アイミタガイのレビュー・感想・評価
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たとえ会えなくても
最近、LINEの「既読」が苦手です。
送られてきたら、早めに読んであげなきゃと気を遣ったり、送るときには、早く読んでと催促しているように思わせたりしていないかと気になったり。なかなか「既読」にならなくても、「既読」になってからなかなか返信が届かなくても、何かモヤモヤするものを感じたり。
目に見えるつながりを感じさせてくれる一方、何か物足りなさ、寂しさを感じます。
※なので、最近はミュート送信を汎用しています。
SNSでつながっていなくても、「既読」にならなくも、どこかで何かでつながっている人がいて、何かで支えられているんだと改めて感じさせてもらえました。そして、そういうつながりの方が確かなものなのかなとも思わせてもらいました。
原作の良さもあったのかもしれませんが、場面やセリフのつながりが見事で心地よく鑑賞しました。
このアプリのレビューを読みながら鑑賞を決めましたが、やっぱり、たまには「良い人ばっかり出てくる作品」も良いなーと思いました。
草笛さんのピアノ演奏のあとには、私も大きな拍手を贈りたくなりました。
潔さと爽やかさ
あまり響かなかった
レビューが良かったので期待しましたが、私には特段響かなかったです。
多感な時期だったりお疲れの時に見たらまた感想が違うのかもしれませんが、私は元気満々で鑑賞したのでw、得るものが少なかったのかもしれません。
偶然が重なりすぎてるのはまぁ、そういうお話なので理解できます。
最大の違和感は、私から見て梓(黒木華)にあまり魅力を感じなかった点。
優しい人たちでまわるお話だと思っていたけれど、梓→澄人への優しさはあまり感じられなかった。澄人は梓のナニに惹かれてそんなに健気なの??
梓が澄人に放つセリフを男女逆転して澄人が梓に発したとしたらイラッとしそう、と思うシーンがちらほらあって、優しさはめぐるというのがテーマならまずは一番近くにいる人に優しくしようよ、と梓に語りかけたくなりました。
子を亡くす親の心境は、切ないです。
ただ、いじわるな見方で語るなら「その設定を使えばそりゃ切ないさ」と分かっているから、安易に使わないでいただきたいなとも思う。
私は【人の死】に寄りかからないで、それでも心に染み入る物語が好きです。
草笛光子さんの矍鑠としたお姿には拍手喝采です。
一部、ご自分でピアノをひかれていましたね。
皆んないい人だけど澄人(中村蒼)のキャラが特に良き
「いい人ばかりが出てくる小説は嘘くさいと思っていたけど、今は信じたい」
劇中にこのようなセリフがあったのだが、まさにそんな映画だった
アイミタガイ(相身互い)、誰かの事を思ってしたことは巡り巡って見知らぬ誰かを救いそれはやがて自分にも返ってくる
バラバラに思えたストーリーが少しずつ繋がっていって、タイトル回収も見事
泣ける映画!と期待を高くし過ぎたせいか思ったほど涙は出ず(それでも終始ウルウルしてた)
ただ隣の方は大号泣していたのでツボに入るとめちゃくちゃ泣いてしまうのかも
大袈裟じゃなくて…
久しぶりに優しい綺麗な映画を見た
きっと私たちも気づいていないだけ
アイミタガイ(=相身互い)。呪文のようなコトバ。
それは、造語ではなく、昔からある日本語だということを本作を観て知った。
物語は、主人公:梓(黒木華)の親友:叶海(藤間爽子)の死から始まる。この叶海の存在、彼女の生前の言葉、行動が物語を紡ぐ重要な糸になっている。
登場人物達に起こる日常の出来事。
叶海は糸の役割を果たしている。奇跡を起こす糸。
日常のちょっとした出来事を繋げて奇跡を起こす糸。映画だから、私たちが体験できないような世界を創ることができる。奇跡を起こすことができる。彼女は特別な存在?
