追想ジャーニー リエナクトのレビュー・感想・評価
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誰もが思わず自分と重ね合わせたくなってしまう作品
誰でも人生において苦い経験をしたことがあるだろう。できることなら、時を戻してやり直したいと思ったことも。
この映画のポイントは、非現実的なタイムリープではなく、退行睡眠を使った追想だということと、主人公が何処にでもいそうな、若い頃はイキっていた、地味で情けない存在であることだと思う。
だから、我がこととして重ねやすく、考えずにはいられなくなってしまう。「自分だったら、どこから追想するだろうか」と。
大半の人の人生は、情けなく後悔や失敗も沢山ある輝かない人生である。
それでも、それでも。
人生という舞台では、自分が主人公であり、愛すべき自分だけの人生であると、思わせてくれる作品。
重たくなくテンポが良く、疲れていてもサラッと観られる。そして、温かい余韻を持ち帰ることできる。
主人公、現在と過去の雄二の掛け合いが絶妙で良。
現在の雄二、渡辺いっけいさんの演技力は言わずもがな。若いキャストの中で、その存在感が光る。
過去の雄二を演じる松田凌さんは、2.5次元俳優として有名だが、それだけには留まらない生粋の演劇人。「いけ好かない」さが上手い。さすが。
人類最強を観においで!最強が演じる、小粒だけどピリッと辛い、演劇の映画。
人類最強が演じる、地味だけど滋養のある映画。演劇人には刺さりまくる模様。
この映画の主演、松田凌さんは当年33歳。幼少から小劇場演劇を好み、十代半ばで舞台役者を志した、今どき貴重な青年です。
演技力と身体能力、経験、どこか影のある甘いルックスを全て兼ね備えた、今の日本の同世代で随一の役者と言っていいでしょう。
人気役者である彼は絶え間なく舞台に出続けていて、うかつに追うと破産するか倒れかねない。この10月はミュージカル進撃の巨人リヴァイ役として、ニューヨークっ子から本気の絶賛を浴びてました。
とは言っても、首都圏か京阪神以外は彼の演技に接する機会がとぼしい。なにせ舞台ですからね。
ちなみに彼の貴重な映像作品には、TVの仮面ライダーシリーズのライダー役があります(『鎧武』のグリドン)。自称策士で弱くて嫌味なライダー…にも関わらず彼の卓越した演技力で人気を集め、出演回が増えたり、番外編映画が作られたり。
本作はそういう松田凌さんのファン有志による、クラウドファンディングで作られた映画で、たったひと晩で目標額を突破してました。
だから低予算なのですが、この映画を見た結論として、出資して良かったと思いました。
親友役の樋口幸平さんは子どもの頃から松田凌さんのファンだそうで、好きさ加減やリスペクトが本作でも垣間見えます。わかるわその気持ち。わんこ系後輩キャラで物腰が柔らかいのに目の奥がギラギラしている。説得力。
また、渡辺いっけいさんの演技の深みと安定感と幅。人情派のようで、脚本家としてどこまでも高みを目指したい貪欲さも時折滲みます。
ネタバレはしませんが、ループネタにあふれる今の時代、都合の良い終わり方じゃなくて良かったと思いました。
おわり
やり直せるなら、を想定してしまう映画
本日公開で、鑑賞してきました。
主演の松田凌さん目当てで見に行きましたが、どの演者さんも上演時間の短さを感じさせない没入した演技で睡眠退行に同席しているかのようでした。
ところどころ、繋ぎの唐突さやカメラの揺れなどのストーリーとは関係ない部分で気になるところはありましたが、舞台上で展開されている、場所が少ないながらにシーンが変わっていく仕掛けが面白くやや無理のある流れも受け入れられました。
いっけいさん演じる現代の雄二と松田さん演じる30年前の雄二のバタバタしたやりとりが楽しく、もう少し尺があっても嬉しいなと思うほどでしたが、雄二を取り巻く峯井や中村との心情に差のあるやりとりで関係が揺らいだり、展開としては分かっていても引き込まれ抗えない流れに振りまわされたり感情が忙しい。
それでも、終わった後、ふと過去を振り返りたくなるような映画でした。
はじめは推しが出演するからと観たけれど...
