「“とある喪失感から立ち直るための青春映画…”な映画」アイミタガイ stoneageさんの映画レビュー(感想・評価)
“とある喪失感から立ち直るための青春映画…”な映画
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泣くな!というほうが無理な映画でした…なので、泣きたい方は、どうぞ!笑
登場人物にまつわる各エピソードは、どこか既視感のあるお話ばかりなんですが、脚本が良いのかあるいは監督の手腕のせいなのか、人々の心情が上手く描けており、観ている側も感情移入がしやすく、後半へと行くにつれ、徐々に説得力のある物語へとなっていきます。
出演者たちはみな名演なんですが、特に主演の黒木華は見事でした。この作品がキネマ旬報のベストテンに入ることは多分ないでしょうけど(すいません!笑)、この作品で黒木華が主演女優賞を獲ってもおかしくはないでしょう(あくまでも個人的意見です)。派手な役どころではありませんし、どちらかといえば淡々とした物静かな役柄なんですが、彼女の所作や細かい表情の変化など、嫌味なくとても自然な感じがしました。
良い物語、良い作品だったと思います。
*ラスト、宝石屋の主人と孫のエピソードは、とってつけたかのような演出で、ちょっと“やり過ぎ”かなと思いました。もっとさらりとした偶然を装えばスマートだったかも知れません。あと、施設に保険金を寄付するエピソードも不要だったかなと思いました(トイレの写真だけで十分でした)。
*主人公と親友の高校生時代のエピソードだけで、1作品出来そうですね。この2人に纏わる“お話”がとても素敵な映画作品でした。
*脚本の市井昌秀は、私の大好きな映画『僕らのごはんは明日で待ってる』を監督した方だったんですね!どうりで…笑
*女優・藤間爽子さん、初めて知りました。
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