私は、特別な存在がなくても、私たちの周りでも、この作品で起こったような、小さな出来事が、点が、そこかしこで発生していて、別の点と繋がったりしていると感じた(作品の舞台を桑名という地方都市に設定したのも、奇跡ではなくて、これは私たちにも起こりうることだということを示唆しているように思う)。
点と点を繋ぐ線は、知らないところで繋がったり、途中で途切れたりして、多くは私たちの前に現れない。私たちが気づいていないだけで。
映画の場面場面を思い起こしてみると、「点」を発生させるのは、1人1人の、小さな優しさだったり、思いやりだったり、お節介だったり、少しの勇気だったり。取り立ててドラマチックなものではない。
しかし、その1つ1つの、バラバラに発生した点が、少しずつ線となって繋がっていき、とうとう1つの円環となって、最後に大きな出会いとドラマを生む。
線となるには、何らかの「縁」が必要なのだろう。それが、この作品では叶海であり、現実世界では、「アイミタガイ」の精神、人と人の繋がりなのかもしれない。
そして、この物語は、前に進めなくなった人が前進し始める力を得る物語でもあった。
親友の死を受け入れられず、結婚にも踏み切れない梓。言いたい一言が言えない澄人(中村蒼)。娘の死を受け入れられない親(田口トモロヲ、西田尚美)。人前でピアノが弾けなくなったこみち(草笛光子)。
彼ら、彼女らが前に進む力を得たきっかけは、小さな点のようなものから始まっている。自ら気づき、あるいは人に恵まれた彼ら、彼女らは、それぞれが一歩を踏み出す・・・。
105分という決して長くない尺の中で、丁寧に人を描き、日常を描き、物語を紡ぐ。決して起こらない、でもひょっとしたら起こるかもしれないと期待をさせるような、日常と非日常の間(はざま)を魅せてくれた脚本と、演者達。心を込めて創った作品であることが伝わってきた。
人に優しくしよう、思いやりを持とう、と肩に力をいれる必要はない。心の中で沸き起こった想いを、面倒くさがらずに言葉にして相手に伝える、ちょっと行動に移してみる。「アイミタガイ」でその言葉や行動が自分に返ってこなくてもいい。
そのうちの何分の1かは、点となり、あるいは次の点と繋がるかもしれない。それが、どこかの誰かの日常に、少しの幸せをもたらしているかもしれない。そう考えると、自分の日常にも幸せを感じられるかもしれない。
そう思いたい。
そう思わせてくれる、とても優しい映画でした。
(2024年映画館鑑賞32作目)
タイトルなし(ネタバレ)
結婚式場でウェディングプランナーとして働く秋村梓(黒木華)。
親友は、中学校時代を救ってくれた叶海(藤間爽子)。
彼女は、いまはカメラマン。
取材で南の島へ旅立ったが、そこで命を落としてしまう。
喪失感を埋めるべくか、叶海の死を受け入れられないかはわからないが、梓は叶海のスマホにことあるごとにメッセージを送っていた・・・
といったところからはじまる物語で、中條ていによる同名小説の映画化(原作は未読)。
『ツレがうつになりまして。』や『八重子のハミング』などの監督・佐々部清(2020年逝去)が生前、映画化を企画し、脚本を書いていたというエピソードがあるので、佐々部映画の路線を期待するわけだ。
映画は、梓の恋人・澄人(中村蒼)、梓の祖母(風吹ジュン)や叔母(安藤玉恵)、叔母がヘルパーをしている相手の老婦人(草笛光子)、叶海の両親(田口トモロヲ、西田尚美)など、身近で多彩な人物が登場し、彼ら・彼女らがそれぞれ少しずつ人生のちょっとした部分を共有している・・・というように描かれます。
共有している部分は、お互い同士はそのことを知らない。
「袖すり合うも他生の縁」という言葉があるが、本作では「現世の縁」である。
すり合う部分は少ないけれど、そのいずれもが美しい。
劇中、図書館勤めの叶海の父が言うのだが、「むかしは、いいひとしか登場しない小説は嘘くさくて嫌いだったが、いまは、信じたいんだよ」という言葉。
まさに、そんな映画。
いちばん泣かされたのは、車屋という名のタクシー運転手(吉岡睦雄)のエピソード。
ちょっとしたことなんだけれど、偶然ではなく、必然。
その必然に泣かされる。
いくつもの偶然が重なった物語(にみえるの)だけれど、それはやはり、必然なのかもしれない。
いい映画でした。
良作
タイトルなし(ネタバレ)
黒木華さん。観る人によって評価が真っ二つに別れるだろう女優さんです。
結局こういうタイプが1番モテる系女子の代表として、やっかみもある事でしょう。
今回は黒木さんの演技を初めてじっくり観る機会でした。
ルックスも演技も、いくら観ても全く邪魔にならない女優さんだなぁと、感じました。
鼻につきそうでつかせない。あれ?と思う瞬間も絶妙なバランス感覚ですぐに持ち直します。気のせい、気のせい。
ご本人は意識していないでしょうが、昔のアイドル映画を思い出します。
角川映画の原田知世作品のような、健気な少女の成長物語。
さわやかな余韻に浸りかけた時、最後に流れ出す本人主題歌。
隠しきれない出しゃばり感。
原田知世にでもなったつもりかよ。
最後に毒づいてしまう私なのでした。
清々しい涙が溢れる珠玉の作品
「阪急電車」ならぬ「近鉄電車」?
