アイミタガイのレビュー・感想・評価
全165件中、1~20件目を表示
死者と背中
予告やチラシから「これは、絶対いい話に違いない!」と思うと同時に、強引に感動させられるのはイヤだな…という警戒心も。けれども、いざ蓋を開けてみたら、なんとも塩梅よい。ちょうど良い加減で、観る人の背中を押してくれる良作だった。
まず、おお!と思ったのは、大好きな俳優さんたち(名バイプレイヤーと呼ばれる人たち)が次々に登場すること。「あの俳優さん出てくると、(悪人が善人か)どっちかなーってハラハラするけれど、今回は大丈夫だったね」と、同伴者とほくほく振り返ることができた。もし、「いつもヤな役ばっかりやってるよな」と思う俳優さんがいるならば、ぜひ本作で新たな面を見つけてほしい。個人的にいちばん嬉しかったのは、「Cloud」でぶっ飛んでた吉岡睦雄さん演じる車谷さん。ちなみに同伴者は、「ラストマイル」で翻弄されまくっていた安藤玉恵さん!とのことだった。
友人の・家族の死を受け入れ、新たな一歩を踏み出すまでに、様々な人の「ちょっとした」言動が絡み合い、大きなうねりとなっていく本作。急逝された佐々部清監督さんが脚本に名を連ねていることからも、本作は死にまつわる物語といえる。佐々部さんの思いが若手に受け継がれ、みずみずしい物語が生まれた。死はつめたく悲しいだけのものではなく、あたたかく広がり、人と人を繋げていくものであると素直に思えた。それから、これまで地名しか知らなかった桑名の町並みも魅力的で、佐々部監督の「六月燈の三姉妹」が思い出された。古びた家が連なり、川が流れ、あちらとこちらを繋ぐ橋がある。初めてなのに、懐かしい感じがして、物語とよく馴染んでいた。
なんてことないやり取り、思い付きの行動が、ちいさな偶然と結びつき、誰かの人生の背中を押すかもしれない。そう思うと、ちょっと背筋が伸びる。本作は、そんな「背中」にまつわる物語でもあった。
あれこれシーンを思い返すほどに、自然に顔がほころぶ。そのまま少し顔を上げ、背中をピンと伸ばして歩きたくなる。時には誰かと手をつなぎ、時には一人でスキップなんかして。
「情けは人の為ならず」と「ペイ・フォワード 可能の王国」
「相見互い」の語義は広辞苑によると「同じ境遇や身分の者は互いに同情し合い助け合うべきであるということ」だそう。映画の原作である中條ていによる同名の連作短編集は未読ながら、映画「アイミタガイ」の趣旨は本来の語義通りではなく、むしろ「情けは人の為ならず」に近いと感じた。他人へのちょっとした親切、手助け、心遣いとったものが、めぐりめぐっていつか自分に還ってくる。これに近い趣旨でハリウッド映画でも「ペイ・フォワード 可能の王国」(2000年)があったが、あちらは子供が始めた小さな善行が大きな社会運動になっていくといういかにもアメリカらしい派手な感動ストーリーだった。
一方こちらの邦画は、ごくごくささやかな他者への思いやりだとか、ちょっとした勇気で人を助けたことが、わずかではあるが関わった人々の心を温かくする、コミュニティーを良い雰囲気にするといった、いかにも日本的な情緒を感じさせるエピソードに、大切な人をなくした喪失感とそこからの再生をからめた切なくも愛らしい珠玉作になっている。派手さはないもののよく練られたシナリオだと思ったら、市井昌秀監督(「箱入り息子の恋」「台風家族」)が脚本の骨組みをつくり、佐々部清監督(「チルソクの夏」「半落ち」)が企画を温めていたが2020年に他界、最終的に監督を務めることになった草野翔吾が脚本にも名を連ねている。この映画の製作自体にも多くの人々の思いがバトンのように託されて実現に至ったバックストーリーがあるようで感慨深い。
相見互いであれ、情けは人の為ならずであれ、昔から受け継がれてきた美しい心のありようが、この映画を通してまた多くの人に広がっていくと素敵だなと思う。
ハチもハチ公の銅像の前で待ち合わせしてたんだ
地元三重県でのロケ。
黒木華が主役。
最近よく見る、ちょっと好みのタイプの藤間爽子も出てる。
でもなんだか食指の動かない予告篇。