推しである樋口幸平くんが出演されている映画ということで、8月の完成披露上映会に参加させていただきました。
前作が映画祭に選出されていたのは知りつつも、あらすじのみをさらっと調べただけで今作を拝見しました。
上映会が行われた場所が撮影場所という、普段なかなかない体験をさせてもらい、まるで舞台を観ているかのような不思議な感覚でした。
誰もが経験するであろう、選ばなかった或いは選べなかった人生の先はどんなものだったのだろうという後悔や未練。あの時ケンカ別れしてしまったけれど、ふとした時に思い出す友人。
推しが目当てで観たけれど、今までの自分の人生を振り返る作品となりました。
樋口幸平くんが色々なインタビューで話されていますが、渡辺いっけいさんとのあるシーンでは〝ゾーンに入っていた〟というほどの、今後俳優として活動を続けていく上でも貴重な体験。
今まで推しの演技で泣いたことのない私が、そのシーンでは涙がつたっていました。素人の私にさえも伝わってくるものがあったのだと思います。
10/8から10/14までの期間限定で前作を無料公開されるということで、そちらも拝見しておきたいと思います。
もう一度観たい作品
試写にて鑑賞しました。
舞台上でストーリーが展開されますが主人公はもちろん、若手俳優さんも演技力が高く作品に入り込めました。特に〈約束〉の部分が描かれた峯井(樋口幸平さん)の演技に圧倒されました。
60分程の短めな作品ですが、どの登場人物も魅力的なのでもう少し肉付けされた長尺でも見てみたかったです。
主題歌を歌う岸洋佑さんは俳優としての活躍しか知らなかったのですが、予告映像で楽曲を聞いた時から作品の世界観と合っていて作品に引き込んでくれました。
過去をやり直したいというのは多くの人が抱えたことのある気持ちではないでしょうか。この作品はそんな人にも寄り添ってくれて、今を大切にしたいという思いにさせてくれるはず。自分だったら、と考えた今もう一度観たい作品です。
大人のSF(少し不思議)人生の主役は自分自身
星新一の名前をあげていらっしゃる方がいたがなるほど。
日常から地続きになっている少し不思議なお話。
パッとしない平凡な舞台脚本家が、過去に遡って自分を変えようと退行睡眠で過去の自分に会いに行く。
自分が選ばなかった選択肢を選んだ自分の並行世界を見る事ができるが、面白いのがそれを舞台上で表現されていること。
脚本家で頭の中にいつも舞台があるからなのでしょう。
自分の才能を認めてくれていた友との果たせぬ約束。
過ぎ去った青春時代。
心の隅へと追いやっていた心残りを解消できた時、確実に何かが変わった。
映画を見終わったあとほんのり苦く、でも爽やかな気持ちになれた。
渡辺いっけいさんの冴えないおじさんっぷりさすがの演技。
松田凌さんも実力のある方で、悩める青年役なので舞台上のような華やかさはあえて抑えているようだけど、それでも美しいと感じる瞬間が何度もあって繊細で素敵だった。
福松さんは静かな存在感があって親友役の樋口さんは、セクシーさ漂うイケメンでした(語彙力なくてすみません)
ファンタジーのようで実はとても現実的な作品
完成披露上映会にて鑑賞しました。
1時間5分という上映時間の中でシーンがテンポ良く切り替わり、未来の主人公が過去の自分に投げかける言葉が絶妙に矛盾していて、それこそが人生なのではと全てに深く頷けました。
映像も音楽や照明などの演出も美しく、ファンタジーの要素もしっかりとありながら、登場人物の関係性がリアルだったりするので、とても見応えがありました。
渡辺いっけいさんの表す喜怒哀楽などの幅広いお芝居に、松田凌さんや樋口幸平さんをはじめとする若い役者の方々が、全身全霊でぶつかっているように目に映り、どの登場人物も魅力的で感情移入することができました。
個人的には、過去に戻ってやり直すかどうかを1番のポイントにしてはいないのではないかと感じました。
それだけ観る側の受けとり方がいろいろと楽しめる映画だと思います。
試写会にて
試写会に参加させていただきました。シンプルなセットで繰り広げられる物語です。役者さんの演技が素晴らしかったです。渡辺いっけいさんのいい意味で大袈裟な演技。松田凌さんの繊細な演技。樋口幸平さんの迫真の演技。ある場面では涙が止まらなくなってしまいました。しかしクスッと笑えるところもあり。公開する場所が限られていますが本当にみてもらいたい映画です。主題歌もとても盛り上げてくれます。
振り返りたい過去のある全ての人に刺さる作品
完成披露上映会にて鑑賞。
出演するどの役者さんも素晴らしく、クスッと笑えたり心に刺さる台詞があったり、作品の中で様々な感情が刺激されました。特に主演の松田さんの、自然体ながらもガツンと伝わってくる芝居に魅力を感じました!
1時間程度の作品なので、ぜひ一度見て欲しいです。
素敵な作品に出会えて良かった!
何度も見たくなる映画
完成披露上映会で一足先に鑑賞してきました!
