「アニメ至高の領域」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 臥龍さんの映画レビュー(感想・評価)
アニメ至高の領域
鑑賞後はまさに疲労困憊でした。想像以上に詰め込んできたなという印象で、尺の長さをまったく感じさせず、非常に濃密で、その映像美に魅せられ、圧倒され続けた155分間でした。
一時はオワコンとも言われた『鬼滅の刃』ですが、ふたを開けてみればどの劇場もほぼ満席で、興行収入は公開4日目にして73.1億円に達し、既にいくつか興行記録を更新しています。
映画は息をのむような戦闘シーンと感動的な回想シーンの繰り返しで、戦闘シーンについてはいくつかアニオリの追加要素はあるものの、ストーリーに関しては原作にほぼ忠実で、原作を読んだ方なら次に何が起こるか、どんな台詞が来るのか、手に取るように分かったと思います。
特筆すべきはやはり無限城や戦闘シーンの描写で、期待はしていたものの、その期待を遥かに超える出来映えで、もはや異次元というか…アニメーションとして至高の領域に達しているといっても過言ではないと思います。
『無限城編 第一章』は童磨戦前半と獪岳戦、猗窩座戦が含まれ、漫画では140~157話に該当し『無限城編』全体の4割ほどの話数となっています。
かなり話を詰め込んだこともあって登場人物である胡蝶しのぶ、童磨、獪岳、猗窩座の回想シーンが多く、原作に忠実であるあまり、かなり説明的で冗長に感じる部分もあり、ここは賛否別れるところではあると思います。
ただ、この作品はそれぞれの登場人物に緻密なキャラ設定があり、ひとりひとりのキャラに、戦いへと駆り立てる非常に強い動機と背景があり、それが戦いに説得力を持たせ、キャラへの感情移入や愛着を生んでいる作品です。
人を食う鬼ですら、忌むべき存在とは言い切れない悲哀が見え隠れしていて、単なる勧善懲悪の物語にとどまらない、作品の深みに繋がっています。なので、説明的な回想シーンは本作にとって切っても切り離せないものです。
猗窩座にしても父親や恩人、恋人という大切な人を守れなかった不甲斐ない自分への強い自責の念が、強さに対する異常なまでの執着心へと繋がっているわけですが、それは猗窩座という鬼を語る上で欠かせない物語です。
ちなみに猗窩座の技はすべて彼の想い出が土台となっています。技の名前は恋雪と見に行った花火が由来であり、地面に浮かぶ術式展開の模様は恋雪の髪飾りのものであり、構えは道場で習った素流の型が原型となっています。
猗窩座にとって、師範や恋人がいかに大切な存在であったかを物語るエピソードであり、鬼滅はこうしたさりげない設定の中にも、大切な意味が込められています。
鬼滅は物語前半で張り巡らされた無数の伏線が柱稽古編以降、怒涛のように回収され、すべてがひとつの線で繋がっていくのですが、第二章以降も伊之助や継国兄弟の過去が明かされ、黒死牟と柱3人の死闘も見所になると思います。第二章の公開はおそらく来年の夏休みになると思うのですが、すでにもう待ち遠しくてたまりません。
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