でもでもなんだか、嘘くさいとは思ってないけど出てくる人が皆んな良い人ばかりの物語、今はそんなものが観たい気分(DOG DAYSを観て心が優しくなったからかな)だったのと、さすがロケ地の桑名のイオンシネマは終日一番大きなスクリーンで上映してたので、遅ればせながら観てきました。
いやぁ、まさか吉岡陸雄(車屋さん)で泣かされるとは思ってなかった、そのあたりから最後の方は主人公と同じように、なんかいろいろわーってしていっぱい泣いちゃった。あれも、これも、それも。いい涙だ。
女優さんみんなよかった。(風吹ジュンが黒木華のおばあさん? お父さんいくつよ)
中学生時代を演じた少女たち、観たことあるなと思ったら叶海は更紗で、梓は元気ハツラツ○○○○まんまんの子だ。
西田尚美は坂井真紀に続くお母さん女優になりましたね。
まさかの主題歌も黒木華、きれいな、心に響く歌声。
ハチ公もハチ公の銅像の前で待ち合わせしてたなんて知らなかった。そしてあのネジのフック🪝の名前も。あれ?なんて名前だったっけ。もう忘れちゃった。
亡くなった佐々部清監督があたためていた企画だそうな。なるほどな。良い映画を観た。
草野翔吾監督作品、今後要チェックだ。
今度の休みはロケ地巡りしてこよう。
背中を預けたくなる映画
映画の内容に関する情報は、殆ど目に入れないようにしている。本作もポスターから入る情報と映画.comの★の数だけ。
イライラやハラハラなどはなく、終始ホンワカと温かいキモチになれる映画だった。もちろんホロリとするシーンもよかった。
タイトルの「アイミタガイ」は初めて聞いた単語だった。漢字では「相身互い」らしく、劇中の説明と内容でなるほどって思った次第だ。
自分の人生は、この映画のように第三者の目で見ることはできない。だけど、知る機会がないだけ。きっといろんな糸が繋がったり、切れたり、絡み合っているんだと思う。ひょっとしたら会ったこともなく、顔も知らないアナタとも…。
自分の背中を押したり、支えたりしてくれる人、今の自分にはいないな。
背中を預けたらそのまま倒れてしまう自分がちょっと悲しくなってしまった。
この作品に出逢えたことに感謝
2回鑑賞しました。脚本も緻密に作られており、それを素晴らしい俳優さん、監督さん達が珠玉の作品に仕上げている。特に中村さん演じる澄人が本当に良かった。
全てがリンクする
序盤から近い関係の人間が猫写されるが、終盤に全てがつながりアイミタガイが表現される。細かい部分も全て見逃せない造り込まれた作品。映画館でなければ「あー!」と声をあげるシーンだらけでした。
良き思い、良き行いのループ
良き思いや行いはループして自分も元に帰ってくる。
こんなに都合良く、奇跡のようなことは映画という作り話ならではと最初は斜めに観ていましたが、物語が進むにつれてもしかしたら自分の日常でもこんな奇跡が起こっていて、それに気づいていないだけかもしれないと思えるようになり穏やかな暖かい気持ちでスクリーンを後にしました。
しっとりと、かつテンポの良い展開でずっとダレることなく鑑賞できました。
心癒される映画…⭐︎
ここでの高評価のため気になっていて、ようやく鑑賞。
すごく良かった…。
一言で言えば、黒木華演じる梓が親友を事故で失ってからの彼女の喪失と
再生の物語。
まず、お話しの舞台が桑名というのもすごく合っていると思う。
名古屋から近鉄で約20分の地方都市、これが東京とかだったら
なんだかすごく嘘っぽく思えてしまったかもしれない。
程よく発展しているけど大都会ではないという街の感じが
物語にぴったりだった。
梓と藤間爽子演じる親友の叶海、中村蒼演じる澄人が軸となるが
それに絡んでくる脇役というかバイプレーヤーの方々が素晴らしく
物語が安っぽくならずに、まるで良い短編小説を読むように世界に入り込んでいける。
父親役の田口トモロウが(彼は図書館勤務の設定)、「良い人ばかり出て来る小説は
ありえないと思っていたが、そう言うこともあるんだ」と言うセリフ。
少し違う表現かもしれないけどそんなことを言った時、本当にそうなんだ…と
とても幸せな気持ちにさせられた。
こんなふうに最後まで心癒されるて終わる映画って、あまりないかもしれないと
思う。
観て、本当に良かった。
I meet a guy←
