「圧倒的映像美、猗窩座の過去に涙」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 ぽよのすけさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的映像美、猗窩座の過去に涙
アニメで本作をずっと追っており、ようやく見れた!
『鬼滅の刃』はやはり映像美が圧巻で、無限城の表現はまるで映像の中に入り込んでしまったような没入感がある。戦闘シーンの迫力も映画級で、大画面で観ると鳥肌が立つほど。余談だが、映像美から、これだけの労働力があるのは過酷であるだろうと容易に推測でき、アニメーターにちゃんと労働力分、儲け分のお金が分配されているか毎回心配になる。
中でも冨岡義勇・炭治郎 vs 猗窩座の戦闘は至高だった。
義勇さんは派手に大活躍というわけではないが、一瞬一瞬に目を見張るものがあり、存在感は抜群だった。
一方で、今回全体的に鬼側が優勢で「こんな強さに敵うわけない」と思わせる描写が多く、観ているだけで胸が苦しくなる。だからこそ、炭治郎たちの粘りや覚悟が際立ってはいた。
猗窩座の過去には大号泣。
やっと幸せを掴めると思った矢先にどん底へ突き落とされ、人間不信になるのも当然だと思う。誰よりも強くならなければ、守れないと必死に生きた彼が、最後には自らを殴って果てる姿は切なすぎた。
猗窩座の術式に浮かぶ雪の結晶の模様、それが恋雪さんの髪留めと同じ形だと気付き苦しかった。彼にとって恋雪さんがどれだけ大きな存在だったのか、戦いの根っこにまで刻まれてるのが切なくて仕方ない。
過去回想で出てきたお手玉の描写もずるい。最初はひとつだったのに、恋雪さんと過ごす時間の中で少しずつ増えていく。守りたいものが積み重なっていく感じが温かいのに、最後にはお手玉が破れて小豆がぽろぽろ溢れていくんだよな。あれって、積み上げた日常がふとしたことで一瞬にして崩れ去ることの暗喩にしか見えなくて、本当に胸が痛くなった。
猗窩座は「強くなきゃ守れない」って信じて鬼になったけど、結局どれだけ強くても失うものは失われる。その残酷さが、この演出で突き刺さってきて、見てて辛すぎてたまらなかった。
批判を述べるなら、やはり回想シーンの多さ。戦闘の合間に挟まれることでどうしてもテンポが悪く感じられた。ただし、そのおかげでキャラクターの背景に厚みが出ているのも事実で、好みが分かれる部分だろう。正直、後付け感があるのは否めない。
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