。字幕で観ていて「おつかれさん」が「you were great actor.」と翻訳されていていることに気付いた瞬間、自分が1番愛した脚本家に良い役者だったって言われた峯井を想うと涙が止まりませんでした。そして、それを30年の時を経てようやく伝えられた雄二にとっても、最期を看取り想いを伝えたことでどこか救われた気がしてよかったです。
また、映画なのに主な撮影が舞台上でされているのも印象的でした。脚本家が主人公の物語なのも相まって、板の上で人生を表現することに熱くなりました。「これが俺の人生だ」という台詞にも納得感がありました。
私も人生という物語の主人公なのだと、人生を優しく温かく照らしてくれるような作品でした。
この作品を経て今までの人生を追想しこれからどんな人生を歩もうか、新たな人生の幕を上げたいと思います。
「よーいスタート」
もう一度見たくなる映画
完成披露上映会に参加し、ひと足先に本作品を鑑賞しました。
"退行睡眠で30年前に戻って過去の自分と出会って人生を変えていく"、よくある、でもありえない展開の映画を楽しめるのかと不安に思いつつ鑑賞しました。
しかし、気づけば作品にのめり込んでいて、笑い、泣き、上映後は早くもう一度見たい!と思っていました。いい意味で裏切られた作品でした。
舞台上で場面が展開し、それを映画として見るという新しい演出でしたが、渡辺いっけいさんの「よーい、スタート!!」の一言ですんなりと30年前の世界に連れて行ってくれて、ベテラン俳優さんの一言の重みを感じました。
松田凌さん演じる過去の雄二と樋口幸平さん演じる峯井の関係性が本作品のキーとなっていて、お互いに依存し合う関係性とそれを側から見る福松凛さん演じる中村の対比がいくつかの場面に散りばめられていて、それを最後に回収して、中村が雄二の人生を演じて拍手喝采を浴びるシーンは感動的でした。
また、峯井は病気になって残りの人生が短くなり一番辛い思いをしているにも関わらず、雄二の脚本家としての人生を一番に考えており、力になれなくて申し訳ないと病室で雄二に語るシーンは涙なしでは見れません。そして、中村に病気を告げるシーンは樋口幸平さんのお芝居もさることながら音の演出がとても良くて、こちらのシーンも涙なしでは見れません。
追想したい過去がある人にとっては共感できる作品であり、そうでない人もこの映画を見れば「あのときに戻りたいかも」と自分の人生を振り返る良いきっかけになる作品だと思います。
1時間5分と一般的な映画よりも短く、でも笑いあり、涙あり、考えさせられる作品なので、映画館で見る価値がある作品だと思います。
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