原作未読
黒木華に外れはなかろうと言うことで観に行った。
ラストに向けて収斂してくると、良い感じになっていくのだが、冒頭から中間部にかけては、やや間延びした感じ?
友人の持つカメラが、スナップで使うにはデカすぎじゃないのか?と思わなくもないが(これが男なら、盗撮容疑で通報されたりして?)。
音響は映画館によって異なるかもしれないが、映画の雰囲気とはマッチしないような音の大きさ(セリフがはっきり聞き取れて良いとも言えるが)。
映像的には、露出オーバー気味の写真を見せられている感じで、特筆できるものはなかったような。悪く言えば、TVドラマの画面のよう?
話の構成は、以前観た「阪急電車」を友人の死を入れ込んで、やや暗めにシフトした感じに思えたが、終わりよければすべてよし。エンドロールの歌、懐かしのヒット曲だが、誰が歌っているのだろうと思いきや、黒木華本人で、ちょっと驚いた(結構、上手い?)。
人と人の繋がりにほっこりできる映画でした。
絶対にあり得ぬ100%純粋な作り話だが
優しい映画でしたが、私はツボらなかった。。
映画館で何度か予告を見ていたのと、口コミサイトの評判が良いのを見てしまい見に行ってみた。
優しい映画でした。
突然、親友を失ってしまった女性の話。
その親友との出会いや、彼女を取り巻く周りの人達が自然につながっていく。
ちょっとした好意が重なり合っていく様子が描かれていく。
涙なくして見れない的な書き込みを見て、感動する準備をして行ったのだけど、私はイマイチ、ツボらなかったかな。。
この辺は人によって心の琴線は違うから仕方ないでしょう。
号泣する人もいるんだろうなという内容でした。
嫌な人は一人も出てきません。
今年見た『夜明けのすべて』を思い出した。
こういう後味の良い映画はインパクトが薄いので、人によって大きく評価は変わるんじゃないですかね。
印象に残ったのは、冒頭の小銭で払おうとして足りなかったシーン。
あれは何を言いたかったのか分からなかった。。
あとは、草笛光子の存在感と、叶海(かなみ)の中学生役の女の子が良かったかな。
それと、奇跡的な繋がりを描きながら、特にそれをクローズアップするわけではない。。
意外な繋がりを感じる事はたまにありますけどね。
あっさりとした描き方が気になった。
アイミタガイの意味は、
『誰かの事を思ってしたことは巡り巡って見知らぬ誰かを救いそれはやがて自分にも返ってくるという意味』との事。
良い言葉ですね。
いつまでも繋がっている
幾度も人々が結ばれている様をを見ているのに、自身はなかなか繋がりを掴みにいけない主人公。唯一強い絆を結んでいた親友の死。
娘という強烈な繋がりを失った両親が娘の繋がりを伝っていく
それぞれをメインに主人公の姉、彼氏とそこから繋がった縁がさらに見えていなかった繋がりが姿を現してお互いに背中を押し合うという素敵な構成を見せている。
アイミタガイ。困った時はお互い様。だけではなく、自分だけいつも与えてばかりと思っていても実は遠くから繋がった優しさや善意が自分の元へ来て助けられている。見えていないだけで人は繋がっているんだということを学んだ。
映画的にもほぼ全てが綺麗に繋がっていて、また伏線の張り方も自然で違和感がないので気持ちよく見れる。
ただ、本当に全てが繋がり過ぎているので、あくまでこれは理想の物語であって、現実はそんなんじゃないよね。という感情を観客に与える余地があるのが少々切ない部分ではある。
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