「アイミタガイ。それは善意で結ばれる、人と人との輪」アイミタガイ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
アイミタガイ。それは善意で結ばれる、人と人との輪
♪めぐる、めぐるーよ、善意の輪は〜♪
そんな気がします。
善意が人の手から手へ渡って大きな輪が出来る。
相手を思いやり、助けることこと(=アイミタガイ)
善意の輪が、やがて広がって大きな輪になる。
そもそもは、叶海(かなみ)さんからはじまった輪。
それが連鎖して行く。
一番のはじまりは、
虐められていた中学生の梓(近藤華)を叶海(白鳥玉季)がイジメから
救い出した行動力、
梓の手を引っ張って、引っ張って、
叶海が連れて行ったのが、
“こみち“さんの家の軒先、
(その家から聞こえてくるピアノのメロディ、
午後6時と共に帰宅を促すドボルザークの《家路》
梓と叶海は聞き惚れて、何度も通い、
癒されていた。
そんな梓が“こみち“さん“(草笛光子)と再会する。
顔を見るのはお互いにはじめて。
“こみち“さん“は戦時中、予科連へ進む学生を自分のピアノで
送り出した経験を、深く悔いている。
そして自分への罰として、ピアノを弾くことを絶ったのでした。
(自分のピアノで、若者を死の戦地へ送り出してしまった)
ウエディング・プランナーの梓(黒木華)は、
金婚式のセレモニーで弾いてくれる年配者のピアニストを
探していた。
叔母(安藤玉恵)がヘルパーとして伺う家の前を通り、
中学生の頃の記憶が蘇る。
あの「家路」の聞こえてくる家だったから・・・
《一番大事なこと》
叶海(藤間爽子)が事故、最近で死んでいる事。
その死ををどうしても受け入れられない梓(黒木華)。
いつも庇ってくれて、励ましてくれて、
後ろから押してくれる。
どれほど大事な人だったか!
叶海の両親も同じこと・・・
かけがえない一人娘を失った。
人の輪は、梓の祖母(風吹ジュン)→梓にくっついてお邪魔する
恋人未満のボーイフレンド澄人(中村蒼)→右隣の家のお婆さんの出す
ボヤ(小火)→水をかけ、座布団で消す澄人→
→ちょっと見直す梓→澄人と電車で会う会社員(誰?)→
養護施設の施設長→トイレにある叶海の写真展示場所→
プレゼントのお菓子→子供たちからのお手紙→叶海のラインに届く
梓のメッセージ→それをいつも読んでいる母親→施設を訪ねる両親→
そしてトビッキリのプレゼント‼️
梓の叔母→“こみち“さんのピアノ演奏→金魂式のご夫婦→引き出物→
宝石店の店主→→→→→そしてそしてラストの大団円(かな?)
まだまだ《アイミタガイ》の輪は続いていく。
親友の死を受け止めて、乗り越えて、
一歩を踏み出す物語。
人の善意、そして運命を優しく見つめた
心に染みる映画でした。
(今年もよろしくお願いいたします)