「2回目を観たくなる映像美、ただテレビ尺で観たかった」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 フーバーさんの映画レビュー(感想・評価)
2回目を観たくなる映像美、ただテレビ尺で観たかった
前提として原作所持、アニメ全て観ていて遊郭編が1番好きで妓夫太郎兄妹の最後は何度見ても涙腺が熱くなってしまう者からの感想です。
総評:2回目観たい!ただ贅沢を言うならTV尺で見たかった!
これまで以上の無限城の作り込み、UFOクオリティのアニメーション、声優陣の迫真の演技等観てよかったと思える要素は沢山ありました。
特に戦闘シーン含めたアニメーションの品質は戦い続きの展開でも常にハイレベルで痺れました。
しかし今まで鬼滅アニメを見て目が肥えてしまったせいか気になる点もいくつかありました。
・原作のテンポの良さが薄い、演出の重複
原作通りなのは素晴らしいのですが、同じニュアンスのシーンが重複するように感じる箇所があり原作にあるテンポの良さが薄れていたと感じました。一つ例を挙げると無限城の落下シーンや愈史郎の目で城を解析するシーンです。見ていて面白いのですが、テンポ感は少し気になりました。
また、猗窩座が近接戦闘キャラということもあり顔を近づける構図多くて途中から気になってしまいました。
・主要戦闘中に回想が挟まり、回想時間も長い
これも原作通りだと思いますが登場キャラがメイン級ばかりなのでそれぞれのバックボーンや強さの理由を明らかにする必要があり回想が多いです。必要なシーンであるのは理解していますが回想も戦闘も没入感が損なわれるのが勿体無いなと思いました。漫画やTVの1話なら強い引きや区切りになるので気にならなかったと思います。
・炭治郎以外の説明セリフ
初めての人や子供にも理解しやすいようにだと思いますが、状況説明的なセリフが数点あって少し違和感がありました。炭治郎はキャラ的にもいつもの感じで違和感はなかったです。
・三部作の調整
原作通りのストーリー構成なのは原作ファンを大切にすることにも繋がるのですが、映画として見た時にここで終わるかという感じもしました。
特にvs童磨は映画の部を跨いでしまうのでここから数年おあずけになってしまうことを考えると少しモヤっと感が残ります。
例えば独立している獪岳戦を次の部に持っていけば黒死牟や悲鳴嶼さんとの繋がりの補足もスムーズになります。その時間で今回童磨決着まで描ければしのぶさんとカナヲの想いもより実感しやすい気がしました。
原作準拠の構成ならTV尺で各話区切られた方がメリハリが出たように思いますが、妥協ない作画を支える経営的な観点からも映画化は避けられなかったのかなと感じました。
ただどこかでIMAXで2回目を観に行きたいと思わせてくれる良作でした。
過去作で慣れてるハズが、長尺になったことで全年齢向けの演出が気になったように感じました。
例えば義勇が炭治郎の成長を感じるシーンは、丸々台詞にされると少し冷めます。
過去のフラッシュバック+表情芝居+櫻井さんが感情を乗せた「炭治郎…」の一言でも十分伝えられる力があるハズ。
まぁ変に変えると叩く人もいますし、評価下げるほどのことではないんですけどね。
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