「映画に向いてない」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 りんりんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画に向いてない
前置きしますと鬼滅はほぼ知らないです。原作、アニメ、前作の劇場版全て未履修です。ストーリー自体は、連載中にX(旧Twitter)のTLに感想が流れてくるのでなんとなく知ってました。
なぜ無限城編を観に行ったのかというと「この映像美と音楽は劇場で味わうべき!」と熱い推薦があったのと、300億越えがどんなものかリアルタイムで体験するべきだと思ったからです。
結論から言うと、初見さんには全くお勧めできません。
戦闘が始まったと思えば解説。
戦闘が始まったと思えば回想。
戦闘が始まったと思えば場面転換。
全く没頭できません。アニメーションが話題の猗窩座戦まできた時は「どうせまたぶった斬られるのだろう」としらけて入り込めませんでした。案の定斬られました。
映像作品であることが全く生かされていません。
例えば童磨が氷系の使い手であることは見ればわかります。冷たい色合いと砕けた効果音、破片の擦れあう動きが映像として差し出されているのに、なぜ胡蝶は一々口で説明してしまうのでしょうか。
例えば猗窩座と義勇の戦闘に炭治郎が駆けつけるも、踏みとどまって刀を握り締めれば「無策に飛び込んではいけない」と我慢しているのが伝わります。なぜ「考えろ考えろ」と長い独白を入れるのでしょうか。
それから同じような構成が続いたのも苦痛でした。
回想で胡蝶が見送られるシーンと煉獄が振り返り様に笑うシーン。
親方様の息子がどこかの屋敷で鼓舞しているシーン。
さっきも見たので気持ちが乗りません。
画は綺麗だと思います。ですがアニメーションは良くないです。綺麗に色塗りされた一枚絵を連続して見せられているようです。湯浅監督の『ピンポン』や『映像研』のように、線はぐちゃぐちゃでもいいから疾走感を感じるアニメーションが見たい私のような人間には不向きでした。
想像ですが、漫画は傑作なのだと思います。ひとつ一つのエピソードは重みがあるし、切り取った瞬間の画は綺麗なので、これを見開きで見せられると興奮するだろうと予想されます。
ただこの映画だと、目を走らす程度の4コマサイズのコマと、じっくり見惚れる見開きサイズのコマが同じサイズの画面で同じ長さで放映されているみたいになっています。時間配分が悪くて飽きます。
それから漫画では週刊連載ならではの一週間のクールダウン期間がありましたが、それをそのまま映画にしたら「起承転結がグダってる」と感じられます。
そう、この作品は映画用の起承転結がありません。映画の中を一本通したテーマが見受けられません。
小さいバトルの集大成です。誰かが書き込んだ「TVスペシャルみたい」が的を射ています。
だから先が気にならないし、それに依るワクワクもないのです。
色々書きましたが、鬼滅というコンテンツ自体は素晴らしいものだと思います。アニメや漫画産業のみならず、コラボ先の業界を活発にさせるファンの力は見事なものです。第三章までの活躍を期待しています。
それと映画の出来の話は全く別です。
「初見さんにもお勧め!!」という意見に騙されてはいけません。開始30分で帰りたくなるくらいつまらないです。
全部見てからレビューするべきと頑張って寝ずに最後まで席にいましたが、続編含めもう見ることはないでしょう。
全て観てからレビューしようと思ったのなら無限城迄のアニメ全て観てからにしてもらいたいかな?
ショート動画や何かの切り取りだけ見て文句言ってる輩と変わりないですよ?
そうですね。もう観ないで下さい。この映画はテレビアニメの続きをやってるわけで既存の映画の枠に当てはめるのは無理無駄です。メインストーリーの最終章を3分割したうちの1つです。なので起承転結があるハズがない。3部作と言う意味を理解出来てますか?キャラの思考をセリフにして出す、それが鬼滅です。そんな初期設定も分からず、流行ってるからと迂闊に観た自分の愚かさをこの映画のせいにしないで下さい。偉そうに分かった風に語ってますが理解力、読解力、国語力が絶望的に足りてないですね。大丈夫ですか?
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