「6000年は秒で動いたが、劇中はかなりスローテンポ、本当に後編で終わるのか微妙」カルキ 2898-AD Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
6000年は秒で動いたが、劇中はかなりスローテンポ、本当に後編で終わるのか微妙
2025.1.9 字幕 MOVIX京都
2024年のインド映画(168分、G)*IMAX版は180分
インド神話とSFを融合させた近未来SFアクション映画
監督&脚本はナーグ・アシュウィン
原題の『Kalki 2898-AD』は「登場人物+西暦2898年」だが、本作には登場しないキャラクター
物語は、インド神話「マハーバーラタ」の時代が紡がれて始まる
パーンダヴァ軍とカラウヴァ軍の戦いはそ壮絶なサバイバル戦になり、多くの戦士が死に絶えてしまった
そんな中、生き残ったカラウヴァの戦士アシュヴィッターマン(アミターズ・バッチャン)は、パーンダヴァ陣営に矢を放った
その矢によって、王女ウッタラー(マルヴィカ・ナイール)の胎児は死んでしまう
クリシュナ神(クリシュナクマール・バーラスプラマニャン)は、アシュヴァッターマンに不死の呪いをかけ、王国が滅んだ後も生き続けるように命じた
それから6000年後の西暦2898年、世界は巨大要塞コンプレックスが支配する世の中になっていて、そこに通じる都市カーシーのみが文化的な要素が残されていた
人々は楽園を目指してカーシーに入るものの、そこはほぼ地獄のような場所で、強奪などの犯罪は当たり前だった
また、妊娠できる女性は拉致られて実験台にされると噂され、それを知った移民のライア(ケーヤ・ナーヤル)は男の子のフリをして遺跡へと逃げ込んだ
一方その頃、カーシーでは賞金稼ぎの連中が日夜暗躍していた
その中の一人バイラヴァ(プラバース)は、仲間内から最強と恐れられていたが、本人は細かな案件には興味がなかった
他の賞金稼ぎはユニットの奪い合いをしていたが、そう言ったことにも一切興味を示さなかったのである
映画は、コンプレックス内にて妊娠を隠していたSU-M80(のちにスマティと名付けられる、演:ディーピカー・パードゥコーン)が逃亡するところから動き出す
そこにはシャンバラを拠点とする反乱軍の潜入者リリー(カヴィヤ・ラマチャンドラン)がいて、目当ての妊婦を探していた
コンプレックスでは妊婦のお腹の中にある胎児から血清(エキス)を抽出しては殺していて、そのエキスは支配者シュプリーム・ヤスキン(カマル・ハーサン)の生命維持に使われていた
スマティは監視役に見つかって抽出の対象となるものの、彼女の抽出作業に入った途端に機器がトラブルを起こし、そのまま排出されてしまった
スマティを助けることに成功したリリーは仲間に彼女を託し、シャンバラに連れて行くことに成功するのである
映画は、何部作になるかわからないほどの進み具合で、次作で完結するとはとても思えない
一応は前後編での完結を目指しているとの話だが、本作ではアシュヴァッターマンが半分復活、バイラヴァは覚醒を仄めかすだけで、スマティが出産することもなかったりする
後々には、スマティが出産し、その息子カルキが成長して戦うとか、敵の神様も復活すると思うのだが、そこまで描くとするならば本当に終わりが見えてこない
なので、単体で評価でできないし、168分の序章にもなっていないので、よく配給に踏み切ったなあと思ってしまう
次作は2027年公開予定なので、日本に来るのは3年後ぐらいになると思われるが、その時に鑑賞意欲を残せるほどのインパクトがあったのかは何とも言えないと思う
いずれにせよ、続き物だろうなあと思っていたので驚きもしないが、ともかく前半の展開がダルすぎて、本編に入るまでがかなり長い
さらに場面場面でキャラが出ては退場を繰り返すので、覚えたと思ったら退場しているの繰り返しで忙しなかった
バイラヴァの出自はサラッと紹介されるが、育ての親の名前が出てこないというのも妙な話で、このあたりが伏線になっているのかもよくわからない
ともかく、最近流行りのシリーズものの予告編みたいなものなので、その覚悟はある人ならばOKなのかもしれません