「期待してたんだけどな・・・」カルキ 2898-AD おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
期待してたんだけどな・・・
2025年の1本目に選んだのは、予告から壮大なスケールと迫力を感じさせた本作。SFは大好物ですし、しかもインド映画ということで、相当なアクションシーンがあるのではないかと期待して鑑賞してきました。
ストーリーは、西暦2898年、地上に残る唯一の都市カーシーとそこに暮らす市民は、空中に浮かぶ巨大要塞コンプレックスに君臨するスプリーム・ヤスキンに支配され、要塞内では奴隷として集められた女性たちがある目的のために科学的に強制妊娠させられては5か月も経たないうちに死んでいく中、後にスマティと名付けれらた女性だけは生きながらえ、反乱軍の助けを得て脱出し、反乱軍の拠点で匿われるものの、そこにコンプレックスからの追手や彼女を狙う賞金稼ぎのバイラヴァが迫り、スマティを守るため、彼女の身ごもる”運命の子”の出現を待ち続けていた不死身の戦士アシュヴァッターマンが立ちはだかるというもの。
「DUNEデューン 砂の惑星」を思わせる壮大さと「マッドマックス」を思わせる荒廃ぶりが同居したような未来都市、さらには空に浮かぶコンプレックスで暮らす富裕層と地上の貧困層という構図にもやや既視感はあるものの、なかなかインパクトのある映像は好印象です。そこに、インド神話のエッセンスをふんだんに取り入れた独特の世界観が、異彩を放っています。
期待したアクションもさすがの迫力で、インド映画ならではの荒唐無稽なアクションに加え、SF要素もバッチリで、ド派手なバトルが目を楽しませてくれます。また、コンプレックス軍、反乱軍、バイラヴァ、アシュヴァッターマンと、様々な立場で特有の武器を用いた乱戦も見どころの一つとなっています。
ただ、残念ながら作品としてはイマイチ夢中になれず、あまりおもしろさを感じません。その最大の原因はストーリーというか脚本です。そもそもインド神話に疎いので、聞いたこともない人名だか地名だかわからない固有名詞のおかげで、開始10分で早くも振り落とされます。おかげで気持ちが乗らず、退屈になって何度も瞬間寝落ちして、ますます詳細がわからなくなってしまいました。
終わってみれば、大筋は理解でき、冒頭シーンが伏線だったことはわかります。しかし、ここに至るまでの様々な場面で、誰目線で物語を追えばいいのかよくわからず、結局誰にも感情移入することなく終わってしまったので、最後はもうどうでもよく感じてしまいました。しかも、本作は序章に過ぎなかったようで、3時間もかけてほぼ何も話が進んでいないのにはびっくりです。
多額の予算を投じた壮大なスケールと派手なアクションはワクワクさせるものがあるだけに、ストーリーや展開の荒さが本当に残念です。もし続編があるなら、もう少しテンポよく描いてもらえるとありがたいです。
キャストは、プラバース、ディーピカー・パードゥコーン、アミターブ・バッチャン、カマル・ハーサン、サースワト・チャテルジーら。
初代ターミネーターやMad Maxやら内容がフィフスエレメント,アニメのCity Hanterやルパン3世等にインスパイアされたかなと思う様な感じがしました。