「不思議な爽快感」追想ジャーニー リエナクト sskさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な爽快感
あまり前情報を入れずに鑑賞しました。
タイムリープもの?
なぜ舞台上で話が進行する?
辻褄が合うような合わないような……?
という疑問が浮かびながらも、現在・過去の主人公組の軽妙なやり取りが楽しく観ていたら、最後のオチで、なるほどそういうことか、と腹落ちしました。
設定を先に説明するのが良いのか、あとでネタバラシがいいのか、好みが分かれそうですが、個人的にはわからないまま観て良かったと思います。
ストーリーはあまり捻っておらず、展開は読めるけれど、コンパクトにまとまっていると思います。あさみ、峯井のパートは、安直というか、テンプレ的な展開に感じたので、掘り下げと捻りが欲しかったところです。そのテンプレ感も、もしかすると意図したものかもしれませんが。
渡辺いっけいさんの演技力、ラストのパートの演技、表情がとても良く、印象的でした。この映画のカラーを決めてくれていたと思います。
若き日の主人公役、松田凌さんも、ヘタレな主人公を、どこか憎めない等身大の存在として好演されていたと思います。
中村役の福松さん、粗削りな感じも受けつつ、重要な役どころを、視線やこまかな仕草でよく表現されていたと思います。気になる役者さんになりました。
決してハッピーエンドではなく現実的でシニカルな視点も感じるのに、説教くさくなくて、不思議と鑑賞後に爽快感がありました。
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