何とも思っていなかった“a guy”が誰かにとって特別な人だった―。
観てよかった、マジで。
偶然が奇跡すぎて興醒めるとかは全くなく、
寧ろ偶然が偶然と判明する前の時点でも1つのエピソードとしてとっっっっっっっっても泣ける
もう、号泣。
悲しくて悔しくて泣く時って本当に辛くて人間辞めたくなるけど
本作をみてぼろ泣きした涙は人生で必要な涙。セロトニン爆分泌。
人間に生まれてよかったなと思えたのは久々。
別れはいつも本当に突然なの。だからといって事前に告げられることが仮に出来たとしても
受け入れなくてただ時間だけが過ぎていくのだろうな・・・
今ある繋がりを大切にしようと思った。プライドなんて要らない。
人生、前向きにしてくれる映画です。
ストーリー展開が序盤は淡々と進んでましたが、中盤からいろんなエピソードの意味が繋がっていき、アイミタガイとはこういうことかと納得出来ました。人生はいろんな人と知らず知らずに繋がっており決して一人ではないと教えてくれます。前向きに生きていれば、辛い事があってもいつか巡りめぐって幸運が訪れることもあると思わせてくれる映画でした。私は人とのコミュニケーションが苦手ですが何気ない事にも大切にしていきたいと思わせてくれました。映画っていいなぁ❗️
見終わって清々しい気持ちになれる
「相身互い」本来の意味とは違い、むしろ「情けは人のためならず」に近いストーリーだが、バラバラだったいくつかの話が、スッキリまとまっていく爽快感と感動は、なかなかのもの。
見終わって、清々しい気持ちになれる映画だった。
涙活デトックスには良い映画です
叶海ちゃんがめっちゃイイ娘で惚れましたー❤️
それもあって自然と涙がこぼれました(イイ娘過ぎやろー)😢
登場人物は皆さん善人で、じんわり心に沁みるいいお話し。
元の話があるのでしょうがないのですが、あまりにありとあらゆる事が最後に繋がり過ぎて(It's a small world. 世間狭過ぎ)、「笑わそうとしてる?」とまで思いました。
過度の繋がりに星半分減らしました。
全部つながる快感。
黒木華主演であれば見逃せない。というわけだ。
原作の長編小説を整理して100分強のドラマに仕上げる『脚本(脚色)』の見事さに脱帽。久しぶりに邦画で、クライマックスまで引き込まれ、納得感を持たせる群像劇を観た気がする。掘り出し物です。予定調和の快感を得られます。
物語の展開が読めてしまうストーリーに呆れる。が、しかし。
センチメンタリズムに陥っていない所が良い。まぁ、私の心の奥底まで動かす力はないが、感動する人もいるだろう。鑑賞料金分の値打ちはある。観て損は無い。
じんわり、じんわり…
映画の前評判、ストーリーも気になり鑑賞。
心の奥底にゆっくり沁みていくような…
悲しいけれど…元気が湧いてくる様な
素敵な映画でした。
主演の方々の演技、寄り添ってくれる様な
優しい音楽、途中何度も啜り泣きしてしまいました。
鑑賞して良かった。。
あまり前情報入れずに観に行って、中盤までは過去に「マグノリア」(1...
あまり前情報入れずに観に行って、中盤までは過去に「マグノリア」(1999年)という映画があり、観ていてそれを連想しました。
「世間は狭いねー」なんて言うことがあります。これはお互いの関係を知って初めて言える言葉で、例えばこのレビューを見てくださっている貴方が、実は過去に旅先で私が道を尋ねた貴方だった。みたいな神の視点(笑)じゃないとわからない偶然って実は多いのだろうなと。この映画は「アイミタガイ」を通じて、そんな見えない関係が終盤、主人公・梓(黒木華)に集約され、梓を未来に踏み出させる物語。
過去に私がした、された「思いやり」も、今もどこかで誰かに繋がり、誰かの一歩を後押ししているのかも。そんな事を思わせてくれる温かい映画でした。
アイミタガイ、いい言葉だ
名古屋とその近郊で昨日と同じ今日を暮らす縁もゆかりもない皆さんが、ふと些細に触れあって、そしてそれがそれぞれの背中を力強く押す
優しく温かく、100分くらいで観やすい
気楽にフラリと、そして何一つ前情報を持たずにいくのが絶対におすすめ、そう、絶対にだ
アイミタガイ、いい言葉だなー
全165件中、1~20件目を表示