自分もその世界にいるような
舞台を見ているような感覚
峯井役の樋口幸平くんの演技に引き込まれ
目をきらきらさせながら見ているシーンでは一緒にワクワクし
ゾーンに入ったと言われるシーンでは涙が溢れて止まらなかった。
笑ったり泣いたり考えたり
何度も見たくなる作品です
少し不思議系が好きな方にオススメ!
ひと足お先に完成披露上映会で見てきました。世にも奇妙な物語とか星新一さんが好きな私はずっとドキドキワクワクして見ていました。
でもそれだけでなく、1人の人間の後悔と願いとそれに伴う成長。
私はどちらかと言えば現在の主人公に近い年齢なので若い頃の後悔や恥ずかしかった事を思い出しました。
見終わった時の、上映時間のわりにずっしりと心に残った後味が、今後自分の人生を大事に全うしようと思い直すきっかけになりました。
見る年齢によって、経験によって、自分の精神状態によって色々な感想が出てくると思います。
なので何回でも見たくなります。
秋の公開が楽しみです!
コミカルさ、感動、舞台的、映画的、いろいろ良さが混ざった作品でした!
完成披露試写会に参加してきました。
退行睡眠で過去の自分と対話しながら、演劇仲間との約束や後悔を振り返っていくストーリー。
舞台で演じるような映画の演出がまず斬新だし、過去の自分と対話することで周りとの関係性も変わって、ぽんぽんお話が進んでいきます。
未来の自分が来たといわれて、戸惑う過去の主人公とのやりとりがコミカルでクスクスと笑えます。
でも、演劇仲間の峯井とのあるシーンを境にいまするべきこと、これからしないといけないこと、すべてが解き放たれていきラストに向かってストーリーが颯爽と駆け抜けていきます。
その焦燥感を経ての爽快感は見終わった後、心があったかくなりました。
演劇が舞台で役者も演出家と役者という役なので、役者さんの役者の熱量をすごく感じました。舞台あいさつでいっけいさんが若い人の熱が新鮮だったというようなお話をされていて、たしかに若い俳優の演技への熱量を実際感じる作品でした。
峯井役の樋口さんの芝居は本当に胸にぐっとくるものがあって、舞台挨拶から数日たっても、峯井の存在感が忘れられません。
公開したら、また役者の熱量を感じに何度も見たいと思ってます。
約束
全国公開より一足早く完成披露上映会 にて鑑賞しました。
ひとつの舞台の上で繰り広げる一人の男の過去と未来。
30年後の自分と一緒に巡る時間旅行により変わりゆく選択の行方。
大切な人と交わしたそれぞれの"約束"が登場人物たちの原動力となっていく。
テンポよく進んでいくストーリーに引き込まれ、物語の中の誰に感情移入するかによって見える情景が変わっていく……
過去の後悔はありますか?
果たせなかった約束はありますか?
そんな質問になにか思うところがある人に見ていただきたい作品です。
エンディングに流れる岸洋佑さんが歌う主題歌「表紙絵 -samune-」が作品の余韻をより深いものにしてくれています。
観に言って良かった。
仕事場でいきなり半休を下さい!と言って、電車に飛び乗り譲って頂いたチケットで試写会に参加。
退行睡眠というものを使い、30年前に戻った主人公が自分の人生をやり直す。
歩んできた道とは違う選択を主人公は若い自分に選べと言い聞かせ、想像上の世界が繰り広げられます。
飽きる事の無い多くの場面でも支離滅裂な事を若い自分にさせようとする事を疑問に思う中、ある場面で状況は一変しました。
そしてその場面を思い出すだけで涙が止まらない。
全てが終わり目覚めた後の夢うつつの中
描かれる現実にクスリと笑えます。
渡辺いっけいさんが最後に見せる表情の豊かな色彩に胸を打たれました。
歳を得てみればこれで良かったと人生を振り返り、若き日にみれば後悔しないように生きたいと思える前向きになれる映画らしい爽快感を伴う映画でした。
映画に使われた場所での鑑賞はとても素敵な物でした。
最初にチラシを丁寧に渡して下さった方の映画へのリスペクトが私の1日をより幸せなものにしてくれました。ありがとうございました。
公開日が待ち遠しい
完成上映会へ参加してきました。人生、誰しもあの場面に戻りたい、そんな場面にもし戻れたら自分はどんなに選択をして別な世界線を歩むのか…過去、現在、未来の時間、人生を考えさせられる映画です。と言っても難しい内容ではありません。1人の脚本家の、人生の追想(過去を思い起こす)のをリエナクト(再現する)してくれる映画です。若手俳優の樋口幸平くんが、感情を揺さぶる演技をしているのでぜひ公開されたら映画館に足を運んてほしい作品です。
全39件中、21~39件目を表示